安孫子市長からのメッセージ。安孫子宏輔



新成人の皆さん、成人の日を迎えられ、心からお慶びを申し上げます。


新成人の皆さんは未来への夢と希望を胸に晴れやかな気持ちでこの成人の日を迎えられたことと思います。

この日は、皆さんが成人になられた事をお祝いする日であり、そして大人としての自覚と責任ある行動が求められるようになる人生の大きな節目でもございます。


では、ここで皆さんに一つ質問です。




大人とはなんなのでしょうか？




「今日から皆さんは大人です」と皆さんはまさに今日言われたわけです。

そして、日本全国で多くの立派な大人が今日この言葉を皆さんに口にしたわけですが


大人とは一体なんなのでしょうか？


まず「大人とは何か」を知らなければ、大人としての自覚も何もなく、大人になんてなれないと私は思うのです。

故に、まずは市長である私が旧成人を代表して「大人とは何か？」という答えを皆さんに示さねばなりません。




大人とは何か






大人とは何か…






大人とは…







なんなんでしょうねえ。



いや、真面目に考えたのです。


こたつでコアラのマーチを食べながら一生懸命考えたのです。


しかし、ここまでしても答えが分からない。


私も皆さんに教えてあげたいのは山々なのですが、どうもその答えが分からない。


成人してから早9年、大人として日々を過ごしてきました。


電車に乗る時だって「大人」で切符を買ってきたし

お酒だって嗜むようになりました。


しかし、大人とは何かと聞かれると

「なんなんだろうなあ」と物思いに耽ってしまいます。

分からないので辞書で調べたりしました。


【大人】
一人前に成長した人。成人。


と書いてありました。


一人前ってなんだ。そう思って辞書で調べてみました。


【一人前】
おとなであること。




それはずるいよ〜
もう哲学みたいになってるじゃないか。




辞書にたらい回しにされても諦めず、私は参考資料としてサッポロ生ビール黒ラベルのCM「大人エレベーター」を観てみました。



普通に感動しました。


でもCMに出ている素敵な大人の皆さんも言っていることは人それぞれだし、分からないと言っている人もいました。



あのメンバーが分からないならこれはもう分からないな、と変な自信も湧いてきました。



これだけ考えても調べても分からないということはひょっとして私は子供なんじゃなかろうか

そう思って映画館で子ども料金でチケットを買ってみようとしましたが、その後に起こりうるスタッフの方とのやり取りを想像すると億劫になり、買う事ができませんでした。

やはり私はどうしたって大人なのです。



どうですか皆さん


大人なんて、こんなものなのです。


大人だって悩んでいるのです。


過度に大人に期待しないでください。


人はある日突然大人になるわけではありません。


ライオンを一人で倒すとかの成人の儀式がある地域では突然大人になるかもしれませんが、僕が知る限りの日本では人は突然大人にはなりません。



「まだ若い」「まだ子どもだ」と思っている皆さんの"今"が毎日続いていく。


友達と遊んで楽しかった日。
誰かと別れて悲しかった日。
自分の恋心を自覚した日。
人に言えないような事をしてしまった日。
ひたすら仕事をして疲れた日。
ぼーっと一日を過ごして漠然と罪悪感を感じた日。

その日々の延長線上にいるのが大人なのです。


それぞれの人が積み重ねた体験や出会い、過ごした日々によって経験が増え、考え方が変わっていくだけなのです。



残念ながら私にはまだ大人が何かを答えることはできません。


しかし、自分の親も自分と同じように日々を積み重ねてきた一人の人間だと認識できた時

漠然と当たり前だと思って受けてきた愛情をありがたく感じて

なんだか大人になったなと自覚しました。

なのでこの機会に親御さんの人生を想像してみるのも面白いかも知れません。

一緒に大人とは何か考えながら、大人を楽しみましょう。


それでは以上をもちまして、成人を迎えた安孫子市民の皆さまへのお祝いの言葉とさせていただきます。


安孫子市長