子どものための教育学

 

実践編(☆:著者 T:教師 C:子ども P:親)

 

14 初めの一人と真似する愚か者

 

④   ランドセルが床に置きっぱなしの子

C「先生、Eくんのランドセルが床に置きっぱなしで、困ります。」

T「何に困っているのですか?」

 

C「だって、ランドセルはロッカーに入れなければいけません。」

T「それで、困っていることは何ですか?」

 

C「決まっていることは、ちゃんとやらなくてはいけないと思います。」

T「そうです。その通りです。それで困っていることは何ですか。まず困っていること

 を解決しましょう。」

 

C「そう言われると、わかりません。」

 

 

 

 

C「先生、EEくんのランドセルが床に置きっぱなしで、困ります。」

T「それで何に困っているんですか。」

 

C「掃除の時に、ランドセルが邪魔で机が運べません。」

T「そうですか。それは困りますね。なんとかしないと。」

 

T「みなさん、床に落ちているものは、何ですか?」

C「落とし物。」

 

T「そうですね、落とし物ですね。落とし物は本人に返さなくてはいけませんね。」(と

 言って、落ちているゴミを拾う。)

 

T「でもこれ名前がありませんね。」(と言って、近くの子どもの名前を書く)

T「名前ありました。ハイあなたのものですね。」

 

C「違います。今先生が勝手に名前を書きました。」

C「それはゴミです。」

 

T「えっ、落とし物じゃないんですか?それでは、ゴミは?」

C「ゴミ箱!」

 

T「でも、このゴミは、今先生が拾うまでここに落ちていました。落とし物だから気が

 つかなかったんじゃありませんか。だって、今みんな『ゴミはゴミ箱』って言った 

 よね。それなら、ゴミ箱に入っていないものは落とし物じゃあないんですか。」

 

C「・・・・・・」

 

T「あっ、そういうことですか。ゴミはゴミ箱にあるものだから、この教室ごとゴミ箱

 なんだ。ということは、先生も子どももみんなゴミと言うことになりますね。今日

 から私のことをゴミ先生と呼んでもらいましょうか。」

 

C「先生も私たちもゴミではありません。」

 

T「困りましたね。それでは、ゴミか落とし物かどうやって見分けましょうか。」

C「落とし物は、自分で拾います。」

T「じゃあ、ゴミは?」

C「ゴミ箱に捨てます。」

 

T「なるほど、じゃあ、誰も拾わずに、落ちているものはゴミと言うことでゴミ箱に捨 

 てますね。えっと、教室に落ちているゴミは・・・」

 

 あわててEEくんは、ランドセルをロッカーに入れに行きました。