前回のつづき
森の中でひそやかに
無断転用禁止
今日のお目当ては熊が出る(と言う看板の立つ)森の中のクリンソウの撮影なのじゃがのう。
わき目も振らずに森を目指せばよいものを、途中で渓流なぞを
撮影してしまったために要らぬ時間と体力を費やしてしまったわい(前回)。
やっと目的の森へ着いたのじゃが、森の中には二本の道が通っている。
そのうちの一本は車両進入禁止となっているが、もう一本の道へは自由に通って行けるのじゃわい。
その道路を進んで行くと、わしが一昨年、初めて見つけたクリンソウの咲く草むらがあるのじゃ。
今日はそちらの道へ一直線に突入するぞえ。
途中、山ツツジを眺めながらどんどん森の奥へ。
すると…
ほほう!
咲いていた!
道沿いのかなり広い草むらの中に、今年も一塊りになって咲いているわい。
去年はもうちょいとばらついていた気がするのじゃが、今年はお互いに身を寄せ合うようにして仲良く(?)咲いている。
物音一つしない深い森の中でワシが訪れるのをじっと待っていてくれたのかのう😁
愛い子じゃ、愛い子じゃ。
以前からここはよく通ったのじゃが、こんな花は見たことがなかったのじゃよ。
それが一昨年通った時に忽然と咲いていてびっくりしたものじゃ。
このあとで撮影に行く本家の群生地から、鳥の糞などによって種が運ばれて来たのかもしれぬわい。
と、これは単なるワシの憶測じゃから鵜呑みにしないでくだされや。
腰痛持ちのワシにとって、花の撮影は真上から撮るのが最適のスタイルじゃ。
直立不動で真上からパチリパチリ。
こりゃ楽チンじゃ。
最も苦手なのはこのアングル。
腰をかがめて地面すれすれから撮るのは一番苦手な撮影スタイルじゃ。
フィルムカメラに比べれば、今は液晶画面で角度も自由に変えられるから余程楽にはなったのじゃがのう。
しかしファインダーに慣れてしまった老眼の年寄りには液晶画面は見にくい。一長一短じゃ。
やっぱり上からのアングルは病みつきになるのう。
この場所は湿地でもないし、柵などの障害物もないため、花を踏みつけぬように注意すればいくらでも近づいて真上から撮れるわい。
クリンソウは水辺や湿地帯に咲くと思っていたのじゃが、ここはただの草むらで、辺りに水らしきものも見当たらぬ。
ただし深い森の中じゃから日照時間は限られているため、日当たりのよい平地より水分が多いかもしれぬわい。
しかしこの後、これから行く本家本元のクリンソウ群生地はかなりの湿地帯じゃぞえ。
さ~て。
ここはまた明朝に陽光が射し込んでくるところを撮ることにして、一先ず引き揚げじゃ。
このあとはここから数百メートル先の群生地へ行って見ようわい。
それ行け、やれ行け!

つづく
無断転用禁止


















