「実生活を楽しむ」ことが、最強のネーミング・商材を生む最大のヒント?
皆さんののなかでも大ヒットした商品を見て、「いつか自分も、1発当ててみたいなぁ!」って思っている人もいるのではないでしょうか?
実際に成功した商品を観察すると商品力はもちろん、名前(商品名)も思わずなるほどと頷かされますが、その陰で商品自体は良くても名前にインパクトが無く消え去るモノも多いですよね。
そんな訳で、今回も居住地近くの公共図書館で見つけた1冊から、ネーミングの第一人者として知られる岩永嘉弘氏の著書をご紹介いたします。
(p.50)
ネーミングも「適材適所」の考え方が必要
・どんなに凝っていても、そこはストンと読む側の腑に落ちなければマズい
・先ず「自分が何をやりたいのか、それを誰に伝えたいか」を確認
(p.85)
広告の基本原則
・テーマや標語を絞る(伝える内容は、決して変更してはならない)
・あまり知性を要求しない
・大衆の情緒的感受性を狙う
・細部に立ち入らない(小さく限定する)
・信条に応じ、何千回と繰り返す
(p.109)
ブランドの語源は「焼印」
・かつて放牧されていた牛には、牧場主が自分の所有物である証として焼印「burned」を押していたことが「brand(ブランド)」の始まり
・時代が下りて「銘柄・商標」の意味を持つようになった
(p.157)
ネーミングにとって大事な3つのプロセス
1.商品に特性を盛り込む
2.市場を把握する
3.ターゲットの絞り込み
(p.176)
「素ネーミング法」の事例
・サントリーの高級ウィスキー(山崎、白州、響)
・ニッカ(余市、宮城峡)
・明星食品(チャルメラ)
・森永の12個入りチョコレート(DARS)
・アメリカの本社所在地に因んだコカ・コーラのコーヒー(ジョージア)
・キリンやサントリーの缶コーヒー(FIRE、BOSS)
↓
応用例
・「八木」を「はちぼく」と読ませる等
・日本酒に能書で「きゅっ」「ほろり」「ぐびり」「へぺれけ」という名をラベルを貼る
※(本ブログ管理者注…マルちゃん「QTTA(クッタ=食った!)」なんていうのも応用事例なのかもしれません。。。
(p.179)
「足し算ネーミング法」の事例
・ママ+レモン=「ママレモン」
・カップ+ヌードル=「カップヌードル」
・カロリー+メイト=「カロリーメイト」
・ハッピー+ターン=「ハッピーターン(幸福が戻るという意味)」
・ボン+カレー=「ボンカレー(独身者でも温めるだけ「これでOK!」のカレーという意味)」
・シー+チキン=「シーチキン」
・プリント+ごっこ=「プリントゴッコ」
・カントリー+マアム=「カントリーマアム(牧場の奥さんという意味)」
(p.182)
「引き算ネーミング法」の事例
・クックレス(調理不要)のカレー→「ククレカレー」
・安心ですメロン→「アンデスメロン(芯を抜く)」
・見る+着る+遊ぶ→「るるぶ」
・トール+のっぽ→「トッポ」
(p.186)
「かけ算ネーミング法」の事例
・(うどん+丼)×兵衛=「どん兵衛」
・おとと(魚の幼児語)×おっと(驚き)=「おっとっと」
・うまか(旨いの九州弁)×ちゃん(愛称)=「うまかっちゃん」
・辛い×ムーチョ=「カラムーチョ」
・梅×スカッシュ=「ウメッシュ」
・バッファ(緩和)×アスピリン=「バッファリン」
・(新+真+神)×ゴジラ=「シンゴジラ」
※アンパンのネーミング事例(p.225より引用)
(p.224)
すべての商材のヒントは実生活にある
・俳句でいうところの写生
・生活を観察力を持ちつつ、まさに楽しむ
↓
そのことからしか、本当に届くネーミングは生まれない
(p.226)
最近のトレンドは、地方の方言を使ったネーミング
(例)新潟県長岡市
・「やまこし復興交流館おらたる」→俺たちの集まる場所という意味
・「アオーレ長岡」→長岡弁で「会いましょう」
↓
他県から応募する公募愛好者も、地元の方言をよく心得ておかなければ、入選も難しい状況
但し、
ただ方言を使えばよいという単純なものではない。
・そのままでは野暮ったい印象を与える
・言葉の表現を変えたり、関連する他の言葉を足してはかけ、引いては割ってと、もっと意味合いを膨らませる工夫が必要
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(※本ブログ管理者注)
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