第4章 いじめの温床日本 私たちを取り巻く社会環境を考察する
Ⅱ いじめ発生の温床・日本③
1 世間体の文化・真心の忘却③
そして、そこに働いているのは、徳川幕府以来マインドコントロールされてきた世間体が大事という日本人の体質なのです。5人組というようなものを作り、お互いを監視させ、みんなと同じように行動し、難しいことは何も考えずに生きていけば、安心して平和に暮らせる、人と変わったことをやって秩序を乱すのは悪いことだ、不幸になるぞ、全員一致が大切だ、世間体が大切だ、と。
これが完全に文化にしみ込んでしまっているのです。乱暴な言い方になりますが、だから、「みんながいじめていたから自分もいじめてしまった」ということが起こってくるのではないでしょうか。
深谷氏は、日本固有のいじめに、“ゲーム性”というものがあると述べています。
「普通の子がほとんど罪の意識なしに、付和雷同的にこの行為(いじめ)に参加するところに、現代の日本の子ども集団の病理を見ることができる。『菌ごっこ』と『無視』がその代表的な行為である。」と。
まさに、心よりも形式、個人よりもみんな一緒(5人組)を大切にしてきた日本ならではの“いじめ”ということが言えるのではないでしょうか。
余談になりますが、ユダヤ人は全員一致の意見だというと、すぐ疑ってしまいます。世の中に全員一致の意見なんてあるはずがない、かならず反対意見があるはずだと考えているんです。そして、『第3章』でも述べたように、ユダヤ人が、学術・芸術などの世界で、多くの偉人を輩出してきたのも事実です。
“個を大切にする教育”“心を大切にする教育”が叫ばれているわけですが、私たちのとらえ方を、よっぽどかえていかなければ、現状は何も変わらないのではないかと思います。
(次回:1 世間体の文化・真心の忘却④)