思い出写真 その10・せせらぎ街道 そのⅠ夏から盛秋へ  | 89歳の車中泊撮影記~風景写真に魅せられて~

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風景写真に魅せられた後期高齢者が、時には車中泊を織り交ぜながら撮影を楽しむ様子です。
                       
                       








                        

思い出写真 その10・せせらぎ街道 そのⅠ夏から盛秋へ 

 

 

  長かった梅雨もやっと明けたようじゃな。

 

 早速撮影行きと言いたいところなのじゃが、しかしこの季節、撮影意欲をかき立てるような場所が思い当たらないんじゃよ。

 

 夏というと、昨年までは長野県の霧ヶ峰やら高ボッチなどの高原へ避暑を兼ねて出掛けていたものじゃが、長年通っているうちに少々食傷気味になってきてのう。

 

 「今年も行ってみたい」という気持ちが湧いてこないんじゃ。

 

 ただ、いつまでも巣ごもりばかりしているわけにはまいらぬからのう。

 

 そのうちに業を煮やして腰を上げるかも知れないが、今のところは「思い出写真」でお茶を濁すことにするわい。

 

 「思い出写真」のコンセプトは、「毎年のように撮影に行っていたのに、様々な事情で行かなくなった、または行けなくなった場所の写真」なのじゃ。

 

 ということで今回は岐阜県高山市の「せせらぎ街道」じゃ。

 

 せせらぎ街道は、郡上おどりで有名な郡上方面と高山市街を結ぶ主要道路じゃが、この道路に沿って小さな渓流があることからこの名がついているらしい。

 

 この辺りは紅葉の名所でのう。秋になるとカメラマンやら行楽客で道路は大渋滞になるのじゃ。

 

 ワシも数年通いつめたのじゃが、この大混雑が鬱陶しくなってのう。 それがここへ行かなくなってしまった理由の1つなのじゃわい。

 

 

 ところでの街道は山あいを通り抜ける道路じゃ。

 

 開けた場所ではないから、今までのようにドラマチックな画像は一枚もないからのう。そのつもりで見ておくれ。

 

 さて、せせらぎ街道の夏はこんな具合じゃ。

 

 

 

       草木はもちろん渓流までが夏色に染まっているのう。
  

 道端の水溜まりさえも夏色じゃ。

 

 

 夏の間は静かなものじゃわい。

 

 街道を走る車も、行楽客らしい車は皆無に等しい。

 

 

 じろり

 

 

 それが秋になると・・・

 

 この秋色を求めて大勢の人が殺到するんじゃ。

 

 街道は車の数珠つなぎになってしまい、撮影もままならないぐらいでのう。

 

 

 

 

 

 ある日、何気なく空を見上げると、逆向きの虹がかかっていた。

 環水平アークじゃ! 

 

 時々新聞で話題になることがあるが、かなり珍しい現象のようじゃ。

 

 

 

 

 これを撮影したころはまだ腰痛もあまりひどくなかったらしくて、こんな場面でも這いつくばって撮ることが出来たんじゃのう。

 

 

 

 車中泊をするために、街道を逸れて山道を登って行った。

 

 ちょいとした駐車スペースを見つけたので、そこをその日のねぐらにしたんじゃ。

 

 遠くには滝が見える。大倉滝じゃ。

 

 

             別の方角には遠くに御嶽山が見える。  

 山の上の白いものは雲じゃないぞえ。2014年に発生した御嶽山大噴火の噴煙じゃ。

 

 噴火から約一ヵ月後の撮影じゃが、噴煙はまだ収まっていないわい。

 

 多数の犠牲者が出たのう。

 

 あれからもう6年か・・・。

 

 

 街道際にある食事処の灯りで夜霧が紅色に染まっているわい。

 

 ぼつぼつ寝るとするか。

 

           噴煙は続く・・・。鎮魂の夜。

 

つづく

 

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