流れ雲のブログ -29ページ目

流れ雲のブログ

季節は巡り、花が咲き花が舞い、花が散り花が逝く、
きっといつか、風が吹いて、夢を運んでくる予感…
繰り返しと、積み重ねの、過ぎ去る日々に、
小さな夢と、少しの刺激で、今を楽しく、これからも楽しく…

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なぜ、美人はいつもつまらない男と 
結婚するんだろう? 
賢い男は美人と結婚しないからさ。・・・




Akairo11111 


エロあり、笑いとペーソス 
メジャーではないけれど、
こんな小説あっても、いいかな。・・・




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「御苦労様です」
歌舞伎町の大通りから路地裏まで、この街でシノギを
削っている汚れ達が、歩道を闊歩する兄弟を見ては
慌てて頭を下げた。

「あのキャバクラは去年できた店だよ。
関西の菱モンジのフロントなんだけどな、ま、
毎月の付き合いはちゃんとしてっから大目に見て
やってんだ」

兄弟がそう指すキャバクラのビルの前を通り
過ぎようとすると、ビルの前にいたボーイが
「お疲れやす」と関西弁混じりに小さく会釈した。

今度はその先のビルを指差しながら
「あそこの地下は大嶋の叔父貴が面倒見てる
ジノカだよ」と言い、そしてまた別のビルを指差しながら
「あの焼肉屋は金貸しの金ちゃんが先月オープン
させたんだ」と、まるで歌舞伎町の裏ガイドのように
あれこれと説明し始めた。

そんな兄弟が俺を連れて来たのが、つい先日
オープンしたばかりのクラブだった。
場所は歌舞伎町でも一等地にあるビルの最上階。
大きな窓から新宿の夜景を見下ろすその店は、
床も壁も真っ白な大理石だった。

「どうだい兄弟。懲役のクリコン壁と比べたら
ここは天国だろ」
まるでローマ宮殿のようなその店内をキョロキョロと
している俺に、兄弟はニヤニヤ笑いながらそう
耳元で囁いた。

そしてそのまま続けて俺の耳元に囁いた。
「びっくりするのはまだ早いぜ・・・ほれ、
おでましだ・・・」

兄弟がそう目で合図する先には、ひとりの女が
立っていた。
一瞬、そこに立ちすくんでいる女が誰なのか
わからなかった。しかしその切れ長な大きな目を
見つめているうちに、急に懐かしい香りが
俺の鼻孔の奥にふっと広がった。

「お帰りなさい・・・・」
女はそう言いながらゆっくりと俺達が座る
ボックスに近付き、潤ませた目でニヤッと
俺に笑いかけると、「少し痩せたね」と静かに
ソファーに腰を降ろした。

翔子・・・その名前を頭の中で呟いた瞬間、
俺の中にあったケジメが激しく揺らいだのだった。

翔子とは、俺がまだ三下小僧の時代からの
付き合いだった。
三下ヤクザと小さなスナックのホステス。
そんな2人は知らず知らずのうちに一緒に暮らし始め、
気がつくと翔子は俺の女になっていた。

若い頃から刑務所を出たり入ったりしていた
俺だったから、翔子も待つ事には馴れていた。
あの頃、怖いものなんか何もなかった。
金も力もない小僧だが、しかしいつかこの街で
のし上がってやるぞというハングリーな若さと、
そしていつも笑顔で待っていてくれる翔子が
そんな俺を支えてくれていた。

が、しかし、今回は違った。
刑務所の中で組の解散を聞かされた俺は
堅気の道を選んだ。
それは、今まで俺が死に物狂いで手に入れて
来たものを全て失うという事でもある。

この世界しか知らずに育って来た俺にとって、
今更のそれはあまりにも無謀過ぎる一大決心
だったが、しかし、何も残ってなくとも俺には
翔子がいる、と、俺は獄中の中でひとつの希望に
縋り付いていた。

そんな決心を俺は面会で翔子に告げた。
翔子は黙っていた。
淋しそうに面会室を仕切るアクリルの小さな穴を
黙って見つめていた。

そしてそれっきり翔子からは手紙もなく、そして
面会も途絶えた。
そんな俺は、薄暗い独居房の隅で少しだけ泣いた。
いや、それは悲しくて泣いたのではなく
怖くて泣いたのだ。

翔子が、あの最後の面会室で言った
「あんた、ヤクザしか知らないのに、これから
どうやって生活して行くつもり」という言葉を
何度も何度も頭の中で繰り返し思い出しながら、
ひとり恐ろしくなって泣いた。

そう、俺からヤクザという肩書きが消えたら
俺はただのドブネズミだ。
身体中どっぷりと泥水に浸かってしまった
ドブネズミが、今更真っ暗なドブの中から這い出して、
どうやってお日様のあたる世界で生きて行けばいいんだ。

怖かった。堅気になるというのがこれほど怖いものとは
思わなかった。
しかし、もうケジメをつけた事だ。今更、
女に見捨てられたからやっぱりヤクザのままでいよう、
なんて思うくらいなら、独居房の隅の便器に
頭を叩き付けて獄中死した方がましだ。

そうやって俺は、翔子と別れてからの残刑2年の
懲役を、恐怖と戦いながら歯を食いしばってひとりで
生き抜いた。

そして今、ヤクザの世界から足を洗った俺は、
再び翔子とこの天国のようなクラブで再会したのだった。

「翔ちゃんさ、この店でママやってんだぜ。
スゲェだろ。ま、スポンサーが何人か付いてっから
実際は雇われママだけどさ、でも、数年もしたら
この店は翔ちゃんのモノだよ。

だってこの店の客はほとんどが翔ちゃん目当ての
ベースケ野郎ばかりだもんな」
兄弟はなぜかやたらと嬉しそうにそう言うと、
ひとりでゲラゲラと笑いながら、場違いな下品な
笑い声を店内に響かせた。

翔子はクスッと笑いながら、俺がいつも好んでいた
クラッシュアイスをグラスの中にジャラジャラっと
入れると、俺が好きだったブランデーを少しだけ
垂らした。

四年経った今でも翔子は俺の好みを覚えていて
くれている。
「ちょっと痩せたみたいだけど、でも全然
変わってないね」
翔子は真っ赤なルージュを照明に輝かせながら
俺の前にグラスをソッと置いた。

「あぁ、兄弟は何にも変わっちゃいねぇよ。
あん時のまんまだよ。な、兄弟」
そう言いながら俺の肩をパンパンと叩く兄弟は、
二本も欠損した指でさっそくグラスを高々と
持ち上げると、「乾杯!」と大声で叫びながら
俺のグラスと翔子のグラスにカチンカチンと
グラスを打つけて来た。

そしてグラスの酒をチュッと一口舐めた兄弟は、
凭れていたソファーからゆっくりと体を起こして
前屈みになると、静かに俺の顔を見上げながら
呟いた。

「兄弟の席は用意してあるから・・・」
兄弟はそう呟くと、ゆっくりと翔子を見た。
翔子は何もかもを知り尽くしたような菩薩のような
表情で俺の目をジッと見つめたまま、
ゆっくりと優しく頷いたのだった。 

・・・つづく




愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る





Suiheisen11211111111 


「ねえねえ、覚えてる?」
近藤響子は、自分よりも20センチ以上も背の高い
夫の智也を 見上げるようにしていった。

「なになに?」
半歩先を歩く智也が振り返って聞き返した。 
町の端を流れる大きな川の堤防。

気分転換に散歩も兼ねて、スーパーへ買い物に
出掛けた帰り道のことだ。 
土手の下の河川敷では、草野球の試合が行われている。

「ピチャー、たるいよ~」 「打てる! 打てる!」
そんな声と重なり、響子の声が聞こえなかったらしい。

「あのね、一緒になった頃さあ、あなたがまだ
仕事に就いてなくて、  どこへも行けなくて・・・」 
「ああ、貧乏だったよな、ごめん」 

「ううん、そうじゃないの。ディズニーランドとか
行けなかったから、お弁当を作って、よく近くの
公園で食べたわよね」

響子と智也は大学の同級生。
二人は卒業と同時に結婚した。 
しかし、智也は悩んだあげくに大学院に進んだ。

研究者として、教授に見込まれたのだ。
本人は研究を続けたいと思っていた。 
そんな気持ちを察して、響子が背中をポンッと押した。

「私が食べさせてあげるわ」
響子は、小さな会計事務所に就職が決まっていた。 
税理士の資格を持っているわけではない。
給料はすこぶる安い。 
でも、「なんとかなるだろう」と思った。

貧しい生活の中でも、工夫をして楽しみを見つけた。 
それが、公園でのお弁当だった。
アパートから歩いて20分から30分で行ける
範囲のあちこちの公園へ 毎週末のように出掛けた。

雨の日には、ショッピングモールのフードコートの席で、 
自前のお弁当を食べたこともある。

響子は暮れから翌年の6月くらいまで、猛烈に忙しい。 
個人の確定申告と会社の決算があるからだ。
資格がないので、ほとんど言われるままに働くしかない。 
残業などという言葉はなかった。
繁忙期は10時、11時まで働くのが当たり前だった。

一方、智也も同じだ。
研究室に1週間くらい泊まり込むこともあった。 
それだけに、二人で公園で食べるお弁当は、
格別の味がした。 幸せを感じるひとときだった。

そんな公園で、お弁当を食べ終わると、響子は
いつも地べたにしゃがみこんだ。 
四葉のクローバーを探すためだ。

「ねえねえ、覚えてる?」 
「なになに?」 
「私さ、四葉のクローバーを探すの名人だったでしょ」
「そうだったなぁ」 
「あなた、いつも悔しがってさ」

不思議だった。
一緒になって四葉のクローバーを探すのに、
智也は見つけられないのだ。 
それに比べて、響子は何本も見つけた。
一本見つけると、その近くに群生しているかのように、 
次から次へと見つかった。

「こっちへ来てよ、たくさんあるから」と言って、
智也を呼び寄せると、不思議なくらい見つからなくなる。
「四葉のクローバー探しの天才だな。
それはお前に任せるよ」と言われたものだ。 

堤防に沿って歩くと、小さな児童公園があった。
「ねえねえ、ちょっと荷物を置いて、あそこで
四葉のクローバーを探さない?」
と響子が言った。

「懐かしいねえ、いいよ」
実は、響子がそう言いだしたのには訳があった。 
ただ10年前のことを懐かしんでのことではない。

それを心の中で理解していたので、智也は
同意したのだった。 
このところ、いくつかの辛いことが続いていた。

響子の父親が脳梗塞で倒れた。
幸い、命はとりとめたが左半身に障害が残った。 
長く住んでいたアパートを追い出された。
家賃が安くて助かっていたのだが・・・。

大家さんが高級マンションに建て替えるという。
それも分譲だ。 とても買える金額ではない。
右往左往して探した結果、毎月の家賃の負担が
3万円も増えた。

それでも子供がいないので、なんとか暮らせた。
しかし、悪いことは続く。 
智也に目をかけていてくれた教授が大学を退官。

それとともに、校内の派閥抗争のとばっちりを受けて、 
大学を追い出されてしまったのだ。 
なんとか別の大学の講師の口を見つけたが、
給料はガクンと下がった。

他にもある。
響子の腰痛がひどくなった。
父親の看病に疲れた母親が、毎日のように
深夜に電話をしてくる。 
自分も疲れているので、早く切りたいが切れない。

まだある。洗濯物をハトがフンをして汚された。 
隣室の子供のピアノがうるさい。
冷蔵庫が壊れて買い替えなくてはならなくなった。

響子は、児童公園のベンチに食材の入った
レジ袋を置くと、 花壇の周りに生えている
クローバーに駆け寄った。 目を凝らすようにして探す。

「僕もやろうかな」 
「うん、探して」
最初は、すぐに見つかると思っていた。 
なにしろ「四葉のクローバー探し」名人と言われた
自分である。 
ほんの3分もかからないと思っていた。

ところが・・・。
探しても探しても見つからない。イライラしてくる。
響子は、占いを信じる方ではない。 
必ずといっていいほど、女性雑誌には占いの
ページがある。
でも、ほとんど見たことがない。

しかし、このところの不運続き。 何かに頼りたい
と言う気持ちが強くなっていた。 
四葉のクローバーを見つけることで、 何かしら
良い方向へと人生を変えられるのではないかと
思ったのだ。

それなのに・・・。 自信があっただけに暗くなった。
「ちょっと風が冷たくなってきたよ。もう帰ろうよ」
時計を見ると、40分くらいが経っていた。 
智也にそう促されて、仕方なく立ち上がった。 
持病の腰痛が、よけいに痛みだした。

薄暗くなりかけていた部屋の灯りを点けた。 
気分を紛らわせるために、テレビをつけた。 
智也は家に帰るなり、なにやらゴソゴソと
押入れの中を探し始めた。

「どうしたの?」と訊くと、
「う、うん」という生返事。
「夕ご飯は7時でいいかしら」

それにも答えず、押入れの奥から大量の本を
取り出していた。 
研究者らしく、本に囲まれて生活している。
ただ、困るのは置き場所だ。 

仕方がないので、押入れが本の倉庫になっている。 
響子にはさっぱりわからない専門書ばかり。
半分は英語らしい。

「あった~!」
「なに?」 
「うんうん、これこれ」
急に微笑んで響子の方を見る
。智也が一冊の本を差し出した。

「え?」 「これ」
ずいぶん古い本だ。やはりタイトルは英語。
「扉のページを開けてみてよ」
言われるままに扉を開けてハッとした。 

そこには、薄く茶色になった四葉のクローバーが
挟まっていた。
「これ、キミがくれたんだよ」

思い出した。智也が大学院を卒業して、
母校の講師になったときプレゼントしたものだった。 
なぜ、覚えていたのか。その時、一緒に渡した
一筆箋も挟まっていたからだ。

そこには、
「就職おめでとう!  小さくてもいいから、
幸せな家庭を作りましょうね。・・・響子」
と書かれていた。 

響子は思った。こんな近くに四葉のクローバーが
あったんだ! 幸せは、すぐ近くにある。
智也の笑顔を見て、 こころの底から力が
湧いてくる気がした。・・・





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歌は心の走馬灯、歌は世につれ、
  世は歌につれ、人生、絵模様、万華鏡…


 





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