このブログでは何度か書いていますが、僕は後期試験で高知医科大学(現・高知大学医学部医学科)に合格しました。

 

当時の後期試験は、1日目が筆記試験、2日目が面接試験という日程でした。

 

筆記は数学・英語・理科2科目。正確な配点はもう覚えていませんが、面接の比重はそれほど高くなく、実質的には筆記試験で勝負が決まるような印象でした。

 

1日目の筆記試験には、そこそこの手応えがありました。

 

すると今度は、2日目の面接が怖くて仕方ありません。

 

試験というものは、できそうだと思った瞬間から、失敗する場面ばかり想像してしまうものです(笑)。

 

## 面接の情報が、ほとんどない

 

ところが、面接について調べようにも、情報がほとんどありませんでした。

 

時間は何分なのか。

 

個人面接なのか、集団面接なのか。

 

どんなことを聞かれるのか。

 

何もわかりません。

 

そこで僕は、面接対策本を買い込みました。

 

「入室時のノックは3回」

 

「『座ってください』と言われるまで座らない」

 

「大学の理念を理解しておく」

 

などなど。

 

付け焼き刃ではありましたが、一応それなりに準備しました(^^;)

 

## 僕のノック研究、開始前に終了

 

そして迎えた面接当日。

 

「よし、ノックは3回だぞ。3回。絶対に3回」

 

僕は心の中で何度も唱えながら、順番を待っていました。

 

すると職員の方が現れて、こう言いました。

 

「はい、次の5人の方、お入りください」

 

……え?

 

5人?

 

個人面接じゃないの?

 

集団面接なの???

 

開始早々、強烈なカウンターパンチです(笑)。

 

「集団面接の対策なんてしてないよーーー!」

 

と、内心は大パニック。

 

しかも、面接室のドアは最初から開けっぱなしでした。受験生5人が、そのままぞろぞろと入室します。

 

あれほど意識していた「ノック3回問題」は、見事に出番なし。

 

僕のノック研究は、開始前に終了しました(笑)。

 

## WHOとは何の略でしょう?

 

面接室では、受験生が横一列に座り、その正面に面接官がずらりと並んでいました。

 

そして、最初の質問です。

 

「WHOとは何か知っていますか?」

 

これはわかる!

 

そう思った僕は、元気よく手を挙げて答えました。

 

「世界保健機関のことです!」

 

すると面接官が、続けて尋ねました。

 

「では、WHOは何の略かわかりますか?」

 

きた。

 

これも大丈夫です。

 

「World Health Organizationだと思います」

 

僕は即答しました。

 

ところが、面接官は特に反応しません。

 

面接官が無表情だと、人は急に自分を信じられなくなるものです。

 

不安になった僕は、なぜかこう付け加えてしまいました。

 

「もしかすると、HはHospitalかもしれません……」

 

余計なことを言いました(^^;)

 

最初の回答で合っていたのに、なぜ自分から傷口を広げにいったのか。今でもよくわかりません(笑)。

 

「ああ、言い直したのは印象が悪かったかな……」

 

と少し落ち込んでいると、面接官が他の受験生に向かって言いました。

 

「ほかにわかる方はいますか?」

 

すると、ある受験生が自信ありげに答えました。

 

「Oは、試験に合格の丸だと思います」

 

……。

 

…………。

 

………………。

 

その瞬間、面接室の時間が止まりました。

 

受験生も、

 

「えっ?」

 

という表情。

 

面接官も、

 

「えっ?」

 

という表情。

 

おそらく全員が、同じことを考えていたと思います。

 

**いや、そのOじゃない(笑)。**

 

面接官もさすがに困ったような顔をして、そのまま次の質問へ進みました。

 

## なぜか一人だけ呼び止められる

 

正直なところ、その後の内容はほとんど覚えていません。

 

面接官が質問し、受験生が答える。そんなやり取りが10分ほど続いたと思います。

 

なお、集団面接ではありましたが、集団ディスカッションのようなものはありませんでした。

 

そして、面接終了。

 

これで終わりかと思ったら、なぜか、

 

「しばらく待機してください」

 

と言われました。

 

受験生全員で待っていると、職員の方から呼び出しがありました。

 

「受験番号〇〇〇〇番の方は残ってください。それ以外の方は、お帰りいただいて結構です」

 

もちろん、呼ばれたのは――

 

「Oは、試験に合格の丸だと思います」

 

と答えた受験生でした(^^;)

 

何を確認されたのか、その人が最終的に合格したのかは、もちろんわかりません。

 

ただ、あのときの面接室に漂った何ともいえない空気だけは、今でもよく覚えています(笑)。

 

## 面接は、満点を取るための試験ではない?

 

結局のところ、僕自身には面接の手応えがまったくありませんでした。

 

大学の理念を覚えたことも、ノック3回を練習したことも、ほとんど役に立たず。

 

それでも僕は合格しました。

 

少なくとも当時の高知医大では、面接で細かく点数差をつけるというより、医学生として大きな問題がなさそうかを確認する意味合いが強かったのかもしれません。

 

医学部の面接で、完璧な受け答えをする必要はないのでしょう。

 

緊張して言葉に詰まることもある。僕のように、正解したあとで自分から回答を怪しくしてしまうこともあります(笑)。

 

ただし、満点を取る必要はなくても、

 

**「この人を医学生にして、本当に大丈夫だろうか」と思われないことは大切です。**

 

医学部の面接とは、受験生の華麗な話術を見る場ではなく、最後にそこを確認する場なのだろうな――と、今でも思っています(^^)