当時の脳腫瘍治療の第一選択は手術でした。病巣の範囲を求めたり栄養血管の状況を確認するために種々の検査をすることになり、一週間ほど検査入院することになりました。外来でも検査は可能ということでしたが、MRIの優先度が入院優先なので入院することになりました。検査機械の空き待ちで出勤が可能な日には、入院中の患者の管理は病院の責任ということで、院長の外出許可をもらって病院から通勤しました。
受けた検査は、PET-MRIを2種類(FDGとメチオニン)と脳血管造影、輸血が必要になった時のため自己血の採血等でした。脳血管造影の時は鼠径部動脈からカテーテルを入れますので、その辺りの毛剃りが必要になります。トイレに籠ること30分程バリカンと格闘して看護師の確認を受けて終了になりますが、老人になってもあそこを見られるのはそれなりに恥ずかしい・・・。検査終了後も3時間ほど鼠径部を圧迫する必要がありトイレには行けません。あそこにチューブを被せて導尿するようにはなっていましたが、緊張していて慣れないせいか出せません。圧迫が解けるまでが膀胱が破裂するのではないかと地獄の苦しみでした。次からは尿カテをお願いしようと心に決めました。検査中に造影剤が注入されると局所的にかなりの発熱が感じられ、カテーテルの先が体のどのあたりにあるかがよく解りました。そして尿以外のトラブルはなく無事終了。
PETの検査は通常のMRI検査と同様ですが、試薬調整の関係か部屋がかなり低温で寒かったです。グルコース(FDG)の方はもともと脳の栄養がグルコースであるためバックグランドノイズが高く、あまり意味のあるデータは取れないようなのでメチオニンの検査も追加されました。検査結果はどちらも腫瘍部に高集積が見られて、それなりに癌であることを納得させられるものでした。
会社に戻ってからはPCでPubMedを検索しまくって関連情報を集めましたが、気分が暗くなるような内容ばかりでした。また、検査最終日は会社のアニュアルミーティングの日で、午後の部に病院から出席して業務状況の報告をしてからパーティーに参加しましたが、とても楽しむ気にはなれませんでした。同僚には告知されていないので、私が沈んでいるのをみて不審に思った者も居たようです。