前回のつづき
さて翌未明・・・。
辺りはまだ漆黒の闇じゃわい。
わが“ベッドルーム”から抜け出し、運転席へ座り直して朝食じゃ。
サンドイッチを牛乳で流し込んだ。
おっと、血圧の薬も忘れないようにの。年寄りは大変じゃぞえ。
午前5時40分で気温は1度じゃわい。
しかし風が強いから体感温度はもっと低い。
ダウンコートの薄手と厚手を2枚着込んで外へ出た。
おお、晴れているのう。
今度は天気予報が当たったわい。
たまにはいいじゃろう。![]()
大分明るくなってきたのう。
もうすぐここに朝光が差し込んでくると、景色は一変するはずじゃ。
それまでちょいと辺りを撮影してみるか。
夕べの霧はすっかり消えてしまったわい。
朝霧が湧いていると、それはそれでなかなか面白い光景になるんじゃがのう。
そろそろ所定の位置に付かないとのう。
うかうかしていると撮り損なってしまうぞえ。
それ! 来たぞ来たぞ!
この瞬間を逃さないために、したくもない車中泊をしているんじゃからのう。
腰が痛いなんて言ってられないわい。もう必死じゃ。
汚れてしまった落ち葉も、この瞬間は見事に蘇るのう。
今朝はこんなところかのう。
一段落ついたところで周りもちょいと巡ってみるとするか。
深紅に染まるのはホンの数分じゃ。
もう色合いが変わってきたわい。
いつものことながら朝の撮影は忙しいわい。
数分で決着がついてしまうからのう。
老いぼれがもたもたしているうちにチャンスを逃してしまうことも度々あるんじゃよのう。
大分前に落葉して枯れ果ててしまった葉っぱでも、太陽の力を借りると、見違えるように蘇るのう。
だから好きでもない車中泊をしながらでも、朝夕の撮影がやめられんというわけじゃ。
さてこんなことで今日は帰るとするか。
などと思いながら、林の中を抜け出てみると・・・
何か月か前に行ったチカラシバの咲く草原の方角に、霧が湧いては消えているのが見えたんじゃよ。
ふ~む。
そうと知ったからには、こりゃあ行かざるを得ないぞえ。
何かいいことがあるかも知れないからのう。
疲れているのによせばいいものを・・・![]()
次回へつづく

























