午後K子と田園地帯を散歩した。八ヶ岳が綺麗だった。わが家のあたりではよく見えない赤岳の全貌が見られた。富士山はいつものように絵のように綺麗。甲斐駒ヶ岳の裏に陽は隠れ、薄い黄金色の光がほとばしっていた。
BBC制作のディケンズ原作『リトル・ドリット』を見終えた。第5話から見始め、2話でやめるつもりが、最後の8話まで見てしまった。それにしてもマーシャルシーという債務者刑務所は、ディケンズの父も借金が返せず収容されて一家で暮らしていたようだが、何とも不思議な刑務所だ。物の本によれば、19世紀のイギリスの刑務所に収容されていた半分は債務者だったとか。債務者以外の家族は中に住んでいても出入りはできたようで、外に仕事にも出かけられたようだが、リトル・ドリットの父親を見ればわかるように人の尊厳を奪うものだったに違いない。ディケンズはロンドンの下層社会の現実を描いているが、その結果社会改革を促すことになったのもうなづける。