★高齢猫さん★在宅での皮下点滴トラブルシューティング(その2) | 高齢猫とのんびりと・・・ ~ZEROどうぶつクリニック サブブログ~

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ソルラクトにラインをつなげてみよう

輸液セット(ライン)の構造

袋から取り出します。
輸液セットによっては、針が1本入っている場合があります。
 
エアー針という針で、点滴液の袋に空気を通す針です。
フィルターがついていて、注射する針ではありません。
ソルラクトのようなソフトバックの場合にはこの針は使いません。
 

各部の名称

びん針
プラスチック製の針で、ソルラクトのゴムへ刺します。
 
点滴筒
点滴ラインの途中で、空気を入れる小部屋です。
 
クレンメ
点滴の流れるスピードを調節する部品です。
 
車輪のような部分を下に移動させると、
点滴ラインを挟み込む構造になっています。
流れを止めるダムの役割をしています。
 
静脈点滴の場合は、点滴のスピードを細かく調節するため、
クレンメを微妙に動かしますが、
皮下点滴の場合は、
「全部開ける」か「全部止める」かのON/OFFだけで使います。
 
 
猫さん側の先は・・・
ゴム管と、
タコの頭の形をしたタコ管があります。
緑色の蓋を取って針をつなげます。
 

ソルラクトの出口側

500mlの点滴袋は紫色のキャップ。
250mlの点滴袋は水色のキャップです。
 
500mlのキャップには、「IN」「OUT」とあり、
輸液セットのびん針は「OUT」の部分に刺します。
 
排出口(キャップ)にシールがある場合は、
ソルラクトの中に混和物は入っていません。
 
お渡しする際に、既に抗生剤や吐き気止め、抗炎症剤、ビタミン剤など、
混和した状態でお渡しする場合もあります。
その場合は、シールが外れています。
 

では、ソルラクトと輸液セット(ライン)をつなげます。

ゴム部分は触らないようにシールをはがします
 
【ココ重要!!】
ソルラクトにつなぐ前に輸液セットのクレンメの位置を移動させます。
2
 
(1) 2人で処置をする場合は、
ソルラクトを持つ人がクレンメの操作をする方がスムーズですので、
クレンメを点滴筒の近くにします。
(開封時、点滴筒の近くにあるので移動させる必要はないです)
 
(2) 1人で皮下点滴をする場合は、
点滴を止めるクレンメが手元にある方が良いので、
点滴ラインをつなぐ前にクレンメを、
あらかじめゴム管近くまで移動させておきます。
 
※液体を通す前に、この作業をしておいた方が良いです
 
では、ラインにつなげます。
びん針のフタを外しましょう。
針の先は触らないように根元の部分を持ちましょう。
 
まっすぐ垂直に奥まで差し込みます。
ちょっと力が必要です。
 
2
※ここから液剤が分かりやすいように、黄色い薬が入っています。
 
(1)ソルラクトを目線の位置、高い場所に吊るします。
(もしくは、もう一人の人に持ってもらいます)
 
(2)点滴筒をゆっくり軽く指で押して離すと、点滴筒にソルラクトが入ります。
点滴筒が泡立たないように、ゆっくり行いましょう。
何度かこの操作を繰り返して、点滴筒の半分くらいまで溜めます。
 
3
 
(1)ソルラクトの高さよりも高い位置にゴム管を持ってきて、
クレンメを開きます。
※ソルラクトは重力で落ちますので、先端部分をゆっくり下へ下げていくと、
少しずつ出口へ向かってソルラクトが流れていきます。
 
(2,3)ソルラクトが先端の位置に近づいて来たら、ゴム管の位置を
点滴バックと同じ高さに持ってくると、
クレンメが開いていても流れは止まります。
 
 
先端のフタを外し、注射針または翼状針をつなぎます。
 
次回(その3)では、よくあるトラブル・・・
「点滴筒が満タンに!どうしたらいいの?」などの記事に続きます。
 
 
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ヒマワリヒマワリ日獣大(日本獣医生命科学大学)の宮川先生が飼い主さん向けに本を出版されました。

日獣大は犬の心臓病、猫の腎臓病のケアに力を入れている大学です~病院

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