歯科矯正治療のオーダーメイド服治療と既製服治療の違い
基本的に矯正歯科治療は患者さん個々に合わせた治療でなければならないと云うのが私の考えです。一人一人顔が異なるように歯並びや歯列そして解剖学的な形態も異なります。
そのために矯正歯科治療は、歯列や咬合に関連する歯や顎の形態、位置そして口腔周囲筋群との関係も考慮した治療が必要となります。しかし、最近の矯正治療は、服で例えるならオーダーメイド服の治療から既製服の治療へと変わる傾向にあります。
オーダーメード服に対してこの既製服治療は、その名の通り矯正装置は勿論、歯列に合わせたワイヤーなど殆どに既製品があり、その中から大中小を合わせるような感覚で矯正装置を選択して、装着し、毎月既製品のワイヤーを取り替えるという流れ作業的な処置を繰り返すのが、この既製服治療と云えます。
なぜこのような治療法が出来たのかは、勿論理由があるのですが、これはアメリカの矯正歯科事情が大きく関係しています。アメリカでは矯正歯科の専門医制度が早くから確立して臨床試験制度を取り入れて合格した歯科医を矯正歯科専門医とし矯正治療はこの専門医しか治療することができません。これは矯正治療が専門性が高く歯科大学を卒業しても、臨床治療を行なうには不十分という判断があり、1900年にアングルスクールという歯科大学を卒業して研鑽する矯正専門学校が創立された経緯があります。
こうした教育を受けて専門医制度の臨床試験がおこなわれるようになり、アメリカ全土に矯正歯科専門医が誕生しました。この矯正専門医の毎年の新患数が平均で250名だそうです。これは動的治療2年、保定2年間ということを考えると少なくても毎日50名の患者さんを診察することになります。そしてその半分は毎回ワイヤーなどを交換が必要な動的な患者さんで、通常なら一人30分は治療時間を必要とします。と云う事はこの動的治療患者さんだけでも一日10時間の治療時間が必要となります。
そこで生まれたのが先ほどの既製服治療、すなわちストレートワイヤーテクニックです。このテクニックは既成のワイヤ−とゴムリングの交換など約5分程度のチェアタイムで済む為にこうした忙しいアメリカの矯正専門医に急激に普及したのですが、この治療の最大の欠点は治療結果の質がかなり低くなると云う事です。
『典型的なストレートワイヤー装置とカラーモジュール装着している画像』
それまでのスタンダードエッジワイズテクニックに比べ70%程度の質にまで下がったと云われています。日本でもこのテクニックを取り入れている歯科医が多く居ますが、日本の場合は事情が大きく異なり、専門医制度ができたのも遅く、かつ複数の組織がこの制度を其々立ち上げて、その制度の質にもかなりの差がありますし、厚労省がまだどの組織の制度も認可していないとい事情も混乱を深めていると云えます。
『日本矯正歯科協会の矯正歯科専門医認定書−1』
『日本矯正歯科協会の矯正歯科専門医認定書−2』
そんな中で、現実に日本の矯正治療の新患は毎年30〜40万人程度と言われていますが、その半数は専門医以外の歯科医院で治療していると云われています。アメリカに比べ日本での矯正初診者は圧倒的に少ない上に、矯正専門医以外での治療率が非常に高く現実には治療に関するクレームも増加し社会問題にもなっています。
そんな日本の現状で、アメリカのように矯正初診者が溢れるほど来院している矯正歯科医院は極稀で一人の患者さんに充分なチェァタイムを取る事が充分可能な事情であるにもかかわらずストレートワイヤーテクニックを採用しているのは、あまり意味がないように感じます。
今の日本の事情を考慮すればするほど、質の高い治療結果を求めた治療法を優先するべきであり、その結果が日本の初診患者の増加にも患者さんの矯正に対する理解にも繋がるのではと思います。
当院は、矯正歯科専門医院のため、完全予約制でお一人づつご予約をお取りしております。他の患者さんを気にする事無く治療をお受け出来ます。
気になる歯並びや口元の相談は神奈川県藤沢市の矯正専門医とりす歯科矯正まで
TEL 0466-27-5050 E-mail: to-ortho@shonan.ne.jp


