子どものための教育学
実践編(☆:著者 T:教師 C:子ども P:親)
13 机の下は、お腹の中 ケース3
ケース3:T1
C3「先生、Dさんが、教室の隅っこでうずくまっています。」
先生はDさんのところへ行き
T1「どうしたの?何があったの?」
と声をかけますが、Dさんは泣いて話をしてくれません。
先生はなんとかしなくてはと思い、
T1「いやなことがあったの?泣いていても何の解決にもならないよ?」
と声をかけますが、Dさんはますます泣くばかりです。
だんだん先生はイライラしてきます。
T1「だから、先生はあなたを心配して聞いているのに、泣いてばかりじゃどうしたらいいのか解らないでしょう。」
先生の口調はさらに強くなっていきます。
T1「泣いたって解決しないんだから、泣くのをやめなさい。」
すると、Dさんは、泣きながら教室を出て行ってしまいました。
ケース3:T2の場合
C3「先生、Dさんが、教室の隅っこでうずくまっています。」
T2「Dさん、落ち着いたら話を聞くから、それまでそこにいていいからね。心配しないで大丈夫だよ。」
Dさんは、1時間そこにいましたが、たくさん泣いたら落ち着いて話せるようになりました。
T2「Dさん大丈夫?先生何か力になれるかもしれないけど、話してくれないかな。」
すると、Dさんは、放課に隣のクラスの友だちとケンカしてしまったこと、仲直りできなかったらどうしようと思うと泣けてしまったこと、自分にも悪いところがあったから、こんな自分の姿を知られると、本当に仲直りできなくなるんじゃないかと思い、ますます泣けてしまったことを話してくれました。
T2の力添えもあり、無事、仲直りできました。
☆うずくまって泣いていたら、教師としては、すぐにでもなんとかしなくてはと思い
ます。
でも、泣いているときは、話などできないものです。
それが、怪我や体調不良というように、すぐ手当や治療が必要なことであれば違いますが、それでなければ、落ち着くまで泣かせてあげることも大切です。声をかけながら、様子をうかがい、落ち着いたところで話を聞いてあげたT2は、いい対応ができたといえるでしょう。