書かないといってましたが、忘れないうちに書きます。


書かない詐欺ですな。


転移の塞栓には、動注が必須だと思っている。
塞栓する前の動注。
これがなければ、壊死しても早期に、あっという間に再発するし、(あくまで感覚的ではあるが)塞栓によって腫瘍が血管新生因子など増殖しようとする反応をするのか、壊死周囲にかなりひどい広域な再発をすることもある。

だから、ただ塞栓して、一瞬がんがCTで黒くなった、は患者さんにとって全く意味がない。術者のマスターベーションに他ならないとまで思う。

いつも書く、整えるという感覚。


患者さんの希望は、一瞬の満足とその後の早期再発で余命が短くなることではない。

基本的に患者さんが希望することは、

生存の延長

そして

元気になること



昨日も肝転移の塞栓を実施しているが

命を長くする、これはがんを制御し再発を抑制することを目指す。そのためには、有効な動注の部分が必須なんだよな。

むしろ、動注だけでも制御できている人も多い
むしろ、塞栓だけでは、長期制御は不可能だと思っている
(一部の希少癌は除く)


あと、肝転移に関してですが

肝転移の癌性症状は

倦怠感、食思不振、肝被膜伸展痛(胃が痛いと表現する方が多い)、右肩痛、腫瘍熱、しいては抑うつ


これら症状が、がんの進行によって
慢性的にゆっくりと進行する

急激に生じる症状ではないので、患者さんは、最近なんか調子が悪い、と思うものの、それががんの症状とは気づかないことが多い

ゆっくりと、簡単に言えば、体調が悪くなる

逆に、カテで肝転移が制御される場合は、即効性があるので、カテ直後に体調の改善を実感することが多い
(全例ではないので、症状が改善しなくても焦らないように。
 個人差はあります。ゆっくりと改善することも)

昨日の方も、痛み、倦怠感が、夕方には軽減されており
主治医としては、よしよし、と頷きました。
初期の反応が良い方は、その後の経過もいいです。



他の患者さんに、白血球や血小板が塞栓(TACE)後に上昇してますね、と言われましたが
動注でそれなりに抗がん剤は使用しています
しかし、塞栓にともなう局所の炎症(?)性変化や、そもそも弱った骨髄をそれ以上痛めるほどに抗がん剤の量を使っていないことから、術後に白血球が下がることは極めて少ないです。ああ、これも例外があります。骨髄は個人差や過去の治療歴の影響がありますので。

まあ、カテをしたから命にかかあることが生じてしまった、ということは極めて少ないでしょう。もちろん、術前に予想できるあらゆる事態を説明し、それには死に関連するようなイベントも含まれますが、そもそもハイリスクの場合は極力リスクを回避することを追求してますし、うちの患者さんは、術後はまあ、のんびりと病棟で過ごされてますね。
いや、お忙しく病棟でお仕事されてる方もいます。
ほんと、働き盛りの男性は大変ですよね。


さて、そんな感じで今週もおつかれさまでした。


自分が適応かな?と思ったら、受診してください。

自分の治療で救える患者さんをみすみす逃したくないです。









「吹田徳洲会病院 がんカテーテル治療センター」



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