先週木曜から、京都の国際会館で開催された、癌治療学会に参加してきました。
毎年、もう10年くらい、連続して参加していますが、
この学会のいいところは、全ての発表が、内科や外科といった科で区別されることなく、
癌の種類、臓器でセッションが分かれていることです。
通常、学会そのものが、~外科学会、~内科学会、~内視鏡学会というように
学会自体がスペシャリティで分けられています。
こうなると、自分の専門分野のスキルアップにはなりますが、
自分の専門外の発表はほとんどないので、知識の拡大にはつながりません。
癌治療学会に参加される先生は、外科や腫瘍内科、放射線科、薬剤師など多岐に及び
様々ながん治療に関係する職種の先生の、
それも
モチベーション高い系の先生ばかりが集まる学会と言えます (笑)
だから、楽しい。
発表内容も第一線の臨床試験や治験の結果のオンパレードだし
そもそも参加してる先生方の知識、モチベ、さらに礼儀正しさ(笑)も素晴らしいので
Discussionも非常に勉強になります。
残念ながら、20会場くらいで多数の演題が同時並行で動いてますので、
参加出来るテーマはごく限られてしまいますが、
がんカテで症例数の多い、大腸などの消化器癌、婦人科癌、
話題のパネル検査系や最新のリキッドバイオプシー(血液等の少量の液体から遺伝子解析する検査)
勉強しないと全く追いついていけない肺癌や乳癌の薬物療法など
ここらへんを中心に聴講してきました。
自分は、大腸癌肝転移の当院のカテの成績を発表してきました。
今回は、コロナの影響もあり、他の学会同様に、会場とWebでのオンデマンド方式をとっていました。
具体的には、通常の学会同様、シンポジウムも一般口演もあるのですが、
参加可能な先生は、会場で予定時間に通常通り発表、
当日会場に来れない先生は、事前に録画しておいた動画を会場で流す
こんな感じでした。
癌治療学会は例年かなり多くの先生が参加されてます
(いろんな科の先生が参加するため)
ただし今年は驚くほど参加者は少なく、奇妙な感じでした。
会場も基本閑散としていて、三密とは程遠い安全な環境でした。
参加出来ない先生の発表は録画を流すので、普通に進行するのでは?と思ってたのですが
問題は、discussionが出来ないこと。
学会のミソは、発表を聞くことが3割、その後の質疑応答が7割だと思ってます。
その発表を聞いて、うんうんと同意したり、あれ?それ変じゃない?と思ったり
それを議論し、また議論を聞いて自分の知識や意見を確認したりすることがすごく大切だと思ってます。
残念ながら、フロアの先生方の絶対人数が少ないことと、録画の先生方の演題には討論が省かれたことから、盛り上がりはだいぶ欠けました。
そう思うと、身内の学会にはなりますが
今年のIVR学会は
zoom使って、見事にすべての発表でdiscussionが出来ていたわけで、
もちろん癌治療学会とは規模が違いすぎますが
IVR学会、優秀!
って思いましたね。 楽しかったし。
さて、今年の癌治療の推移ですが、
もちろん、癌治療に関する知識は先生方で様々で、講演内容から受ける印象も違うと思いますが
基本は
「今ある武器、最近使われ始めた武器の、再確認と新規組み合わせ」
が主だったように感じました。 (癌腫に応じて温度差があることはご了承ください)
この数年で一気にブレイクした、免疫治療(怪しげでないやつ)、免疫治療と化学療法の併用、遺伝子パネル検査、リキッドバイオプシー
これらに関連する各論の研究発表が多かった感じがします。
それぞれ、少しずつ既存の治療や検査より成績は良くなってる印象です。
一方、免疫治療、きた~!
って感じの、癌治療の様相が一変するようなものは少なかった気がします。
だから、今がん治療を頑張っておられる患者さんたちは、最新治療の開発に期待するのではなく、やはり確実に既存の武器をしっかりと使っていくのが、直近の在り方だと感じました。
何度も書きますが、全ての癌腫の学会なので
自分が見分できない領域が多いこと、限られた領域の発言であること、お許しください。
自分にとってのブレークスルーは、今回これかなあ。
HER2陽性進行乳癌に対する、新規抗がん剤である
T-Dxd
非常に魅力的で期待できる抗がん剤ですね。HER2陽性乳癌患者さんの予後がかなり延びると思います。
これは理論的にも、臨床試験の結果的にも、間違いないと感じました。
あと、肝転移に対するがんカテの成績は、癌腫による成績の差や、カテに向いている患者さんが導入時からセレクションされているという背景もありますが、やはりうちの成績はいいんだなと思いました。
ちなみに京都市内は、数か月前がウソみたいに、観光客でごった返してました。
特にこれに関する感想はないです。
「吹田徳洲会病院 がんカテーテル治療センター」
最後まで読んで頂いてありがとうございました。よろしければ、↓ ポチッとお願いします。
にほんブログ村
にほんブログ村
にほんブログ村