薄氷の沼
無断転用禁止
何かと多忙を極めた年末年始が終わり、やっとカメラぶら下げて出かける意欲が湧いた来たわい。
というのも当地の夕べはちょいと冷え込んでのう。
もしやすると昨年末にも行った枯れ睡蓮の沼が凍っているのではないかと思ったのじゃよ。
氷が張れば前回とはまた違う光景も見られるかもしれぬわい。
出発は午前10時ごろになってしまったが、今日は明朝の本番に備えての偵察のつもりじゃからこれでよいのじゃ。
沼へ着いて振り返ると遠くの山は積雪しているわい。
しかし昨冬に比べると雪はまだ少ないのう。
ほほう。やっぱり凍っているようじゃ。しめしめ。
ほんの薄氷じゃがこれはこれで面白い氷模様が撮れるかもしれぬわい。
フムフム。
面白そうな模様がついているわい。
こんな模様を氷紋と言うそうじゃ。
小学校の工作の時間に彫刻刀を使って板に彫ったことを思い出すわい。
しかしこんな複雑な模様は小学生では無理じゃろうのう。
小学生どころか大人でも及びもつかぬような氷紋があちこちに。
自然が作り出すアートじゃのう。
正午近くなって氷が融け出し、ところどころに穴ぼこが開いて来たわい。
穴ぼこに岸辺の枯れ木が影を落としている。
木彫りのような彫刻。とても氷とは思えぬわい。
PLフィルターを付けて覗いてみると途端に万華鏡の世界が広がった。
お天道様の角度やカメラの位置によってもまるで違った世界が見えてくる。
肉眼では見られぬ光景じゃのう。
撮影場所によって色合いが違ってくる。
画面上部は枯れ葉の茶色。
中間部は竹藪の緑。
下部は青空の青色といった具合じゃ。
この辺りは水面に映る青空が反映しているようじゃ。
これは青空の青と枯れ木の茶色か。
この緑色は竹藪の色が反映しているのかのう。
悦に入ってPLフィルターをいじくり回しているうちに昼食どきはとっくに過ぎてしまったわい。
今日は明朝に向けての偵察に来ただけじゃからのう。車中泊の用意はしてこなかったのじゃが、この状況なら明朝もきっと凍るじゃろうて。
それではいったん帰宅して昼食を済ませ、夕方にまたやって来ることにしようわい。
な~に。2、30分の距離じゃから訳もないことじゃ。
☆
住処でひと休みした後、夕方近くになってまたやって来たわい。
途中のコンビニで夕食の支度を整えてのう。
もちろん🍺も忘れずにじゃ😁
このころになると沼は既に陽が陰り、周りの木々も徐々に夕闇が迫っていたわい。
先ほどまで様々な幾何学模様を見せてくれた氷も今ではすっかり融けて、老齢の葉っぱたちが寄り添っているばかりじゃ。
高い梢も間もなく日陰になり、沼は静かに眠りに就く。
今夜は冷え込むというからのう。
未明までにはまたガチガチに凍り、その氷に明朝のお天道様がお恵みを下されると、沼一面が黄金色に輝くかもしれぬわい。
こりゃ楽しみなことよのう。ムフフフフ😁😁😁
沼はすっかり宵闇に包まれた。
こんなところで今日の撮影は打ち止めじゃ。
そろそろ‟動くホテル”へチェックインといこうかのう。
チェックインした後は、アーベンロートに染まる雪山を眺めながら、おひとり様コンビニディナータイムを楽しむことにしようわい。
※アーベンロート:朝日が当たって染まるモルゲンロートに対して
夕日が山に当たって赤く染まる現象を言う。登山用語。
つづく
無断転用禁止






























