--AL PONTE DELLA RANOCCHIA--
中庭でビールを呑みほろ酔い加減になったオレは一眠りすることにした。
せっかくイタリアに来たってのにもったいないと思う人もいるかも知れないが
旅行なんて結局のところ羽を伸ばしに来るのだ。
時間に迫られ、あちこちを見て周りへとへとになるなんてゴメンだ。
そんなになるくらいならホテルでテレビでも見ながらビールを呑んでた方が100倍マシだ。
そう思いながら靴を履いたままベッドへと倒れこんだ。
一眠りすると時間は18時だった。
酒を呑んで眠って起きたら当然空腹、今日はイタリア最後の晩餐。
今日だけは何を食べるか決めておいたのだ。
「AL PONTE DELLA RANOCCHIA」
この店は観光客もほとんど来ないような場所にあり、しかも泊まっているホテルから程近いところにあるらしい。
日本にいる時にオールアバウトジャパン
で調べておいたのだ。
「言葉なんて問題ない、旨いものが食べたいんだー!という気合の入った方におすすめ」
などと書いてあるんだから、こりゃあどんな芸術作品を放置しにしても行かなくては!
5月。イタリアの昼は長い18時なんて夕方にも差し掛かっていない。
ぶらぶらと住所を頼りに店を探す。
ホテルから程近いはずなのだが、案の定店は見つからずぶらりぶらりと迷走を続ける。
これも最後の夜かと思うとなんだか感慨深いものがあるものだ。
そして小一時間歩き。
見つけた!
近寄って店名を確認すれば
「ある・・・ぽんて・・・でら・・らのっきあ!!」
おお!間違い無いここだここだ!!
早速うまいもの食おうじゃねーか!
オレは胃袋にありったけの希望を持たし、張り切って店の扉を開け店の中へ入っていった。
なんだかかわいらしい店内。気取らないところがトラットリアといった感じだ。
日本のイタリアンに比べるとニンニク臭がしない。ニンニクの違いなんだろうか?
さて、何を頼もうかな?胸を高鳴らし、ハラの虫を鳴らしながらメニューを開く。
よ、読めねえ・・・
何書いてあるんだかさっぱりわかんね。
いや待て。仮に読めたとして料理の内容はわかるのか?
仮に「ゼッポリーネ」を読めたとしよう。
「ゼッポリーネてなに?」
という展開は目に見えている。
観光客の来ない店。ただじっとメニューを見つめる日本人。
5分もするとさすがに見かねたのか従業員の姉ちゃんが席に来てくれた。
どうやら料理の説明をしてくれるらしい。しかも、英語で説明してくれると!!!
ぜひぜひ説明してくれたまえ。
君のかわいい声で説明が聞きたかったから今まで注文せずに待っていたのだよ。
そして彼女の説明は始まった。
炭酸水だけは頼めた。
かなりの数があるメニューなのだが彼女は全部丁寧に英語で解説してくれた。
なんと親切なのだ。メニューの説明だけで30分かかるというのに、嫌な顔ひとつせず解説してくれたのだ。
正直途中から解説がウザかったのは今だから言える事だw
そして数あるメニューの中からトマトソースのリングィーネとピスタチオのペンネを選んだ。
前菜はお任せで、デザートはヨーグルトをチョイス。
なぜ、そのチョイスにしたかと言うと
ペンネとリングィーネくらいしか聞き取れなかったのだww
言葉なんか問題ないとはいうけれど、多少はわからんとうまいものにもありつけないのかも知らん。
ワインは適当に料理に合うものをチョイスしてもらい、最後の晩餐は始まった。
アンティパスト なんだったか記憶が曖昧だが結構うまかった気が・・・
リングィーネがやってくる。
日本のそれとは違いやはりニンニクの香りがまろやかだ。
日本のイタリアンに慣れ親しんだオレにはちょっともの足りない気もした。
ペンネは中々。砕いたピスタチオがいいアクセントと絶妙なコクをかもし出す。うまい!
そういえば日本ではナッツを料理に使うってあんまりないなぁ。
ゴマはやたら振り掛けるがナッツを使った料理って何があるだろう?
味噌ピーくらいのもんか?イタリアンとは程遠い・・・がんばれ日本料理!
デザートは強力!チョコが濃厚なのがすごい!カカオ何%だ?
ヨーグルトも日本で慣れしたんだヨーグルトとは完全に別物だ。
酸味が強く、香りも強い。正直コレは苦手な味だ。
しかしながら最後の晩餐にふさわしく全般的に中々うまかった。
これでこの国ともおさらばか。。。
すっかり日の暮れた街をほろ酔いになりながらホテルへ向かって歩いた。
空に星は見えず、街頭も少なく暗い道をぶらりぶらりと歩く。
最後の夜、オレはやっぱり道に迷った・・・