子どものための教育学
実践編(☆:著者 T:教師 C:子ども P:親)
T「それでは、58+87を計算してみましょう。」
C「はい」
T「ではCさんどうぞ。」
C「236です。」
C2C3C4……「ちがうよ。」
あちこちから「ちがうよ」の声が上がります。
T「そう、それなら、Cさん、200点だね。」
もし、あなたが先生だったら、「ちがうよ」のあとどうしますか。
ほとんどの先生は、「それでは正しくはいくつになりますか」のように聞き返すのではないでしょうか。この問題の正解は「145」です。
授業に戻しましょう。
T「それでは、みなさん、どうして『236』になったのでしょうか。」
C2「足し間違えたのだと思います。」
T「どう間違えたの?」
C2「1の位の計算は、8+7=15なので、答えの1の位は5になります。」
T「なるほど。それでは、答えは『235』でいいですか。」
C3「私は、『145』になりました。だから違うと思います。」
T「『145』と『235』では、百の位と十の位が違いますね。どう計算したら『230』と
いう計算になるのでしょう。」
C4「繰り上がりを忘れているのだと思います。一の位の計算は8+7=15なので10繰り
上げることを忘れているのだと思います。」
C5「そうすると、十の位の計算は、繰り上がった1を足して、1+5+8=14となるの
で、答えは『145』になります。」
T「ちょっと待ってね、どう計算したら『235』になるのかを考えているので、それだ
と百の位が『1』になってしまい『2』にはなりませんね。」
C……「…………?」
T「どうしたら、百の位が『2』になるのかな?」
C6「わかった!」
T「どうするの」
C6「一の位の繰り上がりを、百の位にして計算すればできます。」
T「ほう、どう計算するの」
C6「一の位の計算は8+7=15、さっきはこれを『16』にしちゃったんです。それでこ
の『10』の繰り上がりを百の場所で計算するんです。十の位の計算は、5+8=13と
なって、十の位が『3』百の位への繰り上がりが『1』、そして百の位の計算は、1の
位の計算の繰り上がりを間違えてここで計算すれば、百の位の計算は1+1=2、つま
り最初の『236』になります。」
T「そうか、これで解決したね。じゃあ、先生がまとめるね。まず、足し算の間違えが
ありました。8+7=15ですね。次に繰り上がった数を違う位で計算してしまったと
言うことですね。丁寧に計算することと、位をそろえて計算することの2つが大切だ
と解りましたね。」
T「つまり『Cさん』のおかげで、みんなが意見を出し合って、大切なことを確認でき
たということになります。『Cさん』に感謝ですね。だから『Cさん』200点です。」
☆長くなりましたので、続きは次回にします。なぜ、間違えた『Cさん』の得点が高く
なるのかについて書きたいと思います。