境内の池に架かる3本の橋は、何を意味するか?・・・亀戸天神を自粛気味に散歩する
世間が本格的な自粛ムードになってから1ヵ月・・・もちろん遠出は控える必要がありますが、健康維持のためには家の中に閉じ篭るだけではなく、適切な運動は欠かせませんね。
そんな訳で、今回「近距離」のお散歩場所に選んだのがここ・・・1662年(寛文2年)、地形を初め社殿・楼門・回廊・心字池・太鼓橋などが太宰天満宮に倣い造営されたとされる「亀戸天神」。
明暦の大火からの復興を目指す江戸幕府は復興開発事業の地として本所の町をさだめ、四代将軍徳川家綱はその鎮守神として祀るよう現在の社地を寄進したことに始まるそうですよ。
今回は、この亀戸天神での境内で、正面の鳥居から入って社殿まで歩いて行くまで(95m)の間にある心字池に架かる3つの橋の意味についてご紹介いたします。
1つ目の橋
男橋
男橋の左右に大燈籠があったのですが、東日本大震災で倒壊し今は土台だけが残ります。
この太鼓橋を写真に撮ろうとする際に気づくのですが、遠くにはスカイツリーが聳えます。
この「男橋」は、今まで生きてきた“過去”を表す橋で、心字池を上から見ると、まさに文字通り「心」の字を模した形になっているのだとか、、、
2つ目の橋
平橋(ひらばし)
ここは、“現在”を表す橋と言われています。
有名な藤の花のピークは過ぎていましたが、それでもこの一画だけは「それなりの雰囲気が味わえる」程度に残っていて、「密」になるほどではないのですが、多くの人が集まっていました。
心字池にはいろんな生物がいます・・・藤棚が存在する神社に共通する事項として、咲く花から蜜を集める大きな黒い虻もブンブン音を立てて飛び交っているので、注意してくださいね。
3つ目の橋
女橋
3つ目は、1つ目よりも小さな「太鼓橋 女橋」で、“未来”を表す橋です・・・この橋を越えると、拝殿が正面に見えてきます。
天神様ということで、最も混むのは受験時期、そして梅や藤の花が満開の時期には沢山の人出があるのですが、この日は藤のピークを既に過ぎていたので、人は少な目でした。
拝殿向かって左側に「幸運を招く鷽」と、菅原道真公が五歳の時の姿を表現した象があります。
御神牛様
そして、天神様には「必須のアイテム(?)」になっている御神牛様・・・道真光の亡骸を引く黒牛が静止した場所を墓所と定めたのが大宰府天満宮の起源になっていることに因むのですね。
また、存命中に京都から大宰府へ下向途中に、白牛によって危機から救われたという故事も残っているので、天神様にはたいてい牛の像が置かれていることが多いようです。
お犬様
亀戸天神には「お犬様」もいらっしゃるようで、こちらは他に類を見ない「塩漬け」状態になっています・・・元々は亀戸天神社内にある摂末社の狛犬だったとの事。
遥か昔、お犬さまにお供えした塩を怪我した箇所へ擦り込むと治ると評判になり、治癒力を求めお犬さま信仰者はこぞって通い詰めるようになったのだとか、、、
その他、商売繁盛のご利益もあるそうです・・・塩は足元に置いてあったので、賽銭入れたら1摘みして塗り重ねるようにしながら手折ってみてはいかがでしょうか?
「お犬様」は、境内社である御嶽神社の裏の方に隠れるように「亀井戸跡」と並んで密かにいらっしゃいますので、ちょっと見付け難いかもしれません。
ちなみに、この「亀井戸跡」は亀戸の地名由来ではありません・・・この亀戸天神社から約400m北東側(浅草通り沿い)に存在した梅屋敷(臥龍梅庭)跡にあった井戸が「亀戸」の由来だとか。
もちろん、現在の興行場所である亀戸梅屋敷とは全くの別物ですし、元々の梅屋敷にあった井戸は400m東側の亀戸香取神社(拝殿向かって右手・明治通り沿い)に再建されています。
いかがでしたか?
今回は、亀戸天神での境内で、正面の鳥居から入って社殿まで歩いて行くまで(95m)の間にある心字池に架かる3つの橋の意味についてご紹介いたしました。
池と3本の橋は、人の一生に見立てられており、神前に向かって、過去・現在・未来…と、それぞれの橋を渡るごとに、心が清められる境内の配置構造になっていることが、よくわかりましたね。
アフターコロナの未来は、どんな結末が待っているのか・・・ある程度予測は出ているけど、やはり不安を感じる人は、是非とも一度こちらを訪れて心をリセットしてみてはいかがでしょうか?
コロナ対応で書置きのみ頂ける御朱印(初穂料300円)・・・セットで拝受した袋の中に入っていたのは干支が描かれたチョコレートでした。
但し、「特注」なのはパッケージのみで、中身は普通のチョコレートでしたが(笑)・・・こういったところからヒントを得て、改めて再出発を誓うのも良いかもしれませんね。
とにかく「今あるもの」で、何か付加価値をつけて売るという最初の1歩に戻る・・・この危機を乗り越える術は他に無いみたいです。
でも、どうせなら「自分のやりたい事」を再度見つめ直したいので、今回のコロナ騒動が、自分を良い方向に変える良い契機なればと願いつつ、今回の記事を締めたいと思います。
ご愛読に感謝申し上げます。