じっさいに現場へ行けば、だれがなにをしてどんな準備をしてきたのかを知ることができる。
あらかじめその質を感じ取れれば、見えない幽霊に怯(おび)えることはない。
想像だけしているうちは、やはり身になることは難しいから。
しかもエキストラ以外に大勢の俳優が同じシーンに呼ばれるのは、それだけの予算が必要な作品だから、その居場所を確保する日々も重要となってくる。
こうして演技講師をしていて、そういったもろもろの感覚をスタジオに持ち出したときのまわりとの温度差。
その違和感を感じ、本当はじぶんでもかなり勉強になっている。
……そうか、ここで納得がいかないのか。
当たり前だと感じている感覚が、じつはそうでない見方もあると気づかされ、ふと立ち止まり振り返る。
それにしても遠くないうち、あと出しじゃんけんで安心しているこの状況を変えていかないと。