世界遺産群「留園」をお散歩 | 駱駝の蘇州便利手帳

駱駝の蘇州便利手帳

江蘇省蘇州市周辺に特化した情報をお伝えしてます。
オシャレやグルメは載せてませんw 情報の過信☆厳禁!!

とある日。

思いつきで、バスに乗って


呉の国随一と評判だった館を観るために

留园を一人お散歩してきましたー(* ̄▽ ̄)
1


<交通指南>

最寄のバス停「留园」 933、317、游1、85路


新区からは、玉山路沿いから、317路で乗り換えなしw
1

観光車:好行のバス停「留园景区」 1号線・2号線です
27


バス停はチケット売り場のソバにあり、迷いません(^-^)

2



入り口の隣に、チケット売り場がありマス
2


入場料は

繁忙期 55元:4~5月、7~10月

閑散期 45元:1~3月、6月、11月~12月



①現金払い、②支付宝払いに分かれてましたw

3



全エリアに、フリーWifiが飛んでるってさっ❤

4




いざ、見学へ∩`・◇・)


駱駝はチケットを買わず

園林カードでピッと入場です❤

5




留园 (りゅうえん)---------------

公式案内:https://www.gardenly.com/JP/ (日本語)


中国江南地方の都である蘇州は

運河で栄え、その財力で

中国随一とされる大変豊かな文化を花咲かせ

また多くの庭園を生み出しました。

 

蘇州の旧市街地には、有名な四大名園

(滄浪亭、獅子林、拙政園、留園)のほかにも

観光地や個人宅としてたくさん残っていますが


その中でも特に知名度の高い

中国四大庭園として

蘇州の拙政園留園が数えられています。

(他の2つは、北京の頤和園と承徳市の避暑山荘)


今回、ご紹介する留園

拙政園と同時期に作られたと考えられているのですが

広さは拙政園に次ぐ、2haほどで

豪華さは留園が上回ると評されています。


それは、留園は当時の現役バリバリ政府高官であった

徐泰時が、建築物に贅を尽くして建造したのに対し


拙政園は官僚職に失望した、左遷役人の王献臣が

世を憂いて、山水画のような自然美を重んじ

心休まる空間を求めた結果だと伝わっています。


2つの庭園の建造時期が前後するなら

絶対、対抗意識持ってたと思うけどー。

そのへん、どうなんでしょうねぇ┐(´∀`)┌



以下、観光ガイドをまとめると


留園は、【徐秦時(じょしんじ)】が

自宅兼庭園として、気合いを入れて造りました。


全盛期は、東・中・西・北の

4つに分かれていたようですが


現在、残っていて、見学できるのは主に

住宅のある東部と、庭園の中部のみ。

 

あと、一部は西園として

初詣で人気のお寺になってるようです。


諸説あり。




でわ、ざっくりとご紹介しますねーヾ(´▽`)ノ




<留園の特徴を見てまわる>

 

通常の、反時計回りで見学するコースです
3

まず、門から入って最初の~

3


中庭(現在はゲートがあります)
4

他の庭園と比べ、なんか・・・・地味?Σ(・ω・)なんでぇ~?


目に触れるトコロを

徹底的に質素にした理由は・・・・・


①時の権力者に対する「注目を集めない為の配慮」

②来客の好奇心をあおる為の演出

と言われているそうです。


この中庭から、狭く薄暗い通路を奥へ進むと

6
8

トコロ何処に明かりをさそい込む空間を設けてあり

植物や窓で、暗→明、小→大という変化をつけて

7
10
9

来客の緊張感を生み出し、先への期待感を

膨らませる効果を狙っているそうです。



東部の住宅区に向かう通路には

花模様の透かし窓が切り込まれていて

11

12



その奥に中部の庭園をのぞき見られるようになっていました。

13

またチラ見せ。

にくい演出だw




東部の中心建築物に到着♪

15


大きな・大きな 【五峰仙館(ごほうせんかん)】は

柱と梁が全部楠で出来てるので

【楠木庁(なんぼくちょう)】」という別名で親しまれました。

16

 


主に客人をもてなす為の施設で

集会所兼宴会場なんですが

キャパ400人(* ̄▽ ̄)すげー


財力を見せ付ける意味もあって

とにかく細部にわたり、豪華・贅沢に造られていて

8

調度品の豪華さ

7



南北に部屋を分ける壁の

「絹の蘇繍」が目をひきます。

17

「蘇繍」には、それ自体の美しさを見せつつ

透かしてみえる奥庭の景色を楽しませるという

ダブル効果を狙ってるんですって!


奥の庭の築山は【徐秦時】が好んだ廬山を模して

造られてるのですが・・・・・

18

ココでちょっとしたゲームが出来ますw

コレなーんだ?

はい、豚でーすw

19

なんと!12匹の干支にちなんだ動物を

コッソリ隠してあるんですよー

主は、なかなか遊び心のある人だったようですねw




東部の【五峰仙館】から、奥へ奥へ。

20



ときどき現れるミニ箱庭。

21


「竹や芭蕉や石を配置して小宇宙を造りだしている」

みなさん判りますぅ?(^^;)


【五峰仙館】から東に向かうと

【揖峰軒(ゆうほうけん)】に行けます。

22


この部屋は、館の主の書斎兼遊戯所でしたので

詩を論じたり、琴を奏でたり

ひとり静かに読書したり・・・・・


そのイメージなのか

囲碁や琴などの展示がありました。

23


北側に3つの窓があるのですが

窓枠を額縁のように捉え、

絵のように鑑賞するのが、正しいそうです。

24

竹や石を配し、小宇宙を作り出していて

「主の美意識がしのばれる」


また出たっ!小宇宙 o( ̄ー ̄;)すっきやねぇ



【揖峰軒】の前にあるのが【東園(とうえん)】です。

少し今までとは趣が異なる庭が出現します。

31

けっこう広いが、なんもナイ(--)b

何もないのは、消失したから。


消えたのは蘇州の地方劇である

【昆劇(こんげき)】用の舞台です。


蘇州で初の電灯照明を取り入れた近代的な劇場で

大きな3階建てだったと言われています。


しかし、日中戦争で破壊されて

今ではその痕跡すら見当たらず・・・・・



【東園】の一角、北門をくぐると

25


【林泉耆硕館(りんせんきせきかん)】に行けます。

32


この建築物の特徴は南北一対になっている事。

それゆえ、【鴛鴦庁(えんおう=おしどりの意)】の

愛称でも呼ばれていました。


南側は太陽光がふんだんに注がれる造りで暖かく

秋冬の寒い時期の活動に向いています。

11

 

北側は日陰で涼しく

春夏の暑い時期の活動に向いています。

34

北側は、調度品や装飾、天井の梁までも彫刻が施され

細工もみごとで、豪華絢爛ゆえ【雄庁(おちょう)】

35


南側は対照的に、梁も丸木で彫刻もなく

質素・素朴ゆえに【雌庁(めちょう)】


という別名でも呼ばれていました。

封建時代の思想を色濃く残すネーミングですね。





【林泉耆硕館】から北側を向くと

池の中に目立つ一本柱の太湖石があって

この石の名が【冠雲峰(かんうんほう)】です。

9

 

高さ6.5mは、現存する中で

もっとも高い太湖石だそうです。


古典庭園には必ずある太湖石ですが

実は、留园の庭は、この時代の庭園のお手本で

それゆえ【冠雲峰】の知名度は別格!


この石、名前の通り、

産地は蘇州市の西にある太湖なんですが

地下水が削った自然の芸術品なんです。



※太湖东山にある洞穴も、同じ水の芸術品ですw

林屋洞と山桃狩りツアー②


この太湖石を360度から鑑賞できるように回廊と

"冠雲峰を見るためにちょうど良い高さの平台”

があるので、下に降りずにご鑑賞くださーいw

17

回廊といえば!


なんと留園の回廊は、総長700m以上もあるんです!

もちろん蘇州の中では群を抜いて最長。

16

雨の多い江南地方ですが、この回廊のおかげで

2


雨にけむる庭園をゆっくり鑑賞でき

12


夏は涼しく観覧することができます。

 

蘇州の夏は、高湿高温の天然低温サウナです。

気温40度も珍しくありませんが

屋根で影があれば、とっても身体が楽なんです( ̄∇+ ̄)





長廊を過ぎると、中部の庭園に出ます。

25

急に開けたその庭と池には

草木や石、館などが計算尽くされた配置で

26

「水の都、蘇州の縮図のようだ」と評されたほどで

様々な角度から楽しめるようになっています。


現在、池のほとりの【明瑟楼】には小さな舞台があり

28


定時になると、観光用プログラムが行われ

蘇州評弾や昆劇を見ることが出来ます。

14
15

古典庭園に必ずある舟型の建物。

当時流行った「始皇帝&徐福の不老不死の薬」の話から

仙人が住む島に旅立つイメージにあやかってるそうですw


【涵碧山房(かんぺきさんぼう)】は
24

形式にこだわらない自由建築ですが

民の時代の素朴で自然な風格が備わっています。

 

・・・・ってあったけど。

人が多すぎて、怯んで中を見学せずw


中には地元の署名な画家の絵と

南宋時代の書道家の作品がかけられていて

どちらも蓮について書かれています。


それゆえ、蓮の花の時期には

観光客がこぞって蓮を写真に収める姿が見られます。






このように。

庭園の片隅にも気を配った

主の美意識を今に残す留园。

 


この他にも、ルートを少し逸れたら

そこは、まるで森の中。夏はとても涼しいです(^-^)

22
23


盆栽园をのんびり鑑賞したりー
29
30


美しい竹林もステキなんです(^-^)
28
26


冬は満開の菊园も見所のひとつ!
20

 


こんな敷石は鋪地(ほち)って言います。

デザインが豊富なので、飽きません^^

1



屋外では、お花や紅葉など自然美を楽しめ

屋内では、人口の造形美を満喫できちゃう

留園の良さ、共感いただけたら幸いです(^-^)v


蘇州の冬空も、けっこう青いよ。
19


どうどう?

一人お散歩に、园林。

けっこうイイでしょ~ヾ(´▽`)ノ



ガイドブックによれば

『風の音、波の文様、雨のにおいなどを嗜み

自然と共に生きる、山水画の世界に

飛び込んだような錯覚に囚われる』

・・・・事のできる留園ですが


ソレを、本気で味わいたい方は

ぜひ、視界に入る人の数が少ない

平日の早朝(7:45分開園)からお出かけくださいw
10

土日だと、誰かの後頭部ばっか

眺めることにー (* ̄▽ ̄)あはははは

 




10月は菊の生け花展を開催中
29


振り返れば、そこが出口

30



最後の最後まで、楽しい演出でした。


留园、またねー((((((((・ω・)かえるー








----------------蛇足-----------------

じつはー。

留园は、敷地内に、意外と段差が多くて

部分的に、歩きづらい見学コースなんだよね(^^;)

34
   ↑
こことかー


健康なときには気にもしなかったけれど

歩いていても、常に気になるのは

石の階段、20cm以上の段差などなど

足元ばっか!


登ったり

降りたり

またいだり・・・・おっとっとw


10月は、2回転びそうになったワ(^^;)


もちろん、そんなエリアは

車椅子やベビーカーで通れないのよー。




だけど。


お花の季節は特にステキなお庭なので(^-^)

もう一度、自分の足で歩いて

気ままに散策したいと思ってマス。


だから、リハビリ

がんばるねー ∩`・◇・)ふぁいっ


でわでわw