子どものための教育学
2 はじめに(子ども編)
現在の教育では、子どもの意思にかかわらず、子どもの教育は、大人によって決められています。生まれたときから教育のレールは、決まっているのです。
子どもが選ぶことはありません。
教育は、多くの研究の積み重ねによって、考えられたものだからです。
つまり、大人が考えた教育を子どもは受けなくてはいけないという考えになります。
これは子どもが大人に従わなければいけないということにつながります。
ところが世界の時代の流れは、違っています。
子どもの権利条約を見たとき、「児童は、身体的及び精神的に未熟であるため、その出生の前後において、適当な法的保護を含む特別な保護及び世話を必要とする。」とあるように、子どもは大人に守られなければ生きていくことが困難です。
しかし、第12条にあるように
『第12条
1. 締約国は、自己の意見を形成する能力のある児童がその児童に影響を及ぼすすべ
ての事項について自由に自己の意見を表明する権利を確保する。この場合におい
て、児童の意見は、その児童の年齢及び成熟度に従って相応に考慮されるものとす
る。
(約束を交わした国は、自分の意見を作る力のある子どもが、その子どもに影響を
与えるすべての事柄について、自由に自分の意見を言う権利を持っている。この場
合、子どもの年齢や発達段階に応じた理解力や判断能力についてよく考えられるも
のとする。)
2. このため、児童は、特に、自己に影響を及ぼすあらゆる司法上及び行政上の手続
において、国内法の手続規則に合致する方法により直接に又は代理人若しくは適当
な団体を通じて聴取される機会を与えられる。
(このため、子どもは、特に、自分に影響を及ぼす法律に基づいて行われる手続き
において、子どもに十分説明し、意見を聴き、意向を十分大切にし、理解されな
ければならない。)』
の条文から考えられることは、自分の受ける教育に対して「自由に自分の意見を表明する権利」があるということになります。
これは「意見を表明するためにも、自分の受ける教育に対して知る権利」もあるということになるのです。
そのために必要なことは、難しい教育学を知ることではなく、子どもにも理解できる教育学を子どもたちが学んでいく必要があるということになります。
医学を見ると、患者に対して、治療法を提案し、治療していきます。
医学という特殊な専門的な分野でさえ、患者に説明があるのです。
ところが教育においては、親に対しては、方針を説明する事があっても、子どもに対しては、説明されなかったり、きまりという形で、学校や教師から一方的に決められていきます。
当事者である子どもは、どんな意図で今、自分がどのような教育を受けているのかを知らされることはありません。
「なぜ?」と問いかけても、「そういう決まりになっているから」とはぐらかされてしまうことがあまりにも多くあります。
そこで、教師だけでなく、子どもも教育に対して知ることにより、よりよい教育を教師と子どもの共同作業として展開していけないものかと考え「子どものための教育学」を発表することになりました。