今まで本当によくいただく質問の中で、
「パラフィンは体に悪いのですか?」と言う質問をいただきます。
今日はこの視点でワックスのことを少し書いてみたいと思います。
============そもそもワックスって???===============
根本的なことですが、ワックス=蝋です。
ではワックスとは一体何なのか?
大きくは原油系と天然系の2種類に分かれると考えています。
日本ではパラフィンが輸入されるまで、中国から入ってきた和蝋燭が独自の文化として根付きました。
和蝋燭は、ハゼなどを使っているため天然系に属します。
現在、一番流通していて一般的によく使われているのが原油系のパラフィン135°Fです。
(きっとそうだと思います。違ったらごめんなさい。)
歴史も比較的浅く、日本だと大正時代に岩崎弥太郎(三菱の創設者ですね)が輸入したのが始まりです。
その後、内藤慎三がパラフィンキャンドルの製造を行って普及しました。
パラフィンが日本に根付いた大きな理由は、
①日本にずっとあった和蝋燭に比べて安価で大量生産できたこと
②組成が単純で化学的にも安定していて、精製を充分にすれば人間に対しても無害である
パラフィンワックスは、原油の減圧蒸留留出油部分から、結晶性の良い炭化水素を分離抽出したもので、直鎖状炭化水素(ノルマルパラフィン)が主成分だそうです。
ちなみに、ほかにキャンドル作りでよく使うマイクロクリスタリンワックスは主に、原油の減圧蒸留残渣油部分から取り出されるワックスで、構成している炭化水素は分岐炭化水素(イソパラフィン)や飽和環状炭化水素(シクロパラフィン)が多くなります。
このためパラフィンワックスと比べると結晶が小さくなり、分子量も大きく、その為融点も60℃~90℃程度と高くなり、溶融粘度も高くなるそうです。
単純に灯すと言う意味で言うとマイクロワックスには向いてなのでブレンドして使われています。
=======人体への影響とは=============
現在はいろんなキャンドル資材のショップがたくさんあります。
その中で、僕が個人的に実験して感じたことをお話をしたいと思います。
現在、日本で精製されたパラフィンがよく使われています。
僕が実験して感じたことは、日本製のパラフィンについてはとても綺麗に灯りますし、ススも出ますがあまり気にならない気がします。
原産国は若干違いがあるようの感じます。
たまたまかもしれませんが、中国製は時々細かなゴミが混じっていたり、日本製よりススは多く出る気がします。
アメリカ製と書かれた物を一度使ったことがありますが、日本製とそれほど変わりはないように見えました。
ここで私的見解としてパラフィン自体は若干の違いはありますが、びっくりするほどの違いはないように感じます。
またこれまでに数本、海外で研究された論文を呼んだ私的解釈はこんな感じです。
①パラフィンに関して人体の影響は見られなかった。
②問題は芯であること
③細かく言うと微量の有害物質は確認できたが、人体への影響は限定的。
では、何に注意をしてキャンドル作りをすればいいのかと考えると、僕の考えは「芯です。」と言いたいです。
やっぱりキャンドルは吸い上げをしながら連続燃焼(毛細管現象)をします。
芯が太ければそれだけ吸い上げが強くなります。その分ススも出やすくなります。(目で見えるくらいのススも出ます。)
このときに注意すべきは、パラフィンはススが出ないわけではないと言うところは押さえておきたいです。
いろんなワックスを使いながら、どんなワックスでどんなキャンドルができるか、どんな灯り方をするかを考えることはとっても大事だし、それが楽しみの一つです。
だからこそワックスの性質やそのワックスのことを知ることも大切です。
これからも色々実験研究をしていきたいと思います。
それではまた!
大西博之
(参考資料 全日本ロウソク工業会HP~ロウソクのあれこれ~)