スーパームーン撮影騒動記 その2 | 89歳の車中泊撮影記~風景写真に魅せられて~

89歳の車中泊撮影記~風景写真に魅せられて~

風景写真に魅せられた後期高齢者が、時には車中泊を織り交ぜながら撮影を楽しむ様子です。
                       
                       








                        

 

               スーパームーン撮影騒動記 その2

 

 

 さて、前回の続きじゃ。

 日はとっぷり暮れてしまったというのに、お月様は一向にお出ましにならないぞえ。

 

 ほんの少しでも明るさが残っているうちに月が出てくれると、桜も映えるんじゃがのう。

 

 こんなに暗くなってからじゃあ、桜は影になってしまうわい。

 

 第一、水平線に近い空は暗雲が立ち込めていて、月の出時刻になっても見えないじゃろうのう。

 

  こりゃ今夜はダメじゃ。

 

 ぼつぼつコンビニ弁当でも食するか。

 

 などとと諦めかけていたところが・・・

 

 

 

 で、出た~~!目

 突然、暗雲の間から燃えるようなお月様が!

 

 しかも何じゃい。この赤い色は・・・

 

 今までも月が地平線に近い時に赤くなるのは時々見ていたが、これほど赤いのは初めてじゃぞえ。

 

 若いころ聴いた「ルナ・ロッサ」というカンツォーネを思い出したわい。

 

 

 その時ふと思い出したんじゃよ。先ほど車内でテレビを視ていた時に、地元の天気予報士が言っていた言葉をのう。

 

 「今日は黄砂が飛んでくるかもしれない」と。

 

 

 「こりゃひょっとすると、この色は黄砂が原因かもしれないわい」

 

  しかしこれはワシの勝手なひとりごとじゃからのう。鵜呑みにしないでくだされや。 

 

 

 ルナ・ロッサは暗雲の間から出たり入ったりしている。

 

 月が顔を出した一瞬を狙って桜と一緒に撮影したいのじゃが、強風のために桜の枝が揺れに揺れる。

 

 

 思いっきり感度を上げてシャッタースピードを速めたのじゃが、ブレずに撮れたのはとうとう一枚もなかったというお粗末さじゃ。

 

 意識的にぶらせる撮影方法もあるんじゃが、わしゃあきっちり静止した画像にしたかったんじゃ。

 

 

 ノウルシなら揺れは少ないからブレることなく撮影できたのにのう。 

 

  ーーなどとボヤいてみたところで後悔先に立たずじゃ。

 

 

 それにしても、この赤い色はどうじゃ!

 

 まるで太陽と見間違えるほどじゃないかい。

 

 

 

 しかし月がだんだん昇って行くに従い、本来の色に戻って行ったわい。

 

 

 月は出たり入ったりを繰り返しているが、相変わらず強風が吹き、一瞬たりとも止まってくれない。

 

 

 

 

 

 月光が湖面を金色に染める。

 

 スローシャッターのために静かな湖面のように見えるがのう、ホントはもっと波立っているんじゃ。

 

 

 こんなに強風の時に桜なんか撮ろうとするのが大間違いじゃ。ブレるに決まっているじゃないかえ。お前はアホかムキー

 

 ―と、どこかからもう一人の自分の罵り声が聞こえるわい。

 

 

 

 さてと。

 

 いつまで経っても風は止んでくれないし、月は天空の彼方へ昇ってしまったわい。ボヤいていても後の祭りじゃ。

 

 もう寝るとするか。

 

 

 と「店じまい」をしようとしていたところへ、一台の車が駐車場へ入ってきた。

 

 間もなく4、5人の若者たちがわいわい騒ぎながら降りてきたんじゃ。

 

 何やら大きな荷物を抱えている。

 

 見ていると、何と目の前でテントを張り出したんじゃよ。

 

 「今夜はここで泊るのかえ?」と問うワシ。

 

 「そうですよ」と答える若者。

 

  「・・・・・・・・・」

 

 あれほどやかましく「3密」を避けろと世界中が口をそろえて言っているのに、まだこういう連中がいるんじゃのう。

 

 テントのような狭い空間で騒いでいたら「3密」以外の何物でもないわい。

 

  

 

 仕方がない。逃げるが勝ちじゃぞえ。

 

 急きょ、宿泊地の変更じゃ。

 

 こうなったらノウルシの群生地で泊るしかないわい。

 

  また先ほどのノウルシのそばへ逆戻りじゃ

 

 

 

 やれやれ、最初からこっちで撮影すればよかったのにのう。

 

 そうすりゃ、ブレブレの桜なんか撮らずに済んだし、あの若者たちにも邪魔されずに眠れたんじゃよ。

 

 などとブツブツつぶやきながらヤケ酒を引っかけたというお粗末な一席じゃ生ビール

                                                 zzz zzzzzz