雨がシトシトと降っており、気も滅入りがちですが、そんな雨空にはアメリカ人のように毒づいてやりましょう。
シット!シット!
・・・えーと。
ひどいダジャレから始まるという懲役モノのオープニングですが、本日もどうかひとつお手柔らかにお願いいたします。
- 備忘録・第9回はそんなアメリカンな1枚です。
ウィルソン・ピケットの66年作「エキサイティング・ウィルソン・ピケット」。
この手のディープなR&Bは、サザン・ソウルと呼ばれていて、好きな人も多いようです。
武骨なバンドサウンドに、ゴスペルをルーツに持つワイルドな歌が特徴で、このジャンルを代表する歌手、オーティス・レディングを始めとして、いかにも「チンコがでかそうな黒人」といった風情で迫ってきます(アレサ・フランクリン他女性歌手もいますが、おそらく彼女らにもでかいチンコがついていると思われます)。
このアルバムはとにかくアッパーでグルーヴィーな曲が満載で、ソウルというよりも、リトル・リチャード辺りのロックンロールに近い感触があります。
聴いてると自分のチンコもでかくなったような錯覚を覚えるほどです。
・・・今回はダジャレといい、下ネタといい、品がありませんな。
とにかく。
サザン・ソウルといえば、オーティス・レディングがつとに有名ですが、ことアッパーものに関してはウィルソン・ピケットが上を行くのではないでしょうか。
オーティスがバラードは勿論、アッパーものにもなにかしら切実さが滲み出るのに対し、ピケットのこの傍若無人なこと!
「後のことはオレは知らん!」
そんな日本の政治家のようなやりっぱなし感が、爽快ですらあります。
なにしろこのジャケット。
・・・人がごった返す週末の渋谷・ハチ公前。
待ち合わせに少し遅れて到着したボクに
「オウイ!ココ!ココ!」
野太いシャウトに、真っ赤なスーツを着たピケットが手を上げて飛び跳ねている。
ボクは踵を返して、駅に戻るに違いない。
「ナンダヨー!ドコイクンダヨー!」
そう言いながらも、ピケットは豪快に笑ってそうだ。
ボクは小声でつぶやくより他ない。
「・・・シット!」