東京五輪のあと、期待していた女性の監督が結果を出せなくて残念、という主旨の記事を書きました。
そのときに取り上げた1人、女子バレーボールの中田(元)監督。
文春オンラインで、ロングインタビューに答えていました。
文春って、スキャンダルのスクープのイメージが強いかもしれませんね。
でも事件報道とか、表層だけでなく深掘りしていて、さすがだと感じることが多いですよ。
今回のインタビュー記事も、非常に読み応えがありました。
やっぱり、さすがは中田久美さん。
こんなことまで考えていたのか、していたのか、と感嘆することしきり。
でも、不運もたくさんあったし、彼女にも足りない部分があったのは確かだし。
オリンピックで決勝トーナメントに進めなかったという結果だけで評価するなら、ダメはダメです。
まぁ、それだけで評価するのは良くないことだと思いますけど、世間はそうですから。
サッカーの日本代表に関連して、前にもちょっと触れましたけど、
協会の田嶋会長にも問題はたくさんある、と思います。
その論調の記事や動画もたくさんあります。
女子バレーボールについても、今回の記事を読めば、
協会の有能さ無能さが大きく影響することがよくわかります。
代表監督に、事務仕事や裏方仕事までさせちゃ、ダメでしょ!
監督は任せました、あとはあなたがやってください、と丸投げしてるように見えます。
男子サッカーに関して、こと代表チーム強化に関して「だけ」なら、
田嶋さんに選挙で負けてしまった、原さんの方が遥かに有能な人材だと僭越ながら思っています。
原さんはヨーロッパにも長期で出かけていて、戦術論議もできるし、現地に人脈もあります。
ただ、協会の会長の仕事って、代表チームの強化だけじゃないですよね。
地方への競技の普及とか、育成環境の構築や拡充もあります。
メディアや広告代理店との折衝も大変でしょう。
おそらく、ですが、そういった「代表チーム強化以外」のことは、
全体的に原さんより田嶋さんが適役なんだろうなと思います。
監督も会長も、万能選手じゃないわけですよね。
得意なこともあれば、不得手なこともあるのが人間ですからねぇ。
それから、運不運でいえば「そういう星のもとに生まれた人」としか言いようがないわけで。
オリンピックに関しての結果だけで言うなら、中田久美さんは、そうではなかった。
選手としても、監督としても。
(※国内リーグでの数々の金字塔は、文句なしに素晴らしいです!選手でも監督でも)
わずか19歳にして、しかもセッターに転向してわずか4年目で、ロス五輪で銅メダル。
(長らく史上最年少での代表入り記録保持者でしたが、初選出時は15歳でセンタープレイヤー)
でも当時はまだ、日本の女子バレーボールは金メダル以外は無意味、みたいな時代で。
経験も積んで脂がのってきて、いざ! となるはずだったソウル五輪の前に、大怪我。
選手生命の危機とまで言われた重傷で、五輪の数か月前に2度目の手術。
五輪の試合では、痛み止めが手放せないという状態に。
惜しい。
「そういう星のもとに生まれた人」と言ってしまうと、
本人の努力を無視しているように聞こえてしまうかもしれませんが、そうじゃなくて。
あれだけの才能を持つ人が、あれだけ努力したのに、あとはもう運不運だよね、という意味です。
モーグルの上村愛子さんとか、ね。