最近の矯正治療に関する問い合わせ
一昔前までは裏からの矯正治療について、最近ではマウスピースによる矯正治療についての問い合わせが増えています。
おそらく以前にもこのブログにも書きましたが、テレビでマウスピースによる治療が紹介されたからだと思います。特に民放テレビによる最新の矯正治療といったこの手の放送は、まず最新とは云い難いものがほとんどで、専門医なら絶対使わないような装置がほとんどです。
先日放送されたマウスピースによる治療も例外ではなく、最新?とは言えない装置で、実際には30年ほど前にすでに使用されていた装置で、結局治らないために自然消滅してしまったものです。それが再び登場したという訳ですが、こういった装置を使うのは矯正専門医以外の一般の歯科医が使うというのが大きな特徴です。
所謂本格的な矯正治療が出来るだけの技術や知識を得るには、大学を卒業後に経験豊富な矯正歯科専門医の指導のもとで10年程度は、研鑽しなければ技術の習得が出来ない極めて専門性の高い臨床分野と言えます。
矯正歯科以外の臨床専門分野でもこれは同じ事が言えますし、そんな中で一般歯科医は、その他の多くの臨床専門分野を習得した上で矯正歯科も習得するということは、時間的に不可能と言えます。一般歯科には6つの臨床専門分野があります。それらを全て習得することさえ不可能であり、その中の1つもしくは2つを習得するのが現実的には限界と云えます。この習得した技術で実際に治療するという経験を通して知識として蓄積することで初めて患者に信頼される臨床専門医となります。その知識を積み重ねるということは、10年で技術を習得した上での経験と言う時間の積み重ねが必要となるのです。
と考えると一般歯科の中の専門分野を習得している一般歯科医がワイヤーを使った本格的な矯正治療を新たに習得することはまず時間的に出来ないと云うのが普通ですし、専門分野を習得する事がどのくらい大変かということはどの分野に置いても大差はありませんので、専門分野を習得している歯科医ほど、逆に他の専門分野を自らが研鑽するよりも、すでに習得している専門歯科医へ患者を紹介したり連携治療を行うというのが、最も確実で患者にとっても一番良い結果が得られることを知っています。
矯正装置で、マウスピースや夜間だけ使用する取り外し可能な装置などを使っている一般歯科医は、結局専門分野は習得していないし、そのような研鑽も経験していない歯科医が大部分であり、その最も大きな特徴は、医院に掲示する看板に沢山の専門の科を表示していることにあります。
これは、歯科医師免許さへ取得していれば標榜しても問題がないと厚労省が認めているからですが、現実に治療経験もないのに看板だけ出しているや、アルバイトで月に1.2度だけ大学で研鑽中の経験の浅い医局員に治療を依頼するなどかなり臨床レベルには問題のある医療行為が行われているのが現状です。
さてそこで夜間のみの使用やマウスピース型の治療を最新と謳い治療を行っている歯科医院が本当に沢山あるのですが、決してこれらの装置では満足する治療結果は得られないということです。なぜなら矯正歯科専門医は、これらの装置を使いません。もし本当に満足出来る治療結果が得られるなら、専門医だって楽で簡単で患者さんにも負担が少なく治療出来る方が良いに決まっています。しかし、残念ながらそんなことはあり得ないのです。
だからこそ確実な治療結果を求めることができる従来の改良に改良が積み重ねられたブラケットとワイヤーによる装置が最良となります。またこの装置は取り外しが出来る装置のように研鑽しなくても取り扱える装置ではなく、前述のごとくそれなりの長い研鑽と経験が不可欠の装置と言えます。
すなわち、素晴らしい指導者に恵まれて、師事し研鑽、経験をしてその経験から得た知識を積み重ねれば積み重ねるほどそれは治療の結果として現れるものです。安易に付け焼き刃のような研鑽をして大した経験もなしに良い結果は絶対にあり得ないのが世の中だと思います。