どうしよう、どうすればよい。(Jul. 23, 2023) | 微睡のブログ〜八ヶ岳南麓から〜

微睡のブログ〜八ヶ岳南麓から〜

八ヶ岳南麓、北杜市長坂町小荒間に在住。ときどき仕事をしながら、読書、音楽鑑賞、カメラ撮影、オートバイツーリングなどの趣味を楽しんでいます。

 7月23日日曜日。6時50分。曇天。快晴。

 K子は午前中苺摘みアルバイト。

 

 

 自主訓練をしてシャワーを浴びた後、9時半八ヶ岳文化村へ徒歩で行く。先の大雨で土が流された道には砂利が敷いてあり歩きにくいったらない。こういった凸凹道は足腰が弱っていることを教えてくれる。

 

 

 10時にTさんと会うことになっていたが、ミーティング中とかで30分あまり待たされる。文化村館長のSさんとおしゃべりしながら待つ。先日SさんからTがお会いしたいそうですと連絡を受けたときからこれは何かあるぞと思っていたが、Sさんの表情見ぶりがその何かを物語っている。

 Tさんが笑顔で部屋に入ってきた。健康を気づかってくれるので、ここは同情を引くにしかないと思い、レントゲン写真を見せる。病気入院の話などの後、2つお話ししたいことがあると、やおらTさんが切り出す。1つは、もしもぼくに何かあったときに本などをどうするか文書にしてほしいということで、これについてはぼくもそのつもりである。問題は2つめで、現在部屋を二分して片方をぼくの個人文庫として使わせてもらっているのだが、ぼくの文庫のスペースを4分の1に縮めたいというのであった。本をすべて引き上げてほしいという話ではないかと虞れていたのでそうではないことがわかり安堵したものの、現在床に大量の本が山になっており、スペースが縮みられたら溢れた本はどこへ移したらよいのか、また、移動場所が文化村内にあったとしても、体が不自由なぼくに大量の書籍を運ぶことが出来るだろうか、加えて大枚のお金を使って取り付けた書棚が使えなるがどうするか、頭の中で不安が渦巻いた。前回のように八王子の佐藤書店に来てもらってとりあえずもう読むことはないだろう本を引き取ってもらうしかないのだろうか。1ヶ月ぐらい余裕がありますかとSさんに聞くとないという。

 Tさんの家まで車で送ってもらう。苺摘みアルバイトから帰ってきたK子に事のしだいを話し、本を売るのならば地元の古本屋さんも考えてみようということになった。ほとんど地元といってもよい隣の富士見町のmountain bookcaseという小さな古本屋さんがある。店主の女性が売りたいと思う本を選んで売っている店だし、小さな店なのでなんでもかでも買取はしてくれないだろう、ましてや大量の買取はないだろうと思ったが、営業日は土日月の3日間だけなので昼食を終えたら行ってみることにした。K子も付き合ってくれるという。

 富士見駅前の駐車場に車を駐車する。午後の太陽がぎらぎら輝いていたが駅前には高原の風が吹いていた。リックサックを背負った若者、コントラバスなど楽器を運んでいる若者たちがいる。

 mountain bookcaseまでは徒歩3分。昔風にいうと間口一間程度の狭い店内。しかし明るく清潔で、本たちはスッキリ書棚に並んでいる。店長が笑顔で迎えてくれる。早速事情を話す。買取はしますが安いですよという。イベントなどをしてはどうでしょうとアドバイスをもらうが時間はない。蓼科の方に陶仙房というカフェがあり寄贈された古本の販売もしてますとと耳寄りのニュースを教えてくれた。K子がアイスコーヒーを飲みたいというのでそこへ行ってみることにした。店主は小淵沢に住んでいるというので、一度ぼくの文庫を見てもらいたいと思い連絡先を残した。

 陶仙房は20数分の距離だった。ツーリングでしばしば走ったところにあったが、住宅地の奥にあったので、看板ぐらい目に留めたことはあったかも知れないが気づかなかった。元々は陶器の工房だったのだろうが、カフェを始め、古本も置くようになった。それぞれは別の建物に分かれており、最初古本のある建物に入ってみた。無人である。無人販売所なのだ。2階にも本は置かれているようだが、今日はもうぼくは本を見たくなかった。それよりもアイスコーヒーが飲みたい。

 

 

 カフェは古民家の壁を取っ払って広い空間の椅子とテーブルを並べ、陶器類が陳列されていた。庭に面する椅子に並んで座る。ガラス戸も何もなく緑の庭を眺めながらのアイスコーヒーを飲む。K子はチーズケーキ、ぼくは木の実のケーキ。屋根から水が滴り樋が受けている。いかにも涼しげである。古本の情報を得てきたが、よいカフェを知った喜びの方が大きい。しかしそのうち蚊に悩まされることになった。蚊取り線香をつけてもらえるようだったが、満足して帰ることにした。

 

 

 金田一春彦記念図書館から一昨日予約した本が届いたという連絡をもらったので本を受け取ってから帰る。帰宅後、まだ明るいし涼しいので、蚊取り線香をつけ、ウッドデッキで借りてきた文庫を読むことにした。借りてきたのはフォークナーの短編集とカポーティので短編集。それぞれ一作ずつ読む。フォークナーの「エミリーへバラを」はあまりに有名な短編である。次回の文学講座で読もうと思うが、フォークナーの世界をしっかり説明しないと理解してもらえないかも知れない。カポーティについても同様だ。