9時気温氷点下3度。0度以下が続く。庭に薄く積もった雪が溶けない。
K子は10時半から公文へ採点のアルバイト。ルクレティウス『事物の本性について』の第5巻を読む。30分集中、10分休憩、また30分集中という風に読んだ。とてもじゃないが、一巻といえども集中して一気に読める代物ではない。休憩中はYouTubeで三笘がリバプール戦のアディショナルタイムにブライトンに勝利をもたらしたシュートのシーンを繰り返し見る。ブライトンのファンの熱狂的な歓声や喜びようも楽しむ。元気が出た。残りは第6巻のみになった。今月中に読了したいものだ。
ブライトンには、チームにではなく、町に多少の思い入れがある。もうずっと昔のことだが、イギリス人の先生の家がブライトンにあり旅行の折に訪ねたことがあり、またThe Whoのピート・タウンジェントの小説『四重人格』を元にした映画、邦題『さらば青春の光』のクライマックスがブライトンでのモッズとロッカーの抗争だったからだ。The Whoの音楽がたっぷり聴ける大好きな映画だ。
昼食はいつもK子に任せるのだが、今日はぼくが作った。肉と白菜を中心とした野菜を炒める。即席ラーメンを3分間煮て、煮汁だけを即席ラーメンについているスープと一緒に炒めた野菜が入っているフライパンに入れて煮る。その間に別のフライパンに油をひいて麺を炒める。麺はかき混ぜるようなことはせず、両面を堅焼きそば風に固く焦げ目がつくくらい焼く。それが焼き終わったらさらに移し、煮こんで片栗粉でとろみをつけた肉と野菜をかける。今日はチキンラーメンがなかったがチキンラーメンで作ると一番美味しい。チキンラーメンを煮たスープで煮た肉野菜が美味いのだ。
食後英国ミステリー『マーダー・イン・マインド 殺意が芽生える時2』を観る。幸田文の「雛」というエッセイを文学講座の教材化すべくOCRアプリで読み込む。
3時過ぎ小淵沢のセルクルに電話するとまだ全粒粉入りの食パンが一本あるというので10枚に切っておいてくださいとお願いして買いに行く。1年前に亡くなった御母堂の法事で九州に行くので10日間店を休むという。何年か前に店でお母さんを見かけたが亡くなっていたとは知らなかった。店主は鹿児島出身だと聞いたことがある。脱サラして成功した人だ。
K子が小淵沢駅でSuicaのチャージをするというので行き、駅の屋上から八ヶ岳や南アルプスを見ると、八ヶ岳も甲斐駒ヶ岳も山容は影絵のように見えたもののすっかり雪雲と降る雪に包まれていた。富士山も薄い影のように見えるばかりだった。帰途、頭上は晴れていたが、風花というには凄まじく吹雪のように雪が吹き荒れ、前を走る車の後には雪煙がたった。しかし、家に帰るともうわが家の周辺まで雪は吹き寄せられて来ず、東の空は明るかった。
英国ミステリー『カササギ殺人事件』3と4を観る。メタフィジックな推理ドラマだ。編集者の女性と、彼女が担当している死んだ(自殺? 他殺?)当代一の推理小説家の遺作に登場する探偵が力を合わせて犯人を突き止めるという構成になっているのだ。もちろん探偵は小説の中の事件の真相を探っているのだが、どうやら小説の中の事件と現実(とはいえ実際にはこれも小説中の事件なのだが)の事件が相似形らしい。ネットに面白くないというコメントがあったが確かに少しばかりややこしすぎるかもしれない。
読書もしたかったのだが、夜はK子と映画やテレビドラマ(ほとんど洋物だが)を観るのが習慣になってしまった。『カササギ殺人事件』は夕食前に見たので夕食後は映画ということになり、『ストーリー・オブ・フィルム 111の映画旅行』を観る。映画表現の拡大革新、多様性には眼を見張った。