セカンド、サードオピニオンの増加傾向
最近セカンドオピニオンでの矯正相談がまた増え始めました。相談してくる患者さん自身が何を気にして相談に来ているのかを具体的にあげますと、
1、 歯茎が下がってきて歯冠部が長くなってきた。
2、 笑うと歯茎が見えるのが気になる。
3、 気が付くと口が開いている。
4、 朝起きると口の中が乾燥している。
5、 冬の乾燥している季節は、リップクリームを塗っても唇が荒れる。
6、 無意識に口で呼吸をしていて意識しなければ鼻呼吸ができない。
7、 歯医者さんで言われた通り歯磨きはかなり熱心にやっているのに、すぐ虫歯になってしまう。
8、 歯磨きはしているはずなのに前歯の歯茎が、いつも腫れているように発赤している。
主としてこういった悩みを抱えて当院へ相談に見られます。これらの方々は、矯正治療経験者であり一応矯正治療が終了した方および現在治療継続中の方の悩みです。
ですから一般的な初診の矯正相談はその悩みは随分異なるものです。一般的には凸凹の歯並びや出っ歯や反対咬合といった悩みが主なのですが、一度矯正を経験したセカンドやサードオピニオンで相談来院された方は、矯正治療を行ったからこそ生じた結果が悩みとなっている点が皮肉と云えば皮肉です。
しかし、これらの悩みのほとんど全ての原因は、非抜歯で治療が行われていると云うのが特徴的な共通点です。しかし、このような悩みを抱える原因をつくったのは患者さん自身にもどうしても抜歯は嫌だという考えから非抜歯治療を行った結果でもあるのです。
矯正治療を行う上でも診断の違いが、大きくその治療結果を左右するのですが、その診断は大きく二つに大別することが出来ます。一つは歯を綺麗に並べるという歯だけを捉えた診断と、もう一つは歯を綺麗に並べるのに加え、その口元の調和も考慮し機能する器官として捉える診断とに分けることが出来ます。
簡単に言えば、見た目は美しく並んでいるが機能的に問題のある入れ歯と綺麗に並んでかつ機能的にも問題の無い入れ歯との違いのようなものです。
当然後者の方が前者より高度な技術と経験、そして、その経験から得られた知識を有していなければ満足な治療結果を施すことが出来ません。
他医院で治療を経験したセカンドオピニオンの方は、前者の歯だけを捉えた診断の結果、綺麗な歯並びだけは得られていますが、口が無意識下ではポカんと開いてしまい、唾液が常時乾燥しやすい状況の中で唾液の持つ免疫的な重要な働きが失われ、虫歯や歯周病になりやすい環境となってしまいます。
この状態を放置すれば、結果は目に見えています。逆に調和がとれた口腔器官は絶えず唾液で浸潤して乾燥しづらい形態をしているのが必須条件となり、その形態こそが本当の自然な形態と云えます。その自然な形態を得ることで、機能を長く維持すると云うことが初めて可能になるということになります。
そのために診断の結果抜歯が必要であれば抜歯をするものであり、抜歯が不要であれば何もわざわざ抜歯することはありません。抜歯するかしないかは、診断ではありません。より良い治療結果を得るための単なる一つの手段でしかありません。
ちなみに抜歯しなければ治療期間は1年間、抜歯すれば2年間というが普通ですが、治療の難易度も非抜歯の方が遥かに易しいことを考えると、何もわざわざ抜歯をして難しい治療をするのは、その必要性があるからこそで、何が何でも抜歯するようなことは絶対にあり得ません。
できるなら易しくて簡単な治療の方を誰でも選びたいものですが、その結果が前述の具体例のような結果になれば矯正をした意味もありません。しかし、残念ながらこうしたセカンド、サードオピニオンが年々増え続けていることは、いずれ大きな社会問題となるのではと危惧します。