3 メロスの真実

 

メロスとセリヌンティウスが、命をかけて

シラクスの街を救ってから、早くも三年が過ぎようとしていた。

 シラクスは、第1次シケリア戦争でカルタゴ国を攻め、島を包囲して、島民を餓死(がし)させる残虐(ざんぎゃく)な方法で勝利していた。

 シラクスの非道(ひどう)な行為に怒りと恨みを持ったカルタゴ国は、国王ハンニバルが、いよいよ反撃を開始した。

 

BC347年。

シラクスの街は、メロスに救われてからまもなくカルタゴ軍に包囲されてしまった。もう1年間も、こんな状態が続いている。

メロスとセリヌンティウスの友情から善王となった王ディオニスは、このカルタゴ軍との戦いで命を落としてしまった。その後を()いだのは、ディオニスの息子ディオニスⅡ世(BC397~BC343)だった。

ディオニスⅡ世は、戦争の経験がなく戦いを知らない大変臆病(おくびょう)な王だったため、シラクスの街は簡単に見捨てられてしまった。

カルタゴ軍に包囲されてからというもの、シラクスの街は、夢も希望も失い、かつてのような活気は、街から全く消えてしまったのだった。

そんな、ある日の朝から、この物語は始まる。