９月26日火曜日。8時起床。晴れ。気温16度。
８時45分Ｋ子をイチゴファームまで送る。今日もすばらしい富士山が見られた。いつも同じ喩えになるが影絵のような、立体感のない浮世絵のような富士山である。非現実的だが、手前にビニールハウスという現実がある。
帰宅後リハビリの自主訓練。それから来月の文学講座第45回のチラシを市内８館の図書館ヘ配布してもらうための準備をする。通常１館10数枚のチラシを準備するのだが、プリンターのインクが空になったので11枚ずつしか用意できなかった。
3食のうち２食は米の代わりにオートミールという食生活が続いている。いつから始めたか記憶は定かではないが、たぶん１年ぐらいは続いているのではないか。もちろん３ヶ月半に及んだ入院中はお米だったが、オートミールを続けた結果10キロ以上のダイエットに成功した。付き合わしているＫ子にはちと気の毒だが、彼女のダイエットの助けにもなっているはずで、今後もオートミールは続けるつもりである。
そのようにオートミール主体の食事を付き合わせているＫ子に喜んでもらおうとココアの蒸しパンを作った。ありがたいことにYouTubeには最近オートミールを使ったグルテンフリーの蒸しパンの作り方を紹介する動画が競うが如くアップされており、それらを参考にさせてもらった。といっても根がズボラな人間なので食材や調味料をきっちり計って作るようなことはしない。蒸しパンに限らず、ぼくの料理はすべてが適当である。料理に限らずすべて何もかもが適当というべきかも知れない。でも、たいていそこそこのものができる。蒸しパンもまあまあの、そこそこのできだった。
昼食後、ヘーレン・ハンフ『チャリング・クロス街84番地』を読む。来月の文学講座で取り上げる本である。今日はどの部分を紹介しようかと考えつつ70ページばかり付箋を貼りながら読む。
４時にＫ子を迎えに行かねばならないがまだ充分時間があったのでプルタルコス『愛をめぐる対話』（岩波文庫）から「烈女伝」を読む。プルタルコスは話題の宝庫だ。情報収集力がすごい。
イチゴファームには早めに着いたので少し近所を歩く。富士山は朝よりも澄んで美しかった。
Ｋ子を家に送り届けてからリハビリヘ。予約の30分前に着いたので近くの薬局でＫ子に処方された薬を 取りに行く。リハビリは5時から40分間。リハビリの後は月１回の院長の診察。どうですかという質問に、遅々としてますが改善が見られるようですと現況を話す。握力を測定する。左右ほぼ同じである。PCの画面、ぼくのカルテを見ていた院長がこちらを向くと、◯◯◯◯◯さん知ってますか、親戚か何か？と訊いてきた。以前甲陽病院にいたとき両膝の手術をしたことがあるんだがね、という。めずらしい名字はこれだから困る。以前同じ姓の者が重大事件を引き起こし世間を騒がしたときも親戚縁者かと疑われた。よいこともないことはない。今回の場合も院長はぼくのカルテを見て昔の患者の名前を思い出したわけで一度聞いたら記憶に残る名字なのだ。しかしＫ子の旧姓は日本でも多くある苗字の一つだったのでめずらしいぼくの姓になるのは抵抗があったはずだ。愉快だったのはＫ子は姓が変わり、ぼくの小学校のときの初恋の子と同姓同名になったことだ。ぼくはこの偶然を何よりも喜んだ。
クリニックからの帰途長坂駅前の図書館に寄り、市内８館の図書館に配布してもらう文学講座のチラシを託す。
Ｋ子が買物があるというので玄関先で車に乗せてコンビニへ行く。ここで大失敗。買物を終えて車に乗ってペットボトルのコーヒーを飲んだのだが、飲み終えてフタをしたつもりが緩んでいて外れ、中身を股間に全部こぼしてしまった。まるで漏らしたようだ。指先のセンサーが壊れているのだ。携帯などもよく落とすし、掴んでいるつもりが力の加減がわからないのだ。こればかりはリハビリでどうこうなるものではないのかも。
夕食後『刑事ダルグリッシュ』第５話、第６話を観るが、今日はぼくの方が眠ってしまった。