最近の矯正に関する問い合わせ | とりす歯科矯正(大人のための矯正歯科専門医のブログ)

最近の矯正に関する問い合わせ


 受付の電話が鳴り響きます。受話器を取ると、フリーコールからの電話で、まず最初に「ちょっとお尋ねしたいのですが・・・」から始まり、「治療の費用はどのくらい掛かるのか?」「治療期間は?」「今何才の子供なのだが・・・」「近くの一般の歯科に行ったらまだ様子を見てて良いと云われたが、本当にそれで良いのか?」「相談料はいくら掛かるのか?」「診断にはいくらかかるのか?」等々、電話口で矢継ぎ早に質問をしてきます。

出来うる限りお答えするようにはしているのですが、実際に拝見もしていないものを答えるとなると、予測や想像などを加えて説明する必要がでてきますので、ひどく範囲が広くなり時間ばかりが掛かってしまうことになります。そして、一番困るのが、例えが多すぎて質問者が完全に混乱してしまうことです。

また実際に診察中の患者さんがいる場合など、その患者さんを待たせて対応することになりますので、正直迷惑な思いも感じます。しかし、子供のことを心配しているだろう、また随分悩んでいるのだろうと思うとついつい答えてしまいがちなのですが、最近ふとこのことに疑問を感じ始めています。

現実には、本当に心配ならきちんと相談する時間を予約して頂き、本人を実際に拝見して、その本人の状態に沿った話をしなければ実際の解決には結びつかないと思うのですが、電話で根掘り葉掘り聞いてくる人は、どうみても理解できたとは思えないのです。しかしですよ良くわかりました。ありがとうございました。子供の、仕事等の予定を調べて、また相談予約の電話入れますと云って電話を切ります。

しかし、このような質問者には皆共通点があります。それは費用に関することを一番熱心に聞いてきます。そして必ず改めて相談予約の電話をしますと言うのですが、まず予約の電話が掛かってきたことは皆無に近いですね。

という事はこのような人達は、治療費の安さが矯正医を選ぶ一番の選択基準のようです。矯正というのは以前にもこのブログにも書きましたが、その技術的な格差は他の歯科医療と異なり、専門医ともなると素人と玄人といった程の差があるものです。それは大学のカリキュラムで矯正学に関する授業が他科に比べ極端に少なく、実際の臨床技術を教えることはなく、昔の歴史的に使われた古い装置を使っての実習程度で、臨床には全く役に立たないというのが現状です。

ですから矯正を習得するには、大学を卒業してから、臨床レベルを担保された指導者を自ら探しその下で少なくてもフルタイム10年間くらいの研鑽が必要となります。そこまで研鑽した歯科医が実際に矯正専門医の臨床試験を受けて合格できるというのが現状です。

この専門医の合格者は実際には日本全国に数百名という単位しか存在していません。当然のことですが、専門医の試験を合格している矯正医は臨床技術を担保されていると考えられます。それなりの治療費となって当たりまえだとも思いますが、専門医でない矯正医は逆に臨床技術が担保されていませんので治療費も当然安くなる傾向があります。それは治療をしても治らないという危険性が高いことを示しています。

私のところにもセカンドオピニオンとしての相談者も年間4.5名来院されますが、これらの患者さんの共通点はやはり臨床技術を担保されていない矯正医に掛かりだんだん治療に疑いが生じ不満を抱いていることと、治療費が安かったことが共通点です。そして結局再治療ということで、トータルで高い治療費を払うことになってしまっています。

同じ専門医でもアメリカの専門医の矯正治療費に比べればダントツに日本の専門医の治療費は安いのですがね。勿論アメリカでも専門医以外の治療費は日本の専門医以外と同様に安いですが、アメリカではそれを承知で治療を受けているところが違いますね。

それにしても最近やたらこの手の問い合わせが増えているように感じます。