7月26日水曜日。5時20分起床。雲多し。青空が見えるので晴れるのだろう。猛暑の予報だ。
5時45分府中で仕事にあるK子を長坂駅まで送る。
9時八ヶ岳文化村へ本の整理に行く。ぼくの個人文庫のあるスペースガ縮小されることになったのでかなりの本を一時的に他へ移動する必要が生じたのである。
孵化したキアゲハがいつまで経っても飛び立とうとしないので両手で救って花(名前は知らない)の上にのせてやる。と、キアゲハは口吻を伸ばして蜜を吸い始めた。そうか、元気がなかったのは腹が減ってたわけだ。
今日は初日なので入口ドア付近の床に積んであるペーパーバックを整理しつつ、今度の仕事の段取りを考えることにする。しかしイギリス文学やアメリカ文学などのペーパーバックを段ボール箱に詰めていると、時や場所までは記憶していないが、それぞれの本を買ったときの気持ちというかなぜそれを買おうと思ったのかが思い出されてくるのだった。しかしもう読めないだろう。プルーストの『失われた時を求めて』の英訳6巻があった。表紙は焼けて不鮮明になっているがそれを除けば新品同様だ。メルカリにセットで出せば買ってくれる奇特な御仁がいるやもしれぬ。コナン・ドイルのシャーロック・ホームズのハードカバーが2冊あり、1冊は長編、もう1冊は短編が収録されている。これもセットで売れるのではないか。イアン・フレミイングの007も数冊あり、そのような目で見れば、これも、あれもと、セットで売れそうなペーパーバックが見つかる。本の整理では大汗をかくのではないかと覚悟していたが、八ヶ岳文化村は標高900メートルにあり、涼風が部屋を吹き抜けていく。
時間は足りないが、本の整理は午前中だけと決めていた。正午に仕事を終えて玄関から出ると、純白に輝く夏雲の山脈があった。南アルプス連峰をすっぽりと包んだ雲がもくもくと山脈を形成していた。
帰宅してキアゲハを見ると朝と同じ花にいた。動画を撮ろうと近いたら飛び立ち、あっという間に消えてしまった。
昼食後は昼寝する。目が覚めるとフォークナー「孫むすめ」を読む。南部における黒人と白人の奴隷と主人と簡単に片付けられない関係。
K子は予定より30分余早く7時前に小淵沢駅に着く。