ネットからの矯正治療の情報-その2 | とりす歯科矯正(大人のための矯正歯科専門医のブログ)

ネットからの矯正治療の情報-その2

矯正に関するホームページで信頼出来る情報とそうでない情報の見分け方を矯正専門医の目から伝えたいと思います。

1)症例の写真について
 本からの抜粋写真などでなく、自ら手掛けた治療の術前と術後の口腔内写真とともに必ず口元の術前と術後の変化の写真も掲載していることが信頼出来る大事なポイントとなります。矯正治療は歯並びを綺麗にするのは勿論ですが、口元も大きく変化させることの出来る治療です。矯正治療の結果は歯並びと口元に現れますので、歯並びの写真だけを掲載しているのは、治療結果の半分しか公開してないことになります。逆に公開できない理由があるということだと思います。
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2)治療方法について
 どんな治療法でもメリットとデメリットは必ず存在します。メリットばかりでなくデメリットもきちんと掲載していることが信頼出来る情報と云えます。歯を抜かずに治療します。短期間(6ヶ月間)で治療します。表から見えない装置で治療します。などがそのメリットだけを強調する典型例で、抜かなければ良いというものではないし、その結果の口元の変化は殆どがカッパのような口元になっているのが現実ですが、そのことは情報(口元の側面からの写真)として公開していません。

 短期間の治療と云っても矯正治療単独では6ヶ月で終えるということは、どんな優れた矯正専門医でも不可能です、歯を削って被せるという補綴(ほてつ)という別の治療を組み合わせた治療をクイック矯正法などと勝手に命名している情報もありますが、これは決して矯正治療ではありませんし、あくまでも補綴治療と呼ばれる範疇のものです。矯正治療はあくまでも天然の歯を対象に動かしますので、削ったり被せたりといった処置はしません。

 表から見えないのは、確かに恥ずかしがり屋さんにとってはメリットかもしれませんが、同じ臨床レベルの矯正専門医が表と裏からの治療をすれば、間違いなく表からの治療(期間や毎回の治療時間などを含め)の方が必ず優れた治療結果となります。それは表の方が裏からの治療より、操作性が非常に高いということです。裏からは極端にその術野が狭く、術者の姿勢も非常に窮屈な体勢を強いるもので、長時間の体勢を維持することは不可能です。その結果患者さんの胸に術者の顔を乗せるような体勢になることもしばしばです。患者さんが女性の場合これはある意味セクハラと取られる可能性だってあります。

3)矯正装置について
 矯正装置は基本的に取り外しが出来たり、夜間のみの使用といった装置はあくまでも2次元的な治療しかできず、取り外しの出来ない3次元的な治療が可能なブラケットを用いた矯正治療のあくまでも補助的な装置でしかありません。ですから取り外しができるや夜間のみ使用で治る装置という表現は間違った情報と云えます。
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<取り外しのできない矯正装置でこれでしか3次元的な歯牙のコントロールはできません。>
4)診断の資料について
 矯正治療を開始する前に、必ず診断を行うのですが、そのために診断資料というものが絶対に必要となります。その最低限度の資料として、顔面・口腔内写真、頭部のレントゲン写真(規格されたもので、これがなければ診断は不可能と云えるほど重要な資料です)、顎全体のレントゲン写真、口腔内模型などが必要となります。しかし、一般歯科と併設して矯正歯科という看板を標榜している歯科医院には、頭部の規格されたレントゲンを所有していない医院がほとんどというのが現実です。この頭部X線規格写真(専門用語でセファロといいます)は診断の決め手になる資料であり、これがなければ分析も治療方針も計画も成り立たないほどのものですが、実際にはこれがないまま治療をしている歯科医院が多く存在します。すなわち診断がなされず治療が行われているということになります。

個人情報が入っていましたので削除させて頂きました。
<頭部の規格されたレントゲン写真(セファロ)>