ESTRAP ETD-23 |  キャンプ用品・資料倉庫からのつぶやき

 キャンプ用品・資料倉庫からのつぶやき

   旅が好きです。旅の手段、目的、楽しみなどに関わる諸々に興味を持ってきました。
   ここではキャンプ道具という枠で投稿するつもりですが、脱線話もお許しください。(^^)
仕事部屋、兼倉庫からのつぶやきです。

以前、このテントを何かの資料でみかけた記憶があるのですが、探しても出てきません。

この手の記憶はとてもあいまいであまり自信がないのですが、探した年代にはこのテントと同じ形をした別ブランドのテントを複数みかけます。

当ブログでは、製造工場の話をよく持ち出しますが、ブランド間にまたがってテントを供給する製造会社が存在していることがわかる、一つの例だと思います。

 

 

特にこのテントのようにワンポールの非自立型のテントは何かと目立ちます。

一番有名なのはシェラクラブのワンマンテント(ロゴスなどで販売されていた)ではないかと思うのですが、大きさはもっとコンパクトでしたね。大分昔に入手しているはずなのですが、現在行方不明です。

FRPのポールを1本湾曲させて高さを出し、広さはペグダウンすることで確保しポールを立たせます。

90年代後半、モンベルのシェルターに採用された構造でもあります。

 

このESTRAPを設営して驚いたんですが、なんかとても風にあおられそうな形なんです。

もう少しボトムの幅が広ければ安定すると思うのですが、平べったいだけではなく高さもあるのでべグダウンしても不安定です。

フライをかけると少しマシになりますが、フライにきちんとテンションをかけるにはインナーをペグダウンしたペグでは用が足りないので少なくとも新たに2本はペグダウンした方がよさそうでした。

 

さらに・・・・ですが、きちんと張り綱を張れると申し分なし・・・なのですが、残念ながらこのモデルは張り綱を張ることを想定した仕様ではありません。

80年代~90年代前半くらいまで、ドーム構造のテントのメリットとして張り綱を張る必要がないことを強調したモデルがずいぶん見られました。

そのようなモデルでも張り綱の必要性が認識され現在では張り綱なしのモデルはとても少なくなったと思います。

 

このモデルのような1ポールのドーム構造から派生したモデルの一つは現在とても人気がありますね。MSRやNaturehikeのモデルがそうです。ちょっとハブを使って構造が複雑になりますがペグダウンなしで自立できるようになりましたから・・・

私はこの構造にとても魅力を感じるんです。現在主流のワンポールはペグダウンなしでは自立しませんし中央にあるポールが煩わしですから。

確か、中央のポールをスネークラインにすることで天井部の広さを確保するモデルもありました。

MSRのポール構造はESTRAPのようなワンポールとモンベルのようなA型の中間とも言えるのですが、ワンポール構造については現在でももっとブラッシュアップできると私は思います。

80年代の古いテントですが、そんな可能性を感じさせてくれるテントですね。

 

おっと、肝心なことを忘れてました。ESTRAPはクロスター産業のブランドのようです。

ネットで検索するとシュラフも販売していたことがわかります。

しかしクロスター産業は現在テント市場からは撤退し、アウトドア関連ではザック類のみとなってしまったことはすでに記事にしております。

クロスター産業は様々なブランドライセンスを取得してきましたが、そのようなブランドとどのような関係だったのかがイマイチ不明な点も多い会社です。私的には1996年シェラデザインズと結んだライセンス契約でどのような役割をはたしたのか?などを今後調べて行きたいと思っています。