こんにちは。加藤隆佑です。週末は東京に出張していました。とても暑いですね。
札幌に帰ってくると、涼しくて、ほっとしました。夏の札幌はいいですね。しかし、冬はつらいです。
ところで、米国の臨床腫瘍学会の発表された内容の復習していると、エルプラットに関する重大な発表がありました。
この発表を契機に、エルプラットを用いた治療の仕方が大きく変わると予想されます。
もう少し具体的にお話しますね。これまで、エルプラットを投与する際には、
XELOX(ゼローダ+エルプラット)+アバスチン
FOLFOX(5FU/LV+エルプラット)+アバスチン
のどちらかの方法で、やっていました。どちらも効果は同じなのですが、患者さんと相談して、どちらかを選択していました。どちらも、一長一短で、
前者に関しては、48時間にわたり小型の点滴がつながります。
後者に関しては、手足の皮膚が高い頻度で荒れます(手足症候群)。そこに、エルプラットのしびれが重なると、つらい症状になることもあります。
さて、今回の発表されたエルプラットの方法では、初日にエルプラットとアバスチンを投与して、さらにTS-1という抗がん剤を2週間内服します。
すなわち、XELOX(ゼローダ+エルプラット)+アバスチンのゼローダをTS-1に変更したお薬の投与の方法です。
この方法は以前からあったのですが、どの程度の効果があるかが、はっきりしなかったのです。
今回の発表では、これまで主流だった投与方法と比べて、劣らない効果が期待できることが分かりました。
今後は、今回発表された方法が主流になると思います。
48時間点滴する必要もないし、手足症候群に悩まされることもないからです。
ただし、エルプラットを使うことには変わりないので、手足のしびれには注意しないといけません。
引き続き、メールマガジンでも、最新の抗がん剤治療の情報もお話していきますね。