塞栓は魅力だ

だが、結論として

がんカテで重要なのは、薬剤の動注の部分だ


塞栓がうまくいくと、術後数日の造影CTで
肝転移は黒くなる
腫瘍の壊死(傾向)が示唆される

これを見ると、塞栓をした術者と患者は
喜ぶ

ただ、多くはぬか喜びになる


塞栓→血管新生→再増大、それも急速に

これ、経験すると、心が折れる


動注は、塞栓ほど、画像的な瞬発力はない

ただ、症状の改善は、即効性がある
データの改善もはやい
だから、動注して、翌日、数日の間には
まず一発、効いたかどうか判断できる

ただ、どんな抗がん剤治療も
繰り返す必要がある
動注もしかり

うちは、3週間隔が原則
かなり切迫した症例は2週間隔

繰り返すことで、制御する


がん治療は、瞬間の瞬発力よりも
トータルで整える力が大切である


原発性肝がんは例外だが
一般的な転移性病変は
塞栓だけでは制御できない
だから必ず、抗がん剤を併用する
むしろ動注が主だと思っている

じゃあ、塞栓はやらないか?
一番最初の治療は、一番重要だ

当科でがんカテする場合、可能なら1コース目は塞栓も前向きに検討する。

そして、その後。

塞栓を繰り返すべきか?

そこで問題となるのが
栄養血管のダメージ

腫瘍のダメージだけでなく、微小なレベルでの栄養血管の狭窄閉塞は、ままある

当科の治療は、繰り返す治療

塞栓をやりすぎれば、血管を潰す
繰り返せない



この匙加減は、どれだけ患者を、血管を、見てきたかの経験値が重要となる



うちのセンターでは
こういう話を患者さんと結構、してる


動注だけでいくか
塞栓もするか

非常に重要


大切なのは、長く、治療を継続し
長く、治療効果を維持すること

それが、新しい治療の誕生まで、命を繋ぐことになるから




って、感じの話を、毎日患者さんとしてます。


講演会で、その一部でもみなさんに理解してもらえれば幸いです。









「吹田徳洲会病院 がんカテーテル治療センター」



最後まで読んで頂いてありがとうございました。よろしければ、↓ ポチッとお願いします。



にほんブログ村 病気ブログ がんへ
にほんブログ村


にほんブログ村 病気ブログ 末期がんへ
にほんブログ村


にほんブログ村 病気ブログへ
にほんブログ村