前回のつづき
初夏のハス田模様 その2
無断転用禁止
蓮田の撮影でヨタヨタ歩き回るうちに疲れて来たからのう。
車内のベッドでしばらく横になってひと休みしていたわい。
その間にお天道様も大分西へ傾いてきたようじゃ。
ふたたびカメラを担いで外へ出てきた。
ハス田の宵の光景でも撮って見てみようと思ったのじゃ。
しかし今の時期は日の暮れまでの時間が長い。
エモノを捜し求めながらとぼとぼと歩いていると…。
蓮田に水が流れ込む辺りで、浮草がゆっくり動いているのを見つけたわい。
せわしなく回っているように見えるが、これもスローシャッターのなせる業じゃ。
実際には見過ごしてしまうようなわずかな動きなのじゃがのう。
肉眼では見ることのできない世界じゃ。
右へ移動しては一枚、左へ移動してはまた一枚…。
スローシャッターを切るのは時間がかかるわい。
そのうちにお天道様もだんだん黄昏色になってきた。
時々浮き上がってくる泡が水面を揺らす。
日が暮れて、周りが夕闇に包まれてくるころ…。
蓮田の脇を通る道路に街灯が灯った。
その光を利用してハス田の撮影じゃ。
そのときじゃった。
撮影しながら何気なく後ろを振り向くと…。
え、えっ!
ほ・た・る!?
宵闇の中を青白い光を放ちながらふわりふわりと浮遊しているのはまさしくホタルじゃ。
こりゃどうしたらよいのじゃ! そんなに唐突に出てきてもらっても困るのじゃよ。
わしゃあホタルの撮影なぞこれっぽっちも頭の中になかったことじゃわい。
何の心構えもできていないのじゃ。
来るなら来ると、前もって早う言っておくれよ!
第一、蛍なんぞ撮ったことがないのじゃ。
ホタルの名所はかなりの人出があるらしいからのう。
混み合うのは嫌いじゃから、わしゃあ今まで敬遠していたのじゃ。
それなのにこんな思いがけないところで、唐突に出現されては、どう対処したらいいのかさっぱりわからないのじゃわい。
目くらめっぽうスローシャッターで撮って見たが、あとから画像を見て愕然としてしまったわい。
カメラ雑誌でよく見るような長~い光跡を引きながらで飛び回っている画像を想像していたのに、こりゃ一体何たることじゃ。
こんな画像でホタルを撮りましたなぞとは、恥ずかしくてとても言えたものではないわい。
それにしても予期せぬことが起こるものじゃのう。
こんなところにホタルが出るなんぞ、今まで聞いたこともなかったのじゃ。
緊急事態(?)に備えて普段からの勉強が大切じゃということがよ~く分かったぞえ。
気を取り直してまたハス田の撮影に戻ったのじゃが、今まで不勉強だったことが悔やまれて、落ち着いて撮影する気にもなれない。
仕方がない。今日はこんなことで引き揚げるとするか。
お月さまも笑っておられるようじゃ。
引き揚げじゃ、引き揚げじゃ。
☆
☆
そして翌朝~。
空はどんより雲だらけ。
今朝はハス田に朝の光が注ぐ光景でも撮影しようと思っていたのじゃが、こんな空模様ではまるで写欲が湧かないわい。
昨日ホタルが出た川を覗いてみた。
夕べは暗くてこんな川があることさえ気がつかなかったのじゃよ。
ハス田にばかり気を取られていたからのう。
まさかホタルが出るとは思いもしなかったわい。
来年はリベンジに来てみたいものじゃ。
(そんなこと言ってお前さん、来年も元気で来られるのかのう)🙄
それまでにホタル撮影の勉強をするからのう。
待っていておくれよ、蛍ども。
それではサラバじゃ、サラバじゃ。
…と帰途に就いたのじゃが…
☆
☆
ところがいつもの悪い癖が出てしまってのう。
寄り道という悪い癖じゃ。
帰って来る途中で琵琶湖方面へハンドルを切ってしまったのじゃ。
というのも、先日、琵琶湖畔のハスの群生地の様子を見に行った時は、去年の枯蓮も今年の新芽もきれいになくなっていて、まるでもぬけの殻じゃったからのう。
ひょっとすると滋賀県草津市・烏丸半島や湖北地方の公園の二の舞で、ここも消滅してしまったのではないかという杞憂があったのじゃわい。
消滅した経緯はこちらで![]()
心配しながら様子を見に行ってみると…
ほう!
出ているではないかえ!
初々しい葉っぱが出ているわい。
こりゃあ一先ず安心じゃ。
しかしこれ以上増えないでおくれよ。
これ以上増えると湖面が見えなくなってしまうからのう。
…とほざいてみても詮無いことじゃけどのう。
多分、一カ月もしないうちに押し合いへし合いの密状態になるじゃろうて。
増えないうちに撮りたいのじゃがこんな曇り空では写欲も湧かないし、さすがにワシも疲れたわい。
また出直すことにするからのう。それまであまり増えないで待っていておくれ。
増えると三密になることを忘れずにのう。
それでは一先ず、今日のところはこれでオサラバじゃ。
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撮影 6月13、14日
おしまい
無断転用禁止

























