こんばんは

先日の『ぷよクエ』ブログで触れていたストック記事の『エクソシスト』の映画感想記事が一足先に書き上がったので

ももクロの『ももいろクリスマス2017/DAY2』の記事もまだな状況なんですが、今日は『エクソシスト』の映画感想ブログにいきたいと思います。




















あらすじ

イラク北部で遺跡を発掘調査していたランカスター・メリン神父は、悪霊パズズを模した像を発見し、彼は「この邪悪な悪魔と再び対峙する日が近い」ことを予感する。

その頃、女優のクリス・マクニールはある映画撮影のためにワシントン近郊のジョージタウンに家を借り、一人娘のリーガンと共に滞在

クリスが近所で時々見かけるデミアン・カラス神父はジョージタウン住む神父で、時々、ニューヨークに住む母親を見舞いに訪ねている。

平穏に暮らしていたクリスは、やがてリーガンの少しずつ異変に起きてることに気付く

最初は何か見えない存在と交流してる素振りだったリーガンが、クリスがある日に開いたパーティーでクリスとゲストの前で汚い言葉を発したかと思うと、失禁したのだ

その後しばらくして、寝室で激しく暴れ出したリーガンは、徐々に声も邪悪な響きを帯び、形相も怪異なものに豹変する

日を追って激しくなるリーガンの現象に、医者たちも手がつけられない日々が過ぎたその矢先、クリスの友人の映画監督のバーク・デニングズが殺害される事件が発生。

死体が発見されたのはクリス宅の近くの階段で、リーガンがバークを殺したのでは察したクリスはリーガンに詰め寄ると、リーガンは十字架で自身の精器を刺して自慰し始め、バークの声色を使いクリスを嘲笑する。

その後も、施設などに診察してもらうも原因がはっきりせず埒が開かない状況に苛立ちを爆発させたクリスに、医者は非科学的な話としながらもリーガンが悪魔的な存在に憑依されいる可能性を示唆し、悪魔払いを行う神父の存在を教え、彼らに悪魔払いをしてもらうことをクリスに勧める。

バークの一件や今までのリーガンの異様な行動から娘が悪霊に取り憑かれたと悟ったクリスは

パーティーの際に訪れていた知り合いのダイアー神父に近所で見かけたカラス神父について教えてもらったことを思い出し、カラス神父とコンタクトを取って、リーガンの悪魔払いを依頼する。

当初、悪魔憑きに否定的なカラスであったが、実際に調査を進めていくうちにリーガン自身からの助けを求めるメッセージを発見。カラスは悪魔払いの儀式を決意し、大司教に許可を求める。

主任には、悪魔払いの経験があるメリンが選ばれ、いよいよリーガンの悪魔払いが始まるが…



















感想

ということで今回の『エクソシスト』ですが

文句なしに一等賞のオカルトホラー映画として、あまりにも有名ですね

この作品のヒットで多くの亜流作が作られた意味でエポックメイキングな1作でもありますね

またジャケット写真として使われている



この悪魔払いに訪れた神父さんが佇んでいるシーンが印象的な作品でもあります


自分が鑑賞する前から、映画に関する逸話やら、名シーンやらも沢山映画雑誌などで何度も取り上げられていて、知ってる本作ですが

実際に自分が最初に本編を鑑賞したのは

実は本作のディレクターズカット版が劇場公開もされた2000年よりも、ずっと後になってからの比較的最近のこと(^^;

多分、ビギニングものとして『エクソシスト ビギニング』が日本でも劇場公開される前後になってからだった気がします

まあホラー映画に限らず、有名過ぎて、返ってレンタルでもTVでも見ていないまま通ってしまった作品ってのが案外あって

自分は未だに『ハリー・ポッター』シリーズとか、『スターウォーズ』シリーズ辺りはマトモに見たことがありません(^^;



なので例のジャケ写のシーンのイメージの強さもあって、初見時は、実はジャケ写に写ってるメリン神父が主役だとずっと思ってたぐらいです(笑)

それで、いざ鑑賞してみたら、メリン神父がなかなか本編に絡んでこないなぁとか思ってたら、一緒に悪魔払いをするカラス神父の方が実は主役だと判明して驚いたという(^^;




そんな(?)本作ですが

キリスト教と縁遠い、仏教の国の日本人が見ても、やはりハラハラさせられる恐さを感じさせます

まあキリスト教関連の会話のシーンは、よく分からないネタもあったけど

そんな宗教的な描写よりも

オープニングで遺跡で発掘調査をしていたメリン神父が、悪魔の像を発掘し、何か不吉なことが起きるのでは…と予感するシーンから

映画撮影のためにワシントン郊外に家を借りて滞在している女優のクリスと娘のリーガン母子にその不吉な何かが忍び寄ってることが分かる流れ

リーガンが悪魔に取り憑かれ、徐々に変貌してしまう展開や医師に見せるも医学の常軌を逸した現象の続発に見放されるところや

悪魔に取り憑かれたリーガンがクリスの知り合いの映画監督を殺してしまったらしいことが発覚する流れ

そして映画監督の事件を捜査するキンダーマン警部との繋がりから、カラス神父が悪魔が取り憑いたリーガンの悪魔払いへと対峙する流れといった、起承転結というか

メインの登場人物がリーガンの悪魔払い(エクソシスト)に結び付いていく展開の見せ方が面白いんですよね


そして、悪魔パズズに取り憑かれた少女リーガンの超常現象の描写の恐ろしさもなかなかですね。

一般的にもお馴染みの失禁シーンや緑のゲロを吐きかけるシーン、十字架でのオナニーシーン、オ○ンコと叫び続けるシーンを始め

超常現象でクリスを殺しかけるシーンや、リーガンの顔が360°回転するシーンと

これだけ特撮が発達してる現代に見ても、パズズが起こす超常現象や、リーガンの激変ぶりはやはり恐いです

またこの作品といえばカラス神父の見る母親が登場する夢のシーンでの悪魔のフラッシュバックも印象的でしたね



意識せずに鑑賞してて、フラッシュバックに一気にゾッとさせられた気がします(^^;


その映画の中では主体とも言える悪魔パズズを払い退けるための終盤の悪魔払いのシーンも緊張感があって目を見張る展開なんですが

全体からするとシーンとしては短いため、リーガンの変貌ぶりと比べると、インパクトとしては弱い印象も感じました。


これは、久々に鑑賞しても思ったんですが

変貌したリーガンを治そうと奔走していた母親のクリスが医師からエクソシストの存在を知って、滞在している家の近所に住むカラス神父に悪魔払いを行ってもらうためにコンタクトを取るまでの前置きとか

いざカラス神父とコンタクトを取った後、過去にパズズの悪魔払いを行った経験のあるメリン神父とカラス神父が接触し、終盤の悪魔払いを行うまでの段取りとか

不必要に長いなぁと思う部分が多いのが、悪魔払いのシーンを少々ダレさせた要因のようにも思えて、ちょっと残念なところでもあります(^^;

特にクリスがリーガンを病院や医師に診察してもらうも、結果を得られないシーンは、元々、悪魔払いの映画であることを分かってると

精神科関連の診察シーンが悪魔払いに結び付かないことも予見できるため、関係無いシーンなのに無駄に引っ張り過ぎているように見えて、テンポが悪く感じてしまうんですよね。


あと個人的には、クリスの友人の映画監督バークがリーガンの異変後にクリスらが滞在する家に近くで変死した事件を捜査するキンダーマン警部とリーガンの悪魔払いの結び付きが弱いまま話が終わってしまったのも残念なところ

キンダーマン警部は結局、終盤のカラス神父の命懸けの悪魔払いの顛末というか、あらましをどのように知り、どのように事件を処理し、自身はどう感じたのかという部分が描かれずに終わっちゃったんですよ

せっかく、キンダーマン警部とカラス神父が事件についての会話をするシーンのやり取りのユーモアが良かっただけに

一人だけ、悪魔払いの核心部分に特に関わることなく、なんか蚊帳の外にいるみたいな立ち位置で終始してしまったのが勿体無く感じちゃったんですよね(^^;

まあ、そんなキンダーマン警部が悪魔云々に密接に関わるには『エクソシスト3』まで待たないといけないんですけどね


ちなみに本作は大ヒットのために当然ながら続編も作られ

77年に『エクソシスト2』、それから13年後の90年には『エクソシスト3』、さらに2004年にはメリン神父を主役にした前日譚『エクソシスト ビギニング』が製作されてます。

2は、1作目から4年後が舞台で、悪魔払いを受けたリーガンに再びパズズが憑依しようとしているという展開

3はキンダーマン警部を主役に、既に犯人が処刑されている事件に酷似した殺人事件を捜査する過程で、警部が事件を起こしていた悪魔と対峙することになる展開で

『エクソシスト』の原作者のウィリアム・ピーター・ブラッティが2の出来に不満を持ち、自ら『エクソシスト』の続編である原作の「Legion」を映画化した作品でもあります。

なのである種、『エクソシスト』の正統な続編は3になっていたりするという

そして『エクソシスト ビギニング』は1作目で触れられていた、メリン神父とパズズの最初の戦いを描いた前日譚の作品。

当初は名匠ジョン・フランケンハイマーが監督する予定だったんですが映画製作前に亡くなったために

『タクシードライバー』などマーティン・スコセッシ監督作品の脚本でも有名なポール・シュレイダーが監督したものの、製作会社が出来に難色を示したために、レニー・ハーリンを監督に迎え全面的に作り直したという、エピソードでも知られますね。


また本作は製作25周年として、2000年に『エクソシスト ディレクターズカット版』が公開されており

悪魔に取り憑かれたリーガンによるスパイダーウォークなど、オリジナルからカットされた15分のシーンが追加されています。


最近でも2016年から本作の後日譚をTVシリーズ化した『エクソシスト』が製作されており、日本でもスターチャンネルで放映された後にソフトリリースされてます。




そんな本作の監督のウィリアム・フリードキンについても触れておきましょう

イリノイ州シカゴ出身。

両親はウクライナからのユダヤ人移民で、フリードキンの祖父や祖母、両親、親類はみな帝政ロシア下で起こった1903年のポグロムから逃れてきたらしい

地元のセン高校に入学し、高校時代は花形バスケット選手だったものの、父親の死で大学進学を諦め、1955年に地元のTV局にメッセンジャーボーイとして入社し、その後は数々の番組でアシスタントディレクターを務めてました。

1960年代に入りドキュメンタリーの監督などをして注目され、1965年にハリウッドに移り、67年ソニー・ボノとシェール主演の『ソニーとシェールのグッド・タイムス』で劇場映画監督デビュー

71年の『フレンチ・コネクション』でアカデミー賞作品賞と監督賞を受賞し注目され、本作『エクソシスト』が世界中で大ヒットしたことにより、ヒットメーカーとして認知されるも

続く、イヴ・モンタン主演の53年の作品のリメイクとなる『恐怖の報酬』では多額の制作費をかけるも興行成績・批評のどちらも失敗し

80年代以降はヒット作に恵まれない不遇な監督という印象も強いです(^^;

2000年には本作のディレクターズカット版の他にも、トミー・リー・ジョーンズ、サミュエル・L・ジャクソン主演のサスペンス映画『英雄の条件』を監督

近作では、同じくトミー・リー・ジョーンズとベニチオ・デル・トロ主演のサスペンスアクション映画『ハンテッド』、トレイシー・レッツの原作戯曲のオフ・ブロードウェイの舞台作品をアシュレイ・ジャッド主演で映画化した『BUG/バグ』

同じくトレイシー・レッツの原作戯曲をマシュー・マコノヒー主演で映画化した『キラー・スナイパー』を監督

今年2018年には今まで一回もDVD化されなかった『恐怖の報酬』がオリジナル完全版で11/24から劇場公開もされるそうです。

私生活では77年に女優のジャンヌ・モローと結婚するも2年後に離婚

82年には女優のレスリー・アン・ダウンと再婚するもこちらも離婚し

3度目の離婚を挟んで、91年に『危険な情事』などの映画プロデューサーのシェリー・ランシングと4度目の再婚してます。

徹底したリアリティを重視する監督として知られるも、その撮影現場での傍若無人ぶりも有名で

本作『エクソシスト』の撮影中も、事前に演出を知らされなかったクリス役のエレン・バースティンがリーガンに殴り掛かられるシーンで思いっ切りワイヤーで引っ張られて背中を損傷したとか

撮影現場で前触れもなく実弾入りのショットガンをぶっ放して、驚く役者たちの緊張した様子の顔をそのままフィルムに収めたとか(カラス神父役のジェイソン・ミラーがこうした演出に抗議したものの聞き入れてもらえなかったという)

カラス神父の友人のダイアー神父役を演じる実際に神父さんでもあるウィリアム・オマリーに至っては、悪魔払いの終局となるシーンの撮影で監督の満足のいく演技が見られないと容赦なくNGを連発され、15回もやり直された挙げ句に感情を引き出すためにとかで突如ビンタされてそのまま撮影を続行し、その動揺した様子の演技がOKテイクで使われたというΣ( ̄ロ ̄lll)

いくら作品のためとはいえ、フリードキンの鬼畜ぶりが窺い知れる非道とも言えますね(^^;

『恐怖の報酬』以降、続けてヒット作に恵まれないのも、ある意味、この作品の呪いなんじゃないの?って思いたくなります。







ところで今回の本作ですが、先日の『ぷよクエ』ブログの際にも言及した通り、実は元々は8月にブログを書こうと思ってたんですよ(^^;

というのも、8月にCS映画チャンネルのムービープラスで
、日本が生んだ唯一のドラキュラ俳優としてもお馴染みの岸田森がカラス神父役を務めた、80年に『月曜ロードショー』で放映されたバージョンの、いわゆるTBS版の日本語吹き替えで本作が放送されていたもので

その吹き替え版を8月に見ていたので、そのことも含めて映画の感想を書こうと思ってたんですよ

この岸田森が吹き替えたTBS版は、実は未だにDVD・Blu-rayにも収録のされたことのない、貴重な音源で

TV放送も30年以上無かった、いわば幻の吹き替え版と言ってもいいものだったそうなので

Twitterで放映の情報を知った時から、ぜひとも見たかったんですよ

その岸田さんの吹き替えですが、これがなかなか美声で、カラス神父の吹き替えも危機迫る演技ぶりが非常に印象的でした。

岸田さんは元々、『コレクター』や『アラビアのロレンス』など、洋画吹き替えもちょいちょい熟していらっしゃったようだし、洋画吹き替えが上手いのも頷けるものがありますね。


多分、昨今だと岸田森を全然知らない人も多いでしょうが

このブログでもよくリンクを貼らせていただく『最低映画館』さんでの、岸田さんの代表作とも言える吸血鬼映画『呪いの館 血を吸う眼』の記事にて、岸田さんのプロフィールを非常に上手いこと書いていらっしゃるので

今回はそちらで御確認していただいたくということで悪しからず(笑)

まあ知らない人にはある意味ビックリでしょうが、実は樹木希林さんが内田裕也さん以前に御結婚されていたお相手でもあったという

先日の樹木さんの訃報のニュースの際に、岸田森との結婚の部分は触れているワイドショーとかが全く無かった辺りに、今のTV業界には岸田森のことを全くピンとこない、全然知らない人しかいないのかなぁ…と、ちょっと時代の流れを感じるところがあって

子供の時から、ゴジラ好きの弟の影響で、その流れで『マタンゴ』とか東宝製作の特撮怪奇映画で岸田さんのことを知っていた自分は、若干、切ない気分にもなってしまったという(^^;






最後にキャストについて

クリス・マクニール役のエレン・バースティンは『アリスの恋』でアカデミー主演女優賞の受賞経験もある大女優。

女優になる前はモデルやショーガール、ナイトクラブのダンサーなど職を転々とし、NYに移ってから女優として端役に着きます

57年にブロードウェイにデビューするチャンスを掴み、60年代の初めにはテレビにも出演し始めるも、演技の勉強をしたことがなかったため、アクターズ・スタジオに入り、リー・ストラスバーグから学んだそう

アクターズ・スタジオで修学後、ブロードウェイに進出し、64年にエレン・マクレーの芸名で『踊れ!サーフィン』で映画デビュー。

女優デビューから映画に進出するまでに3回の結婚経験があり、3回目の結婚相手の俳優のニール・バースティンとの離婚後の70年代からは姓を変えずにエレン・バースティンの芸名のまま活動

71年の『ラスト・ショー』でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされ、本作でもアカデミー賞主演女優賞にノミネート

74年の『アリスの恋』にて同賞を受賞、同年には舞台でもトニー賞を受賞し実力を証明します

以降も3回のアカデミー賞主演女優賞へのノミネート経験を持ちます

82年にリー・ストラスバーグが死去してからは、アル・パチーノ、ハーヴェイ・カイテルと共同でアクターズ・スタジオの学長を務めてます。

それ以降も女優活動は精力的で、98年のアンジェリーナ・ジョリーらと共演した群像劇『マイ・ハート、マイ・ラブ』

20年ぶりのアカデミー賞ノミネートとなった、ダイエット薬から薬物中毒に溺れてしまう主婦を演じた『レクイエム・フォー・ドリーム』

サンドラ・ブロックと共演した『ヤァヤァ・シスターズの聖なる秘密』、73年のカルトサスペンス映画のリメイクである『ウィッカーマン』

ジョージ・ブッシュの母親であるバーバラ・ブッシュを演じた『ブッシュ』、クリストファー・ノーラン監督のSF映画『インターステラ』といった作品が近作になるでしょうか。


本作のクリス役は元々、ジェーン・フォンダ、アン・バンクロフト、シャーリー・マクレーン、オードリー・ヘプバーンが候補にも上がっていたそうで

エレンの演技も素晴らしかったですが、候補の女優陣もいずれもホラー映画への出演のイメージが全く無い人たちだったので

他の候補の女優さんたちでの『エクソシスト』も見てみたかったですね。(特にオードリー・ヘプバーンのオカルトホラー映画っては、それはそれで見たかったかも)






カラス神父役のジェイソン・ミラーは

ロングアイランド・クイーンズ区に生まれ、その後、ペンシルベニア州スクラントンに移り住みます。

セント・パトリック高校時代に宗教劇脚本コンテストで受賞。その後はイエズス会派のスクラントン大学に進学

卒業後は『ハスラー』のジャッキー・グリーソンの娘でもある女優のリンダ・ミラー夫人と共に宗教劇団に参加し、さらにワシントンD.C.にあるアメリカ・カトリック大学でも学びます。

1972年にオフ・ブロードウェイの舞台に立っていた頃に著した戯曲『栄光の季節』(That Championship Season)がブロードウェイで上演され、ニューヨーク劇評家賞、トニー賞、ピュリッツアー賞を受賞(1982年には自ら監督をして映画化もしている)

1973年に本作『エクソシスト』でカラス神父役に抜擢され、宗教信仰に苦悩する若き神父役を演じたミラーもアカデミー賞助演男優賞候補になります。

以後は舞台を中心に活躍してますが、『エクソシスト』の原作者ウィリアム・ブラッディが監督デビューした『トゥインクル・トゥインクル・キラー・カーン』や『エクソシスト3』など映画作品にも幾つか出演。

2001年に心臓発作にて逝去。

私生活では『エクソシスト』の公開年の73年にリンダ夫人と離婚し、その後、同じく女優のスーザン・バーナードを始め、合わせて3回結婚。

リンダ・ミラーとの間にもうけた子供の一人ジェイソン・パトリック(『スピード2』でサンドラ・ブロックの恋のお相手を演じてた人)と、スーザン・バーナードとの間にもうけた子供のジョシュア・ジョン・ミラーも俳優として活躍しています。







メリン神父役のマックス・フォン・シドーはスウェーデンの巨匠イングマール・ベルイマンの作品の常連でもある大御所。

スウェーデン、スコーネ県ルンド出身で、父親は民族学の教授、母親は教師という家庭に育ちます。

10代の時に友人とアマチュア劇団を立ち上げ、後にストックホルムの演劇学校で学び、在学中の49年に映画デビュー。

55年にイングマール・ベルイマンに出会い、以降、彼の作品の常連となり、『第七の封印』『野いちご』『処女の泉』といった作品に出演しスウェーデンを代表する俳優となります

65年の『偉大な生涯の物語』でアメリカに進出し、以後、ドラマ・アート系から、ヨーロッパの作品、ハリウッドで撮られる超大作やSFまで多彩な映画に出演。

本作『エクソシスト』で当時44歳にもかかわらず老齢のメリン神父を演じて一躍知名度を上げています。

87年の『ペレ』でアカデミー主演男優賞にノミネートされ、2011年には『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』で24年ぶりにアカデミー賞助演男優賞にノミネート。

89歳の現在もまだまだ現役で俳優活動をしていると聞き、ちょっと驚いております。








リーガン役のリンダ・ブレアはこの作品で日本でもブレイクした女優さんでもありましたね。

75年には映画雑誌『ロードショー』でも表紙を飾ってたりしたそうで、その人気ぶりが窺い知れます。

幼い頃からモデルやCMに出演し活躍し、高校時代に本作『エクソシスト』のオーディションを受けて見事、リーガン役を獲得。

邪悪な悪魔パズズに憑依される少女を熱演し、アカデミー賞助演女優賞にノミネートされ、ゴールデングローブ賞では見事助演女優賞を獲得。

70年の『大空港』に続く"エアポート"シリーズの第2作『エアポート'75』や、マーティン・シーンと共演したラブロマンス『ふたりだけの森』等を経て、77年には続編の『エクソシスト2』でも再びリーガン役で出演

しかし、シリーズ2作目と同年の77年にコカイン所持の容疑で逮捕され、以降はリーガン役のイメージを払拭できずに、B級ホラーやお色気映画の出演に転落。

81年のホラー映画『ヘルナイト』ではゴールデンラズベリー賞のワースト主演女優賞を受賞してしまうまでになってます(^^;

そんな中でも、一部のマニアにはシビル・ダニング、ステラ・スティーブンスらと共演した女囚映画『チェーンヒート』や、シルビア・クリステルと共演した『レッドヒート』といったお色気作品の代表作品もあり

まあ役者としてはまだ恵まれていた方でしょうか

90年代に入ると映画出演も激減し、レスリー・ニールセンのコメディー映画『裸の十字架を持つ男/エクソシストフォーエバー』でリーガン役のセルフパロディな役柄を演じたり、96年の『スクリーム』ではシドニーに取材するリポーター役でちょい役出演した程度で

日本公開作品も少ないですが、現在でも映画出演は続けている様子。

現在ではLinda Blair World Heart Foundationというチャリティ団体を設立しているそう。







キンダーマン警部役のリー・J・コッブは

幼い頃はヴァイオリニストとして"神童"と呼ばれるほどの腕前だったそうですが手首のケガから断念

地元のカレッジで会計学を学び、画家から舞台俳優へと転身して35年にグループ・シアターのメンバーになり、37年の『突撃三羽烏』で本格的に映画デビュー。

以降も舞台と映画を平行してその強烈な個性を武器に性格俳優として活躍し、49年の『セールスマンの死』の映画とブロードウェイ公演の両方に出演して注目を集めます。

その後も『波止場』と『カラマゾフの兄弟』でアカデミー助演賞候補になり実力を発揮。

シドニー・ルメット監督の『十二人の怒れる男』でも強い印象を残した他、『電撃フリント』シリーズではクラムデン役でコミカルな一面を見せて好演。

晩年の代表作品として本作が有名でもあります。

76年に心臓発作で死去。

以降、彼が演じたキンダーマン警部役は、90年の『エクソシスト3』の際には、ジョージ・C・スコットに役が引き継がれました。





評価
★★★★






ということで、何かあまのじゃくにも、ももクロのLIVEのブログ記事よりも、下書きのモチベーションが急に上がってしまったために

結局、ももクロの『ももいろクリスマス』よりも先にブログ記事が完成してしまいました(^^;

いや、映画感想系の記事って、気乗りしてる内に進めていかないと、いつぞやの『プラネット・テラー』の時みたいに、下書きを始めたのは2月なのに、ブログ記事が終わってアップするのに数ヶ月もかかるなんて事も多いので

今回はちょっと最優先で書きました(笑)


実は先月の9月にも『エクソシスト』の1・2がムービープラスで放送されていたため、『エクソシスト2』の方を録画していたので

『エクソシスト』の記事のついでにどこかで鑑賞できたら、感想ブログ記事も書こうかなぁ…とは思ってるんですけど

このモチベーションがどれだけ続くかが重要ですね(^^;


こんな感じで、機会があったら鑑賞して感想ブログを上げようと画策しといて放置状態な録画映画が幾つかあるもんで、1個か2個ぐらいは消化したいんですけどね(笑)