タマネギ少年はキュウリ青年に言いました。
ここが駅だと掲げられた看板のその下に
ずっとずっと列車が来なくて
それが本当に駅かどうかさえ疑わしくなった日も
君もまた同じようにここで列車を待っていた。
春が過ぎても秋を終えても
遥かかなたで車輪はたしかに動いて線路を鳴らしていて
ギシギシ震えて鈍い音を立てながら
ようやく現れた列車に乗るか否かためらっているあいだに
沢山の人が降り立って、沢山の人が乗り込んで
そうだこれに乗るんだったと思い出した。
同じ駅で待ちくたびれて
たまたま同じ車両に乗り合わせ
そしてたまたま違う駅で降りるんだ。
違う駅で降りるんだ。
さよならまたいつか。
◆
ずっと平和な保留ボタンを押してるよりガラッと変えた方が良いかなと思う近頃で、
気まぐれに普通列車でチリチリと旅に出ようとしている近頃で、
第三の洗剤ってたしかにおいしそうで食べちゃいそうだよなあと感じるこの頃で、
長い間使ってる茶色の財布はそろそろ限界だなと気付く今日で、
ようやく冬が終わろうとしていて、でもねむい一日中ねむい。
三月、まだ寒いなあ。
ペッコリとケムポ、とても出遅れて賞ランキングに参加中です。
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