深夜1時



昼間の喧騒が嘘のようにひっそりと静まり返る東京の街



その一角にあるマンションの一室で



1人の男が立ちすくんでいた



呆然とたたずむ男の手からはポタポタと滴がこぼれ落ちる





「やっちまった…」




男は誰に向けるでもない呟きを漏らし床に広がる光景を眺めた




どうしてこんな事になってしまったのか




その男



すなわち安孫子宏輔は天を仰ぎ、目を閉じた




部屋に広がる季節外れの花の香りが妙に鼻を突いた














水曜サスペンス劇場

「柔らかい男」














その日、稽古を終えた僕は日付が変わる頃自宅に帰った



遅めの夕食を終え



お風呂に入って1日の疲れを洗い流そうと風呂場へ向かう



洗面所で服を脱ごうとした時



あるものが目に入る



それは公演の稽古が始まってからなかなか洗えずに溜まった洗濯物



「そろそろ洗わないとな」



面倒くさくなる気持ちをグッと堪え洗濯機の電源を入れる



液体洗剤を入れ



柔軟剤のボトルを手に取りキャップを外す



ほのかに広がる花の香りが心地良くて思わず



「うふふ、いい香り。春が待ち遠しいわ」



なんて気を緩めたのがいけなかったのだ


目盛りまで注ごうとした瞬間



柔軟剤のボトルは僕の右手から滑り落ちる



「わあい!!」


と咄嗟の声を上げて

慌てて左手でキャッチを試みるも右利きのアビコにそれは叶わず


左手いっぱいに柔軟剤を浴び、ボトルは床に転がった



部屋中に広がる花の香り



そうして冒頭のような惨劇が生まれたのである





「やっちまった…」僕はそう呟き天を仰ぐ



しかしながら次の瞬間僕は笑っていた



ボトルを落とした時に叫んだ自分の声が滑稽すぎて笑っていた


なんで「わあい!」って言ったんだろう


喜んじゃってるよ


どんなに嬉しくてもこの歳でなかなか言えないよ


なんて心の中で自分にツッコミを入れながら床を拭き風呂に入る



そしてシャワーヘッドを持とうとして


自分の左手があり得ないほどいい匂いな事に気がつく


ああ、ずっと嗅いでいたい



今まで生きてきて、今が一番左手の匂いが良いかもしれない



鏡を見ると柔らかく微笑んでいる自分がいた





柔軟剤というのは人間の心も柔らかくするのかもしれないな



そんな事を思い


僕はいつもよりそっと左手にお湯をかけた。
















はい、という事で今日から水曜サスペンス劇場改め水曜日のブログを担当する安孫子です



今まで水曜日にしかブログを読んでいなかった皆様、はじめまして!



水曜どうでしょう

水曜日のダウンタウン

水曜日のネコ

そして水曜レッド



数々の人気者たちを生み出した水曜日を担当するのは嬉しくもありプレッシャーもありますが


自分らしくブログを書いていこうと思います


本当に一発目のブログでいったい何をつらつらと書いているんでしょうね



こんな感じで真面目に更新していくのでどうぞお付き合い下さい



皆さんの水曜日がちょっと楽しい1日になれば嬉しいです。



では、こちら


今まで質問をしていた大翔くんからのメッセージ


今まで無茶振りばかりして迷惑をかけた分真摯に答えさせていただきますよ


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うん、なんとも心配になるメッセージです


あの子ったらちゃんと食べてるのかしら


僕も最近レパートリー増やしたいのでご飯会をやりましょうそうしましょう。






では僕から明日の人へ


メイドインアビスの映画面白かったね。


春アニメのおすすめを教えて下さい。







ではでは更新遅くなってすみませんでした



また来週の水曜日に!




安孫子宏輔




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