春、ウグイスをはじめて聞く。(Mar. 30, 2022) | 微睡のブログ〜八ヶ岳南麓から〜

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八ヶ岳南麓、北杜市長坂町小荒間に在住。ときどき仕事をしながら、読書、音楽鑑賞、カメラ撮影、オートバイツーリングなどの趣味を楽しんでいます。

 6時過ぎに起床。4時間も眠っていない。普通であれば二度寝と決め込むのだが、眠れそうにないので起きてしまった。ウッドデッキの寒暖計は7度を示している。室内はひんやりしていたので体感より気温は高い。

 朝食を食べ、井伏鱒二の「戦死・戦病死」を読む。井伏鱒二にとって太平洋戦争中に宣伝班員としてマレーに派遣されていた日々のことは記憶から去らぬ経験で、再三再四小説で語られている。声高に軍部や戦争を批判するわけではない。しかし戦争の悲惨さや不条理はだらかこそ静かに確実に伝わってくる。

 「戦死・戦病死」を読み終えると、生欠伸がひっきりなしに出る。次の小説が読めない。見かねたK子が寝なさいといってくれる。

 目が覚めたのは12時半になろうというとき。2時間半は眠ったようだ。昼食に用意ができていたのですぐ食べる。

 

 税金の督促状が4通も来ていた。結局払うことになるのに、あたかも無駄に抵抗するように支払いを怠り、かえって面倒なことになってしまう。いい陽気なので支払いをすませた後歩くことにした。

 出かけようと庭に出ると、梅の花がさきはじめたことに気づく。あら、咲いているわ! とK子が叫び、ひざまずいてiPhoneで撮影する姿勢をとっているので見ると、いつの間にか水仙が咲いていた。

 

 

 コンビニのATMでお金を下ろし税金を払う。それにしても今月は保険料の支払いも重なったし異常に出費が多かった。思わぬ入金があり多少はカバーできたものも、トントン生活も危うい。

 まあしかたがない。なるようになれ。今は散歩を楽しもう。七里岩ラインを走っていたら、散歩に良さそうな、歩いてみたいと思うような脇道を見つけた。車を道路脇に乗り捨てることにする。

 車を降りると、あっ、ウグイスが鳴いているとK子がいう。今春はじめてのウグイスだ。わが家は標高950メートルのところにあるが、その場所は200メートルほど低いのではないか。春は2、3週間進んでいるようだ。道は下り坂になり、一軒の家の前の畑で女性が何か、飼料だろうか、撒いていた。畑の土はきれいに平されている。いい陽気ですねと声をかけようと思ったが、背を向けている女性はわれわれの足音が聞こえたはずなのに振り返ることがなかった。

 道は上り坂になりまた下り坂になると、小川が流れる谷(やと)があった。田んぼの跡が湿地のようになっている場所があり、セリでも生えていないかと思ったがなかった。カエルの鳴き声がするとK子がいう。コロコロ鳴いているというが、難聴気味のぼくには聞こえない。

 また上り坂である。今度のは長い。今日は比較的脚の具合がよく上り坂もさほど苦ではなかったが、最近あまり歩いていなかったこともありさすがに疲れてきた。しかし途中休むことなく上り切ると、何軒か人家が点在していた。甲斐駒ヶ岳を背景に満開の梅の木が3いう本。ピンクや紅のヒヤシンスが庭に咲いている。だいぶ雪が後退した八ヶ岳。

 

 

 帰宅後、ウッドデッキのリクライニングチェアで読書。陽が翳り冷え込むまで外にいた。K子は室内でフェルト制作に勤しむ。

 室内に入り、読書を継続する。『精講 漢文』、『古文の読解』を読み、ふたたび井伏鱒二を開く。『井伏鱒二自選全集 第五巻』読了。

 

 夕食を食べながら『刑事フォイル』を観る。出演していた若い男優を観て、その面差しが『ニュートリックス〜退職刑事の事件簿』でブライアンという役を演じていたベテラン役者に似ていたので息子じゃあないのかというと、あなたがいうからにはそうかもしれないわねといわれる。顔の識別能力の高さにいつも驚かれているのだ。調べると果たしてそのとおりだった。