「またここですか‥‥」
私がいるのは緑にかこまれた小川。
とても綺麗な川だが、流れが速く危ないため大人達は子供をこの川に近づけない。
それでもそんな大人達の目を盗んでこの川で遊ぶ子は決して少なくない。
その為、私達はこの川によく来ることになる。
「数年に一度は必ず事故が起こる。それなのに何故、子供達はここで遊びたがるのでしょう」
そうぼやきながらも、川の真ん中の岩に座っている男の子を見つけて近づいていく。
「あなたが、細田淳君ですね?」
「‥‥おじさん、誰? なんで僕のこと知ってるの?」
「あなたを迎えにきました。私はこういうものです。」
そう言って名刺を差し出す。
「たー‥み‥なる‥‥がいど?なにそれ‥‥。」
「命の終わりを迎えた者を、次の世界にお送りするのを仕事としています。」
「いのちのおわり‥‥?つぎのせかい‥‥」
やっぱり、こんな小さな子に説明しても通じないか‥
「あなたは細田淳君6歳。3日前にこの川で遊んでいましたね?」
「うん‥」
「その時にあなたはこの川で溺れました。そして、死んだのですよ。」
「僕、死んだの?」
「はい、ですから今のあなたがいるべき世界へいきましょう。私はあなたを迎えにきたのですよ。」
そっと手を差し出す。
きっとまだ何のことかはわかってないのだろう。それでも連れて行かなくてはいけない。
「さあ」
「うん‥わかった。」
触れてさえいれば連れて行くのは簡単なこと。
そこに階段があるかのように、どんどん空高くあがってゆく。