今回のDunlop VL11は、前回のColeman Expornent Trekking Light Dome、前々回のDunlop R-224と同年代のテントです。
VL11というモデルの前に、90年代後半のダンロップテントがどのような方向に向かっていたのか度々ですが説明致します。
1998年、ダンロップ(ダンロップスポーツ)は新たなアルパインテントとしてVL1(1人用)、VL2(2人用)、VL3(3人用)をシリーズ化しました。VLシリーズは軽量化に特化したモデルです。
この頃からアウトドア業界は軽量化という流れに傾いていくのですが、DUNLOPも例外ではありませんでした。
2000年、ダンロップ(ダンロップスポーツ)はファミリー用テントから撤退し山岳用とレジャー用小型テントのみのラインナップとなります。
2000年代中頃、ダンロップスポーツはアウトドア部門の全てから撤退を決めました。
その際、テント部門の関係者でダンロップブランドのテントの継承とアフターサービスの継続の為にHCSが設立されました。
私の手持ち資料では2004年のことになります。
今回のVL11はHCS社のダンロップブランドのテントなのでこの頃のテントです。
(VL11はVL1の後継機種です。)
2005年、HCSはいままでのダンロップブランドの他にPuromonte(プロモンテ)ブランドを立ち上げ現在までダンロップとプロモンテという2つのブランドを展開しています。
何故プロモンテというブランドが新たに必要だったのか、語られている資料はありませんがプロモンテは先に述べている通り、90年代後半から00年代にかけての軽量化のニーズに対応するブランドとして立ち上げられました。
ダンロップテントは創業以来、人命を預かる道具として耐久性を重視するため、安易な軽量化は行わないという伝統がありました。
しかし、素材や技術的な進化で軽量化を望むニーズにもXシリーズやVLシリーズで対応してきました。
そんな中でプロモンテブランドを立ち上げ、ダンロップとプロモンテのカタログを分けて発行するに至りました。
何故でしょうか?
同じHCS発行のカタログでは有りますが、プロモンテのカタログからダンロップという単語が一文字も使われていないのは異常だと感じられます。プロモンテもダンロップテントの中の一つの流れを汲んでいますのでそのような歴史を私は大切にしたいのですが••••
あくまで私の推察ですがダンロップテントの伝統を守る、素材や技術の革新で軽量化というニーズにも応える、という2つを完全に分けたブランド展開にしたのではないでしょうか?
しかし、後にまた一緒のカタログになるのですが••••••••
すみません、長くなってしまいました。
え〜と、結局何を言いたいのかというと、2004年までダンロップブランドだったVLシリーズが2005年からプロモンテブランドになったという事実です。具体的にはVL11の後継機種VL12からプロモンテとなりました。
まあ、どうでもいい話なんですが、こんな経緯は面白いなぁと思って記事にしています。

- 素材:インナーテント=30Dポリエステルリップストップ(通気撥水加工)、グランドシート=40Dポリエステルタフタ(新ポリエステル防水加工)、フライシート=30Dポリエステルリップストップ(新ポリエステル防水加工)、ポール=8.84mmDAC-FL/7001S(アルマイト加工)、張り綱=アラミド系繊維テクノーラ
- サイズ:205X90X100cm(開口X奥行きX高さ)
- 重量:約1.50kg
- 付属品:収納袋、ぺグ、張り綱
- 収納サイズ:本体=30X15cm、ポール=50X4.5cm


ポールの固定はスリーブ式
ダンロップのテントはポールの吊り下げ式に拘ってきましたが、90年代後半の軽量化に際して、そのこだわりを捨て1〜2人用テントについてはスリーブ式を採用するようになりました。




尚、VL11のポールは韓国のDAC社製です。
1998年年度のダンロップ製品カタログによるとダンロップのほとんどのテントポールは日本で作られているとのことでした。例外はVシリーズとVLシリーズとあるのでVLシリーズは当初から韓国のDAC製なのかもしてません。
参考までに2006年度のダンロップカタログと、プロモンテカタログの写真をアップしておきます。

左:プロモンテ2006年度カタログ
右:ダンロップ2006年度カタログ

ダンロップ•プロモンテ2016年度カタログ
今回00年代前半のモデルを調べていて、あまりにも資料が少ないことに気が付きました。
丁度、現在の状況に似ています。
このブログは現物とその資料を頼りに記事にしていますので資料がないと困ってしまいますが、資料が無くても無いなりに記事にしていきたいと思います••••••••