ぴよこのいのち | 否定しない子育て。森と自然と親子の暮らし。

否定しない子育て。森と自然と親子の暮らし。

ずっと強い自己否定をして生きてきた私。母親になって子供たちの生きる姿に自分の生き方を見直し「否定しない」ことが幸せへの道だと知った。保育士となった私が大好きな自然の中での暮らしとともに綴るママと子どもたちへのメッセージ。

お友達のおうちがヒヨコを買うから一緒にどう?と誘ってくれて

じゃぁ2羽だけ、とおうちにヒヨコ2羽をお迎えしました。

火曜日の夕方に来てくれたモミジ二羽。

 

 

すっごく軽くてふわふわして頼りない。

ちいさいちいさい家族が出来てお名前もつけた。

一羽は「ぴよ」で一羽は「しましま」

 

 

段ボールのおうちを用意して、エサと水とヒーター置いて。

ストーブの柵に100円ショップで買った網を乗せて

さぁこれからよろしくねというとき

娘と部屋を離れてお風呂に入っていたら

ピヨピヨという断末魔の叫びが!

我が家の猫が柵の中に入り込み

ヒヨコさんがやられてしまいました・・・

 

ヒヨコちゃんは弱くてかよわくて

猫にとっては遊びの一撃が致命傷で

娘が気づいてかけつけたけど、

一羽は虫の息ですぐに死んでしまい

もう一羽は生きていたけど羽にケガをして。

猫を外に出しておけばよかったと

大後悔・・・

猫の力加減を甘く見ていた。

我が家の猫はまだ子猫ちゃんで元気と好奇心と攻撃力がいっぱいだった。

いつも可愛く甘えてくる子だけど

モグラなんかを毎日仕留めてくるもんね。

ひよこなんて恰好の獲物・・・

 

娘はわんわん泣いて泣いて・・・

お友達が一羽おまけでもらったからと

もう一羽分けてくれた

 

違う品種の子。

名前は「ハク」と名付けた。

 

死んでしまった「ぴよ」を埋めて

この子たちは絶対守ってやるぞと

その日から猫は完全隔離。

猫はふすまを開けるようになってしまってるので

隣室はNGで一個部屋を挟んで隔離して

日中、人が留守にするときは猫は外に出して。

最初からこうすればよかった・・・

命の代償は大きい。

 

夜を過ごせるかな。

毎晩、生きているかどうか、心配になる。

6月とはいっても冷え込むときは10℃くらいまで下がる。

梅雨時で雨が降った。

冷たい夜が訪れた。

 

ケガをした「しましま」かろうじて生きていたけど、あんまる動かずエサも食べられていなかった。

ケガが回復すれば元気になるはずと見守っていたけど

冷え込んだ朝に瀕死の状態で発見された。

また娘は泣きじゃくって大パニック。

かろうじて生きていたから

灯油ストーブをつけて部屋をあたためて

掌で包んで懸命に温めた。

 

娘は後ろ髪ひかれる思いで学校へ行き

残った私は家事もたくさん残っていたけど

なんとかこの子を助けたくて

両手で包んで温めた。

いっとき、ちょっと元気になって

鳴いたり、水を飲んだり、立ち上がろうとしたけど

立ち上がる元気はなく、すぐにくたっとなってしまう。

 

もう一羽のハクといっしょに抱いて

がんばれがんばれと祈ったけど

急にふっと眠るように静かになって

一緒にあたためていたハクも眠ってしまって

しばしまどろみの時間を経てから

もう「しましま」は動かなくなってしまった。

 

もっと早く発見していれば。

柵の周りにも毛布なんかでくるんでいれば。

そもそも猫に襲われなければ。

ヒヨコもっとたくさん買えばよかった。二羽じゃ温まりにくかったかも。

 

いろいろ頭の中をぐるぐるして

小さな死と向き合った。

 

「しましま」が死んでしまうと、今度は「ハク」の後追いが始まった。

私が部屋からいなくなると、ピヨピヨ大声で鳴いて探す。

結局そうじも洗濯もできなくて

ふとんはひきっぱなし、洗い物もそのまま。私はパジャマのままで

一日を過ごした。

小さな命にかかりっきりになってしまった。

 

一瞬、もう無理かな。

一羽だけ残してもかわいそうかな。

お友達の群れの中に返そうかな。

 

そんな想いがよぎった。

 

 

娘が帰ってきて「しましま」を埋葬して

「ハク」のことをどうするか話し合った。

 

一羽じゃ寒いし寂しいから返そうか。

 

そういったら、娘が号泣して、いやだ~と泣いた。

そうだね、ハクは家族になったものね。

一羽でも頑張って育ててみるか。

娘とそう決めた。

 

でもその日の夜は外出の予定があって

ひよこを一人でお留守番させなきゃならない。

人が部屋から出ていくだけであんなに寂しがって大騒ぎするのに出かけられるかな。

そうだ!うちのめんどりにベビーシッターしてもらおう!

と、2羽いるめんどりのうち、おとなしいほうを連れてきて

一緒に柵の中に入れてみた。

 

同じにわとり。

メスだから、あわよくばヒヨコを可愛がってくれるかもしれない。

そんな期待はすぐに打ち砕かれた。

めんどりのほうがヒヨコにびっくりして逃げ回り

ヒヨコもパニックになってなんとか柵の外に逃げようとする。

ベビーシッターどころではない。

しかも、そのうちめんどりがひよこをつつき始めたので

一緒の柵に入れることは諦めて

隣に柵をならべて、まずは存在に慣れてもらおうと

隔離してひと晩を過ごさせた。

ひよこも誰もいない部屋で一羽より

同じ空間にめんどりさんがいてくれたほうが安心かなという

何の根拠もない気持ちでその晩は過ぎた。

 

朝、ひよこが生きてるか心配で5時に目が覚めてしまった。

ひよこの部屋はひっそりとしていて

めんどりも落ち着いていたし、ひよこもヒーターの下で元気でいた。

ひとまず安心。

めんどりにご苦労様と言って、いつもの外の庭に放してやった。

日中、人がいるときは、めんどりさんのストレスにならないようにと。

今夜もベビーシッターに入ってもらおう。

そのうち慣れて可愛がってくれるといいんだけど・・・

 

 

一羽になったハクは人の後をついて回り、膝に乗ってくる。

娘は朝ごはんをヒヨコを膝にのせて食べ

娘が遊びに行ってからは、ヒヨコを膝にのせて私はパソコンを打っている。

しばらくこの子が大きく強くなるまでは

こんな生活してみよう。

 

ちいさなちいさないのち。

簡単に消えてしまう灯。

とてもあったかくて

小さいのにものすごい大きな存在感。

 

いてあげられる時は一緒にいてあげよう。

来週、お留守にする時間が長くなるけど

そのときまでにめんどりベビーシッターが上手くいけばよいのにな~

一日、一日の成長が奇跡。

そんなことを感じさせてくれたひよこたち

ありがとう。

 

「死なせちゃってごめんね」

 

ってヒヨコのお墓の前で言ったら

娘が

「謝らなくていいんだよ。

ヒヨコたちは謝ってほしくないんだよ。

ヒヨコたちは幸せだったよ。

さいごまでママの掌であっためてもらって

ほんとうのママのこと思い出していたかもしれないよ。

さいごまで幸せだったよ。

だから謝らなくていいんだよ。」

って言った。

 

ヒヨコを死なせた猫のことも責めることしない。

やったときは「バカー。だいきらいー」って泣きじゃくってたけど

ちゃんと許しておうちに入れてあげていた。

 

小さないのちは、たくさんのことを残してくれたね。

9歳の娘は人生何回目なんだろうってくらい達観している。

小さないのちは温かくて愛おしくて

かけがいのない時間をくれた。

 

ごめんねの気持ちは消えないけれど

たくさんのありがとうを贈りたい。

 

我が家は猫3匹、めんどり2羽、そしてヒヨコ1羽、人間二人。

最初は親子2人だけだったけど、いつの間にか大家族。

猫のいのちも、もうこれまでに3匹見送った。

動物と一緒に暮らすということは、生と死がぐっと近くなるということ。

ほんとうの学びの日々を過ごさせてもらっています。

かけがえのない、いのちとの暮らし。

嬉しいことも多いけど、悲しみも大きい。

でもどちらも大事な経験。

大きなギフトを小さないのちからもらってる。