第2回あてどもない旅~その3半島の突端目指し | 89歳の車中泊撮影記~風景写真に魅せられて~

89歳の車中泊撮影記~風景写真に魅せられて~

風景写真に魅せられた後期高齢者が、時には車中泊を織り交ぜながら撮影を楽しむ様子です。
                       
                       








                        

 翌早暁、ホテルの部屋から外を眺めてみると、今日もどんよりと雲が垂れ込めている。

 

 わしゃ全くついていないぞえ。せっかく能登まで撮影に来たというのに、

この天候じゃなあ(´;ω;`)

 

 とりあえず車を海岸沿いに走らせてみたが、案の定、びょうびょうとした大海原と薄暗い空が広がるばかり。

 

 こんな状況では今日もあきらめざるを得ないわい。

 きっぱりあきらめてさらに北上するとするか。

 

 走行中の道端で見かけた梅とフキノトウのコラボ。

 今回の旅行中には至る所でフキノトウを見かけたが、なぜ採らないのかのう。フキノトウのてんぷらは美味いのにのう。

 きっと食べきれないほど生えるんじゃろうな。

 

 とうとう雨が降り出した。

 重ね重ね全くついていないわい。

 

 かの有名な白米千枚田に着いた。ここの道の駅でしばらく雨宿りでもするか。

 この道の駅も立派になったのう。

 十数年前に来た時は小屋に毛が生えたくらいの直売所のようなところで、地元の人が野菜などを売っていた記憶があるわい。

 

 しかしさすが能登半島を代表する景勝地だけあって、雨模様でもたくさんの車が停まっているのう。

 

 もうすぐ田んぼに水が入ると、夕日に照らされた水田が紅く染まって壮観じゃが、そんな写真は嫌というほど目にしているから、いまさらワシが撮ってもそれ以上の素晴らしい作品になるとは思えないないし、第一こんな天候じゃあどうしようもないわい。

 

 千枚田の道の駅で老骨をしばらく休め、さらに北上を続けると曽々木海岸に到着する。

 

 ここには窓岩などという有名な岩や,垂水の滝という断崖から海へ注ぎ込む滝もある。

 

 これが窓岩じゃ。岩の真ん中に窓がある。

 

 岩に開いた穴に夕日が入る写真は大勢のカメラマンが撮っているからのう。今さらワシが撮っても何ともならんわい。

 

 

 下の写真が垂水の滝じゃ。

 滝のそばで店を構える食堂の女主人に話を聞いたら、冬になると、日本海からの寒風にあおられて滝が舞い上がることがあると言っていたわい。

 そんな光景を見てみたいもんじゃのう。

 

これがその光景らしい。

 

 付近にはこんな岩もある。ゴジラ岩だそうな。

 

 能登半島の突端に近づくにしたがってだんだん高度が上がってゆき、海以外は何も見えなくなってきた。

 椿展望台というところがあったので立ち寄ってみたが、どんよりとした夕闇迫る雲の下に、大海原が見えるだけ。面白くないのう。

 

 椿展望台を過ぎるとだんだん高度は下がって行く。

 

 さらに車を進めると道の駅があったので、今夜はここの駐車場でお世話になることにしたぞえ。

 

 ここは「道の駅 狼煙」という面白い名称じゃ。

 この名前の由来は、ここが能登半島の先端にあたるため、昔から航路の目印に狼煙を上げたことからきているらしい。

 

 今では狼煙の代わりに灯台がその役目を担っているがのう。

 ちなみにこの灯台はNHK朝ドラのオープニングシーンで使われていたのう。

 

 そろそろ夕食の時間になったが、この辺りにはコンビニなどあろうはずもなく、ここの売店でありあわせの菓子やら干物やらを買って糊口をしのい

だわい。

                                        つづく