春はまだ続く
四方を山に囲まれた深い谷底ー。
人影は全く見当たらない。小鳥の声さえも聞こえない。
今、独りぼっちでわしゃぁそこに降り立っているのじゃ。
幹線道路を逸れ、車がやっと通れるような急坂をそろりそろりと降りて来てのう。
急な細道はわずか百メートルぐらいの距離なのじゃが、左側は直角に落ち込む崖、右側は切り立った山際で、ガードレールはもちろんない。かなり神経を使って降りてきたわい。
降り立った谷底は猫の額のようなほんのわずかに開けた場所なのじゃが、そこにはまさにこの世の桃源郷じゃった。
その狭い谷底には十数本の桜や花桃などが所狭しと咲き誇っていたのじゃ。
ソメイヨシノこそもう終わりに近づいていたが、枝垂桜は大手を広げるようにしてワシを迎えてくれたぞえ。
右を向いても桜、左を向いても桜。
ぐるりと周りを桜に囲まれて、独り占めの撮影じゃ。
しかしそんな場所でも人工物があちらこちらに立っていてのう。
その人工物を避けるためにかなり苦労をしなければならないのじゃ。
これは花桃じゃな。まだちょいと早いようじゃ。
ただ、今日は薄曇りの空模様じゃから光がない。
それがちょいとばかり不満なのじゃが、あまり贅沢も言えないわい。
仕方がない。明日に期待するとしようかのう。
朝はどんな光景が待っているかのう。
がっかりするか、飛び上がって喜ぶか…。
と言っても、この歳じゃあ飛び上がりたくても飛び上がれるはずもないのじゃがのう🤣
さ~て。
変わり映えしない写真ばかり撮っていても仕方がない。
今日のところはこれで‟店じまい”とするわい。
明日の朝は霧でも湧いてくれないかのう。
ここは谷底じゃから霧も停滞しやすいかもしれないわい。
ちょいと早いがそろそろディナータイムといくか。
と、いつものように🍱と🍺で、明日に向けての前祝いを始めたところへー。
コンコン。
窓をノックする人影が…。
ん? ? ?
撮影日・4月14日
つづく
余分なおまけ
わが住処に咲いたシャガの花
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