冬の虹
今年も「冥土の旅の一里塚」(前回参照)を迎えてしまったのう。
一休禅師は上記のフレーズに続いて「…めでたくもありめでたくもなし」と詠んだらしいが、ワシもだんだん冥土の旅のゴールも間近になってくると思うと、あんまりめでたくはないわい。
とは言うものの、この歳になるまで曲がりなりにも元気に新年を迎えられたのじゃから、やはり「…めでたくもありめでたくもなし」なのかのう。
さて話は前回の続きじゃぞえ。
‟獲物”を求めてはるばる越前海岸まで出かけたのじゃが、これといった成果は得られなかったからのう。
ふたたび琵琶湖へ戻ってきたのじゃ。
琵琶湖は琵琶湖でも今度は湖西地方じゃ。
明日はこちらから朝景を撮ろうと思ってのう。
こちらも雪が積もっているわい。
この地方へ来るたびに時々車中泊をする駐車場へやって来た。
この駐車場の正面には湖面から杭が顔を出していてのう。これが撮影の際のポイントになるのじゃよ。
湖面がのっぺらぼうの写真では面白味がないからのう。
浅瀬で鵜が休んでいる。
羽を広げ出したぞよ。
スローシャッターを試みた。
頼むからそのまま動かないでおくれよ。じっとしているんじゃぞ。
シャッターが下りるまでの時間の長いこと長いこと。祈るような気持ちで鵜をにらみつける。
生き物の撮影はやはり高速シャッターの方が楽じゃて。
ここへ来るたびに思うのじゃが、この杭は何のために立ててあるのかのう。謎じゃわい。
鵜はまだ休憩中。今度は杭を前景にして撮ってやったわい。
湖の反対側を向くと、まだ秋が残っていた。
夢中になって撮っていると…
遠くで誰かが叫んでいるのが聞こえた。
「虹が出ている。きれい」
ええっ⁇
振り返ると、まさに目の前に鮮やかな虹が…。
焦るのう、こういう時は…。
ボケボケしているとすぐ消えてしまうからのう。
持ち合わせの広角レンズでは収まり切れないほどの大きな弧を描いて大空に広がっていた。
ちょいと色が薄くなってしまって残念じゃたけどのう。
思わぬ拾い物をしてしまったわい。
叫んで教えてくれた人に感謝しなければのう。
気を取り直して、こちらは秋と冬のコラボじゃ。
ふたたび湖に目をやると、遠くの山あいで雲海が湧いている。
おや、また虹じゃ。
上の方は雲の中じゃ。
昨日の越前海岸と同じじゃわい。
そろそろたそがれて来たのう。
対岸に明かりが灯った。
西の方は夕焼けじゃ。
お星さまを眺めながら眠るとしようかのう。
明日は今まで見たこともないような素晴らしい朝焼けが見られますように![]()
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(虫のいいことばかり言いおって)![]()
つづく
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